山梨学院中学校でICT公開授業
~ICT活用による新しい授業の展開~
~導入1年半、授業の成果を発表~
山梨学院中学校は、9月10日に「ICT公開授業」を行った。山梨学院中学校は、昨年度より県内初となるインタラクティヴ・プロジェクターを全教室に導入を実施。ICT(情報通信技術)を活用した授業を展開してきた。現在、文部科学省の主導の下、公立私立を問わず、積極的なICTの教室への導入を進めている。ICT教育をいち早く導入した山梨学院中学校は、山梨県の教育向上の一助になることを願い、1年半を通じて行ってきたICTの授業研究の成果を公開することにした。授業は1年生から3年生の教室を使い、各科目で教師たちが取り組んだ授業方法が展開された。参加者は教育関係者、保護者約20人が集まり、その様子を興味深く見学していた。
現在、文部科学省は、「フューチャースクール推進事業」や「学びのイノベーション事業」などのICT教育推進事業を行っており、公立私立を問わず、積極的にICT(情報通信技術)の教室への導入を進めている。ICT教育は、具体的にはインタラクティヴ・プロジェクターや電子黒板、ノートパソコン、タブレット型端末を活用した教育を指す。山梨学院中学では、2013年11月からICT導入の準備を進め2014年4月からインタラクティヴ・プロジェクターを全教室に導入。ICTを活用した授業を県内の中学校に先駆け始めた。それに伴い教師のICT技術の取得や意識改革も同時に進めてきた。授業中におけるICT活用とは、教師が授業の狙いを示したり、学習課題への興味関心を高めたり、学習内容を分りやすく説明したり、教師の指導方法の一つとしてICTを活用することである。
この日の公開授業では、1年生から3年生の教室を使い、ICT教育の導入以降、インタラクティヴ・プロジェクターの活用方法の研究・研修を重ねてきた成果が、国語・数学・歴史・社会・科学・英語・保健の各教科で、各教師それぞれが工夫した方法による授業が展開された。参加者は県内の教育関係者や保護者約20人が集まり、各教室を回り、プロジェクターに映し出される内容や先生と生徒とのやり取りを興味深く見学していた。
参加者の教育関係者は「今見たすべての授業は、歴史であり、国語であれ、英語であれ、思考する時間が非常に確保されていると思いました。ただ書くという時間をコンパクトにして要点は整理して伝えて、映っている画面と学習カードがリンクしているので整理しながらも学習がスピーディーに進んで行くという、ICT機器ならはでの特性が非常に良く生かされていて参考になった授業でした」と感想を述べた。保護者の方は「昔と違って黒板に書く時間が省略できて次々と授業を進められ、効率がいいと感じました。先生と生徒が一体化した授業で、楽しく授業ができているなと思いました」と話した。
2年の歴史を担当した川口洋教諭は「生徒に前を向かせたり、興味関心を抱かせるところは最初から効果として感じていたが、最近は思考を促したり、じっくり考えてもらったりというところに力点を置けるようになってきた」と現場の手応えを話した。山内紀幸校長は「劇的に生徒たちの授業への集中度が高まり、『授業が楽しい』とか『面白い』という声をたくさん聞くようになりました。教える内容が効果的効率的に教えられるので、普通の45分の授業に60分、70分の内容を収めることが可能になり、子どもたちが効果的に学び続けることができます」とICT活用の効果を話した。今後の取り組みついては「いろんな活用の仕方は無限にあるので、今回の公開授業のようにいろいろな先生と交流を深めたり、研修を行いながら、スキルアップしていきたい。インタラクティヴ・プロジェクターを入れているところが他に余りなく、モデルがないので私たちが先陣切って開拓していくように頑張っていきたい」と山梨県の教育力を推進する意気込みを語った。山梨学院関係では、インタラクティヴ・プロジェクターの導入を、高校は今年度から全教室に、小学校では5、6年生の教室に設置され活用されている。来年度には全教室で導入する予定という。
文・カメラ(K.F) 2015.9.10