第36回木犀の会 開催
~山梨学院創立の建学の精神を学ぶ芸術鑑賞会~
~6人の若きソリストが学生たちを魅了~
山梨学院短期大学は10月2日、山梨学院創立者 故古屋眞一初代学院長、故古屋喜代子初代学長の建学精神を学ぶ「第36回木犀の会」(もくせいのかい)を開催した。会の名称は、古屋喜代子学長の忌日が、木犀の香りがただよう頃であったことと、謙虚で温かい人柄を偲ばせる花であることから名づけられた。亡くなられた1980年10月4日から毎年開催されている。「学生が自らの道を切り開くには“真・善・美”に限りない憧れを持つことが大切」という創立者の教えから、この日を芸術鑑賞の日としている。今年度は国内外でソリストとして、またオーケストラ活動で活躍する6人の若手演奏家によるクラッシックコンサートが開かれた。前半はフルートの上野吉恵さんやクラリネットの齋藤雄介さんなどそれぞれの楽器の説明と独奏が行われ、後半は出演者による木管5重奏、6重奏のアンサンブルが演奏された。コンサートホールを埋めた約600人の短大生は優美な調べに聞き入っていた。コンサート終了後の午後12時05分には、サザンタワーのレインボープラザ3階に注ぎ込んだ太陽光が、5階の天井に“建学の象徴”として虹色の光を浮かび上がらせた。
山梨学院短大45号館南側の川沿いには、6本の金木犀と7本の銀木犀が植えられている。今年は例年より開花が早く、すでに最盛期は過ぎたが、まだ周囲はほのかな木犀の芳香に包まれている。木犀の会は短大生約600人を山梨学院メモリアルホールに集めて行われた。山梨学院は終戦の翌年、戦後の混乱の中、古屋眞一初代学院長と古屋喜代子初代学長が「日本を再建しよう、地方に文化の塔を建てよう」と強い決意のもと創設した。平和が永久に続き、若い木が大きく育つのを見守るよう、学生が有意義な生活を送ることを願い、「たまゆらの いのちを とわに托さんと 若き欅を校庭に植ゆ、大いなるものをば たのみまいらせて 心ゆたかに ありたしと思う、学院のすべての人に幸福と 平和来たれとひたに祈るも」と歌った古屋喜代子初代学長の教育への思いと、建学の精神が記されたパンフレットが全学生に配布された。第1部は、赤井住郎短期大学長が木犀の会の由来について講和を行い、建学の精神である 一、徳を樹つること。二、実践を貴ぶこと。などの説明を行い、「本学に学ぶ学生諸君が、建学の精神と、創立者が学生に望んだことをかみしめて、自らの前途を力強く、美しく造り出していかれることを望みます」と訓示。さらに「我々教職員も創立者の建学の精神を再確認して皆さんの夢の実現のため、様々な支援を続けていきます。古屋喜代子学長が山梨学院に学ぶ皆さんに望んだことを心に刻みこれから始まる美しい音楽を鑑賞し、豊かなひとときを共に過ごしましょう」と述べた。
第2部のコンサートは、国内外でソリストとして、またオーケストラ活動で活躍する若手演奏家6人を招き行われた。フルートの上野吉恵さんのトップラー作曲「ハンガリー田園協奏曲」の演奏から始まり、続く演奏者のオーボエ・久寿米木知子さん、クラリネット・齋藤雄介さん、ファゴット・福士マリ子さん、ホルン・福川伸陽さん、ピアノ・松岡美絵さんの独奏が行われ、それぞれが日本人に親しまれている曲を披露した。後半はモーツァルト作曲「きらきら星変奏曲」を木管五重奏とプーランク作曲「六重奏曲」を全員で演奏、優美な調べで短大生を魅了した。
コンサートが終了後、サザンタワー3階のレインボープラザに降り注いだ太陽光が床面に映し出され、5階の天井に虹色が浮かび上がった。この虹は年に春と秋の2回、秋は10月4日12時05分、春は3月10日12時26分に天候に恵まれないと見られない。朝方までの強い雨で見られないと心配されたが、会が始まる頃になるとに陽が差し始め、その時間にはたっぷりの陽が降り注ぎ“建学の象徴”の虹が浮かび上がった。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2015.10.2