関東大学女子サッカーリーグ戦 開幕
~山学大サッカー部女子、2部昇格初陣~
~上位校に0-0の引き分け。大健闘~
「第29回関東大学女子サッカーリーグ戦」が8月30日開幕した。山梨学院大サッカー部女子は、昨年4月強化育成クラブとして誕生。3部に加盟、すぐに結果を出し11月に行われた2部・3部入れ替え戦で勝利して2部に昇格した。2年目の今年は2部リーグで開幕を迎え、この日から11月2日まで2ヶ月間、大東文化大ほか東洋大、東海大、文教大、東京女子体育大など2部に所属する全10校で総当り9試合を戦う。創部1年目のチームは10人しかおらず、都留文大から選手5人に加わってもらいリーグ戦に参戦した。今年2年目に1年生が14人入部、単独でチーム編成ができるようになった。開幕第1戦の対戦相手は昨年の1部から2部に降格した大東文化大。会場は大東文化大学総合グラウンド、アウェーでの戦いになった。霧雨が降る中、試合前半、立ち上がりは緊張からか動きが悪く相手に攻め込まれる場面が多く、中盤からパスが繋ぎ始めると、格上チームに怯むことなく相手陣内で攻撃し続ける健闘を見せ、0-0で折り返した。後半になると大東文化大は、ロングパスを前線に通すプレーで山梨学院ゴールに怒涛の如く迫った。執拗に攻める相手に防戦一方になった山梨学院はディフェンス陣を中心に体を張って、最後までゴールを守りきり、0-0で引き分けに持ち込んだ。次に繋がる価値ある勝ち点1を獲得した。
山梨学院大サッカー部女子は、昨年2014年強化育成クラブとして誕生した。部員10人、練習試合もままならぬ中、監督の田代久美子監督が練習開始とともに選手と一緒にプレー、体を張って選手に見本を示しながら熱血指導で選手を引っ張っている。監督は、なでしこリーグ浦和レッズレディーズで活躍後、指導者に転向、栃木サッカークラブレディーズのコーチ、監督を経て山梨学院大サッカー部女子の監督に着任した。その指導力には定評があり、今後のチーム力推進の期待が込められている。2年目の今年、14人が入部。単独でのチーム編成が可能になり臨んだ初戦、大東文化大と対戦した。大東文化大学は、昨年は1部リーグのチーム、入れ替え戦で破れ、2部に降格していた。山梨学院にとっては、格上との戦いになった。
平成27年度関東大学女子サッカーリーグ戦 初戦 《山梨学院大VS大東文化大》 8/30 大東文化大総合グラウンド |
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山梨学院大 0 | 前半 0―0 後半 0―0 |
大東文化大 0 |
試合は霧雨が降る中、2年生5人、1年生6人のスターティングメンバーで始まった。前半戦の序盤は、2部の初戦のためか緊張で全体の動きが悪く、攻め込まれる場面が多く、ペナルティーエリア内でシュートを打たれるピンチも、ゴールキーパーやディフェンスの好守備で点を阻止した。20分、前半中盤になるとパスが通るようになり、ゲームキャプテンのMF高橋彩選手(2年 栃木・宇都宮文星女子)を中心に攻撃を組み立て、トップの11番F水野かれん選手(2年 山梨・日本航空)のシュートや、16番MF井原美波選手(1年 千葉・八千代松陰)のドリブル突破でシュートに結びつけるなど攻撃のリズムが良くなり、終始、大東文化大エリアでボールをコントロールした。得点にはならなかったが、山梨学院ペースで前半0-0で終えた。後半は試合開始から、昨年1部のチーム大東文化大は、雨で人工芝が水を吸って重くなりパスが遅くなったことで、ロングボールを前線に送る作戦に出ると一気に形勢が変わり、ゴール前に再三攻め込んだ。山梨学院は自陣での守備の時間が多く、防戦一方になった。しかし、相手のシュートも決定力を欠き、山梨学院ディフェンス陣の懸命な守備で後半45分を凌ぎきり、0-0の引分けに持ち込み勝ち点1を挙げた。2部の強豪校との引分けは、勝利にも値する初戦だった。
試合後、司令塔を担った高橋彩選手は「昨年1部で戦ったチームは、プレースピードが我々と違い不安でしたけど、思っていた以上にボールも回せたし、いくつかいい形でゴールまで持っていけたので、通用するところはあったと思います」と手応えを感じていた。前半、スピードに乗ったプレーで相手を脅かした水野すみれ選手は「正直、自分の思ったことができなかった。一番前で自分が起点にならなかったのですが、ボールを持って、ためをつくることや引き出す動きをもっとやらなきゃいけなかったんですけど」と反省をした。最後に「今日の引き分けでいいわけでもないし、勝たなきゃ意味がないので次は自分が点を取って絶対に勝ちます」と気を引き締めていた。田代久美子監督は「今日どのくらいやれるか、2部のレベルでどれだけやれるか、今後の指標になるのか思っていたので、そういう意味では、十分戦える手応えと課題も感じました。1部昇格と言いたいですけど、実際戦える選手が少なく、手薄なのが現状なので、何とか残留はしたいですね」と話した。また、前十字靭帯損傷の手術をし、現在リハビリ中の又吉里奈主将は「ぎりぎり守れた感じですね。もっと一人ひとりの能力を上げていかなければと感じました。まずは勝ち点3を取りにいけるように意識を持って頑張って欲しい」と選手に注文をつけた。
創部2年目、部員が24人になりチームで練習試合ができる環境になった。まだまだチームはスタートしたばかり。2部の初戦は強豪校相手に引き分ける大健闘を見せ、伸びしろの大きさを感じさせた。1部昇格を、大学日本一を意識して切磋琢磨、チーム一丸で大きな夢を掴み取る!
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2015.8.30