山梨学院高生がお手柄
~振り込み詐欺被害を防止~
~高校生では初。甲府警察署より感謝状~
山梨学院高校の生徒が振り込み詐欺被害を防止した。手柄を立てたのは、特進コース2年生の手塚颯士(てづか そうし)さん。7月31日、山梨学院高校TAKERU応接室で甲府警察署から感謝状が贈られた。手塚さんは7月29日午後5時20分頃、夏期講習の下校途中にJR酒折駅北口ロータリー付近で、携帯電話で通話中の高齢女性の様子がおかしいのに気付き、積極的に話しかけ事情を聞くと、振り込み詐欺と直感、甲府駅交番まで同行し、被害を未然に防止した。感謝状を贈った甲府警察署・松原茂雄署長は「困っている人を何とかして助けてやろうと、高校生がしっかりとした行動を取ったということは、今まで『振り込み詐欺』に関してはなかったので、とても素晴らしいことです」と話した。感謝内容は、高齢者被害者に対する電話詐欺を未然に防止し、他の模範であり、機転を利かせた素晴らしい行為であるとしている。
振り込め詐欺とは、「オレオレ詐欺」、「架空請求詐欺」、「融資保証金詐欺」、「還付金等詐欺」を総称して「振り込め詐欺」と呼んでいる。平成26年の振り込め詐欺の認知件数は前年に比べ約2割増加し、被害額は約5割増加した。被害総額は約380億円にも上る。山梨県だけでは、オレオレ詐欺の場合、36件(前年比+11件)被害総額約1億693万円だった。被害者を見ると、被害全体の約68%が女性、被害全体の約76%が65歳以上だった。(山梨県警)
7月29日、手塚颯士さん(2年 特進コース)は夏期講習の下校途中、JR酒折駅北口ロータリー付近で携帯電話で通話中の高齢女性の様子がおかしいのに気付いた。手塚颯士さんは「おばあさんが話している内容が、テレビでよく見る詐欺のような内容で、人を探している感じで少し戸惑っているようだったので、おばあさんに話しかけるようにしました」とその時の様子を説明。事情を聞き、振り込み詐欺だと直感すると、「近くに携帯で話す詐欺犯らしき人が見えたので、ここでおばあさんを一人にすると危ないと思い、自分がしっかりおばあさんに安全な所まで付いて行ってあげようと思いました」と振り返った。手塚さんの一緒に甲府駅前交番まで付き添うという、とっさの判断が被害の防止に繋がった。振り込め詐欺で高校生県下初の感謝状という快挙については「自分の行動が一人のおばあちゃんが助かったということで、自分の中で満足感とうれしい気持ちがあります」と素直に喜びを口にした。感謝状を贈った甲府警察署・松原茂雄署長は「困っている人を何とかして助けてやろうと、高校生がしっかりとした行動を取ったということは、今まで『振り込み詐欺』に関してはなかったので、正義感というか行為自体がとても素晴らしいことです」と謝辞を述べた。
お手柄の手塚颯士さん(2年 特進コース)は、南アルプス市在住。両親と妹の4人家族。特進コースの理系に席を置く手塚さんだが、国語が一番好きな科目という。大学は国立の理系を志望し、将来は、人のため、人を助けるような職業に就きたいと希望を語る。「おばあちゃんにありがとうと言われた時に、自分がおばあちゃんを救えたということがうれしかった。困っている人がいたら、その人には優しい言葉で声を掛けてあげて、しっかりその人と向き合って行きたいと思います」とあくまで優しい。また、「友だちには、このリアルな体験を伝えていきたい」と周りにも防犯意識を高めることを誓った。
文・カメラ(K.F) 2015.7.31