平成27年度司法試験合格祝賀・激励会
~教職員ら150人が合格者を激励~
~合格者が今後の法曹での活躍を誓う~
山梨学院大学法科大学院は9月16日、キャンパス内プルシアンブルーで「平成27年度司法試験合格祝賀・激励会」を催した。この会は、司法試験の合格者を祝し、この後に控える司法修習や法曹界人生を激励し、さら来年以降に受験する在学生・修了生を激励することを目的に開催。今回で10回目となる。山梨学院大学法科大学院は、平成18年の第1回新司法試験で6人が合格して以来、毎年着実に合格者を輩出し、これまでに81人を法曹界に送り出している。今年実施された平成27年度司法試験では、45人が受験し、3人が合格した。合格率は全体で6.67%、残念ながら過去最低となった。この日の「合格祝賀・激励会」には古屋忠彦学長、荒牧重人法務科研究科長をはじめ、教職員や山梨県弁護士会関係者など約150人が出席。合格者を祝福、激励した。また、3人の合格者(一人は欠席)はそれぞれこれまでの苦労や感謝の気持ち、今後の抱負を語り、恩師や学び合いの中で培ってきた仲間に、新たに始まる世界での活躍を誓った。
司法試験を巡っては、法科大学院制度が当初予定していた合格率7~8割を下回り、合格者が予定数に満たないことを理由に、国の試験制度の見直しが始まり、その結果小規模の地方大学の法科大学院の志望者が激減した。本学でも平成26年度の入学者が6人となり、本学が大事にしてきた学生同士の「学び合い」の確保が難しい状況になり、残念ながら本学法科大学院でも来年度入学者募集停止をせざるを得なくなった。現在の在学生・修了生には、「学生支援NO.1の法科大学院」を目指してきた勉学環境と教育の支援をこれからも存続していくとしている。
この厳しい環境の中、平成27年度司法試験に3人が合格した。「平成27年度司法試験合格祝賀・激励会」は古屋忠彦学長、荒牧重人法務研究科長はじめ、教職員、山梨弁護士会関係者など約150人が出席、例年通り行われた。冒頭の挨拶に立った古屋忠彦学長は「大変な環境の下で行われた司法試験で、数の上では3人と少ないですが、この祝賀会は何人という人数ではないので例え一人でも、これから後何年か皆さんの仲間が挑戦を続けますので、大いに胸を張ってこれからの法曹人生を誇らしく夢を描いて歩んでください」と挨拶した。法科大学院を代表して荒牧重人法務研究科長は「3人は、本人の努力のおかげでこの厳しい状況の中、合格してくれました。この祝賀会は受かった人の祝賀と激励でありますが、これから受ける人に対する激励も兼ねています。そういう意味では、確実に力を持っている人、受かってもおかしくない人たちがまだたくさんいます。これからも個々の状況に見合ったサポートを強めていくので、山梨学院の資源を大いに活用して来年、再来年この場に立って欲しい」と挨拶した。また、法科大学院開設以来、実務指導など様々な面で支援している山梨県弁護士会の關本喜文会長は「これから羽ばたいていく中において、日々のいろんな問題点を勉強する中で、自分はどうやっていけるか、どれだけ役立てるか、山梨学院ロースクールで学んできた、しかも卒業してからも勉強してきたことを社会でどう生かしていけるか日々悩んでいって欲しい」と激励の言葉を述べた。また、県弁護士会法科大学院支援委員会の反田一富委員長は「皆さんにまず申し上げたいのは、今までの苦労が報われた、ということと、これから今まで以上の苦労を覚悟しなければならない。これからは人の人権、人の命、財産が懸かっている、そういう重い責任を背負って世の中に出て行って仕事をすることになるので、そのことをしっかり心に留めていってもらいたい」と語り、今後の法曹界での役割を促した。
合格者の小林希さん(平成23年度修了・未修)は本学法学部出身。「私は今回で3回目の受験になります。周囲の皆様に支えられ何とか受験を続けることができました。卒業した後も先生方の力添えがなければ、途中で諦めていたと思います。今はまだスタートラインに立ったに過ぎません。ここからが本当の勝負であります」と感謝とこれからの決意を語った。今津裕さん(平成24年度修了・未修)も本学法学部出身。「自分は一人の力では何もできなかった。いろんな先生に支えられてこそ合格できたと思います。苦しいこともたくさんあり、落ち込んだこともありました。でも孤独ではなかった。一緒に勉強してきた仲間、彼らのおかげで5年間の自分は本当に幸せでした。このロースクールで学べて良かった」と5年間の感謝を口にした。また、後輩には「失敗しても一歩前に進まないと、冒険しないとなかなか前に進めない。だから冒険しましょう。一歩前に歩みだしてください」とエールを贈った。最後に在校生・修了生全員で「絶対合格するぞ!頑張るぞ!オーッ!」と掛け声を唱和して閉会した。
山梨学院大学法科大学院は、地域に貢献できる法曹の養成を基本理念に開設以来、84人(今年含む)の司法試験合格者を輩出。累積合格率(今回まで)は全体74校中で24位、私学49校中10位の実績を上げている。平成27年度の司法試験受験者は45人、法学未修者(3年制)3人が合格した。既修者(2年制)は0人だった。合格率は全体で6.67%。残念ながら過去最低となった。法科大学院を取り巻く環境の変化によって、来年度の入学者募集停止という苦渋の選択をした今、在学生・修了生にこれからも「学生支援NO.1の法科大学院」を目指し、さらに勉学環境と教育の充実した支援を進めていくことを約束した。来年の「合格祝賀・激励会」には多くの合格者の顔が揃うことを期待したい。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2015.9.16