全日本学生テニス選手権(インカレ)本選4日目
~久次米・寺見・本郷選手3人揃って4回戦へ~
~本郷選手、第2シードを破る大金星~
テニスの学生日本一を競う「平成27年度全日本学生選手権(インカレ)」が岐阜県岐阜市・岐阜メモリアルセンターで15日から始まった本選の熱戦が繰り広げられている。大会は、3日目に天候不良の影響で17日のシングルス3戦目が18日に延期された。山梨学院からは本選2戦目から出場の本郷未生・久次米夏海・寺見かれん選手の3人が順当に勝ち進んで3戦目に挑んだ。試合は、初めに登場した第3シードの久次米夏海(4年)は、室内コートで試合に臨み6-0、6-3で勝利した。久次米選手の試合が終わる頃、日差しがコートに照りつける中、寺見かりん選手の試合が始まり、何度も手合わせをした選手との戦いに6-3、6-4で競い勝った。隣のブロックでは本郷未生選手が、第2シードの強敵を迎え、持ち前の正確なストロークと強気の攻めで相手と互角以上の競い合いに勝利し、大金星を挙げた。今まで1セットしか取れなかった格上に6-3、6-3で勝利。ベスト16に名乗りを上げた。3戦目を勝ち取った3選手は、それぞれに目標に向かって、明日の4戦目に挑む。
昨日の天候不良で18日に順延になったシングルス3戦目。朝から爽やかに晴れ渡り、木陰に入ると涼しい風が感じられる岐阜市メモリアルセンター。コートではそんな涼しさを感じさせない熱戦が繰り広げられていた。正午前に上は黄色、下は白のテニスウエアで室内コートに登場した第3シードの久次米夏海選手(4年)は、山藤彩香選手(亜細亜大)と対戦。小柄な久次米選手は大柄な相手に対してライン深く打ち込む力強いショットやサイドを抜くショットで主導権を握り、第1セットを僅か20分、6-0で取ると、第2セットも前後左右ショットを打ち分け、抜群のコンビネーションで5-2までテンポよい試合運び。あと1ポイントで簡単にセットを取るかと思えたが、久次米夏海選手は「早く終わりたいという気持ちと最後攻め急いで、こちらのミスで相手が生き返ってしまった。楽して相手にポイントを取らせてしまった」と詰めの甘さを反省。「ここだけはブレークしたいと、今までのサーブのコースとかを研究してリターンを返していくようにしたらゲームを取れた」と苦労した1ポイントを振り返った。最後は6-3で振り切った。「明日は、シードは下の選手ですけど、絶対勝たねばならないので、しっかり準備して戦います」と気を引き締めた。
久次米選手の試合が終わる頃、徐々に気温が上がり容赦ない日差しが照りつけるコートで寺見かりん選手(3年)の試合が始まった。相手は何度も対戦して勝ったり負けたり、お互い手の内が分っている首藤みなみ選手(日大)。日に焼けた肌にピンクのウエアと茶色のスコートを身に付け、精悍な容姿の寺見かりん選手は「1ポイントが大事なので、攻めているときはいいのですが、守っている時のミスがあってそこが残念でした」と振り返るように、1セット目は、痛烈なショットを随所に決め、相手を抑え込む力を見せるかと思うと、決めるべきところで簡単なミスが出るなど自分のペースに持ち込めず一時逆転を許した。それでも何とか持ち堪え、6-4で先取。第2セットは寺見選手のプレースタイルの粘りある守備力と積極的に前に出る角度のあるショットが功を奏して6-3で取り、勝利した。次の4戦目の相手のことを聞くと、「次は第1シードの吉富選手(早稲田大)です。1年上で勝ったことがないのでチャレンジしてぜひとも勝ちたいです」と意気込んだ。
同じ頃、隣のブロックで山梨学院大テニス部の主将・本郷未生選手(4年)の試合が始まった。紺のチェックにやはり紺のスコートの佇まいでコートに立った。何も遮るものがないテニスコートに容赦ない岐阜地方特有の暑い日差しが戻ってきた。本郷選手が迎え撃つ対戦相手は、早稲田大の主将で第2シードの宮地真知香選手。2日前、本選2戦目で福井景子選手を破った相手だ。試合は、共にストロークの正確さが持ち味。互いにラリーでチャンスを作って、ミスを誘いポイントを奪取するプレースタイル。本郷選手は3-0で先行するも相手も低い弾道でコーナーを突く、それを本郷選手は的確に返す、見ごたえのある試合展開で第1セットは6-3で先取。第2セットもキャプテン同士の意地と意地の戦いの火花がコートに弾けた。第2セットもお互いにサーブをブレークするなど質の高い試合を展開、最後までモチベーションを切らさなかった本郷選手が格上を破る大金星を上げた。本郷未生選手は「相手は第2シードで選手なので自分はチャレンジャー、守ってもしょうがないので思い切って戦えたのが良かった」と話した。「昨年の王座でも1ゲームしか取れず負けている選手で、自分たちが倒したいチーム(早稲田大)の主将に勝てたことはチームとしても大きくうれしいです」とチームの主将としての言葉が出た。
全日本学生選手権 本選S3回戦(8/18)岐阜市・岐阜メモリアルセンター | ||||
S |
久次米夏海 ○ |
6-0 6-3 |
山藤彩香 ● (亜細亜大) |
4回戦進出 |
S |
寺見かりん ○ |
6-4 6-3 |
首藤みなみ ● (日大) |
4回戦進出 |
S |
本郷未生 ○ |
6-3 6-3 |
宮地真知香 ● (早稲田大) |
4回戦進出 ベスト16 |
明日19日は、シングルス4回戦とダブルス3回戦が行われる。シングルスには本郷未生(VS細沼千秋『早大』)・久次米夏海(VS伊藤遥『関学大』)・寺見かりん(VS吉冨愛子『早大』)、ダブルスは本郷未生・久次米夏海(日比沙織・金井綾香『早大』)の4年生ペアが出場する。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2015.8.18