小学校「日本舞踊」ワークショップ
~文化庁と日本舞踊協会の巡回公演事業~
~日舞の所作を学び、伝統芸能を肌で感じる~
山梨学院小学校は日本舞踊のワークショップを9月4日、山梨学院古屋記念堂で実施した。このワークショップは、文化庁主催の「文化芸術による子供育成事業」として、子どもたちの発想力やコミュニケーション能力の育成、芸術鑑賞能力の向上などを目的に日本舞踊協会の協力により開催。当日は全校児童約380人が参加し、日本舞踊協会の舞踊家が正座やお辞儀、すり足、足拍子などの日本舞踊に盛り込まれている基本的な所作(動き)を子どもたちに指導。また、日本舞踊には欠かすことのできない、扇子の扱い方や扇子を用いた様々な表現方法についても指導を受けた。ワークショップの最後には、この日学んだ所作をもとに邦楽器の音楽に合わせて全校児童で「さくらさくら」を踊り、日本に古くから伝わる伝統芸能の世界を肌で感じていた。なお、11月には本公演も予定されており、長唄「連獅子」の鑑賞、踊りの体験、邦楽器生演奏の鑑賞などが行われる。
文化庁では、主催事業として「文化芸術による子供の育成事業」を音楽・演劇・伝統芸能などの文化芸術団体と協力し、全国の小・中学校で巡回公演事業などを行っている。この事業は、一流の文化芸術団体が、優れた舞台芸術を鑑賞する機会を提供することで、子どもたちの豊かな創造力・想像力や思考力、コミュニケーション能力などを養うとともに、将来の芸術家や観客層を育成し、芸術鑑賞能力の向上、優れた文化芸術の創造に資することを目的としている。
山梨学院小学校では、全校児童約380人がこの日のワークショップに参加。実際の指導に先立ち、子どもたちは日本舞踊家による踊りを鑑賞。日本舞踊を初めて目にする子どもが多数を占め、所作の美しさや鮮やかな扇子さばきに驚きの表情を浮かべていた。その後、子どもたちは日本舞踊家から直接、正座やお辞儀、すり足、足拍子などの日本舞踊に欠かせない基本的な所作や、扇子の名称や扱い方、扇子を用いた表現方法などの指導を受けた。また、6年生と浴衣を持参した児童は、浴衣を着てワークショップに参加し、足の運び方など、洋服とは違う制限された動きに戸惑いながらも真剣な眼差しで取り組んでいた。ワークショップの最後には、邦楽器の音楽にあわせて「さくらさくら」を全員で踊り、日本に古くから伝わり、脈々と継承されてきた伝統芸能の世界を肌で感じていた。ワークショップの最後に全校児童を代表して児童会長の秋山星遥さんが「素敵な踊りなど初めての体験でとても楽しかったです。扇子一つでこんなにも表現ができることに感動しました。細やかで繊細な日本の文化をこれからももっと学んでいきたいと思います」と挨拶した。
グローバル社会の今、単に語学力だけでなく、他国に誇れる自国の文化芸術や伝統芸能の理解、体験なども国際交流や異文化理解をする上では必要不可欠になりつつある。今回のワークショップに続き、11月には本公演が予定されており、舞台衣装や小道具、邦楽器と触れる体験や長唄「連獅子」、邦楽器生演奏などの鑑賞、踊りの体験などが行われる。子どもたちは、ワークショップや本公演を通じ、日本の伝統芸能の一つである“日本舞踊”に触れ、文化芸術に関する知識と経験を醸成していく。
文(Y.Y)、カメラ(藤原 稔)2015.9.4