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全日本学生柔道体重別選手権大会 1日目
~学生柔道日本一を決める熱戦~
~西田香穂、井坂希望はおしくも準優勝~

平成27年度全日本学生柔道体重別選手権大会(男子34回・女子31回)が10月3日、東京・日本武道館で開幕した。個人戦の学生日本一を決める2日間の大会に山梨学院大学からは男子14人、女子16人が出場する。初日は男子が60・66・73・81㎏級、女子は63・70・78㎏級、78㎏超級と男女4階級の戦いが行われた。この内、山梨学院勢は女子が78㎏級の西田香穂(4年)と78㎏超級に出場した井坂希望(4年)の2選手が決勝に進出したが、共に僅かの差で敗れ準優勝となった。また、女子では70㎏級の矢澤紗瑛(4年)と長内香月(3年)、78㎏級の泉真生(1年)の3人が3位を獲得した。男子は73㎏級の宮山翔多(3年)が3位となり、この日男子では唯一表彰台に上がった。

◆《女子78㎏超級・準優勝 井坂希望(4年 千葉・八千代)》

井坂希望選手は、昨年のこの大会で初の全国大会優勝を果たし、この大会も優勝候補の一人に挙げられていた。初戦の2回戦で滝川真央(日大)に一本勝ち、準々決勝は磯崎佳歩(広島大)に有効、準決勝・月波光貴穂(帝京大)指導1で下し、決勝に駒を進めた。決勝の相手は井坂より10㎝以上も背丈が上回る長身の山本沙羅(大阪体育大)。井坂希望選手は「山梨の練習相手にはいないタイプだったので押し込まれてしまった。研究不足でした」と悔やんだ。試合は早々10秒に投げを打たれヒヤリとさせさせられたが、身体を入れ替え凌いだその後、中盤まで井坂も足を掛け攻めるが、1分を切ったところで技ありを奪われ、必死に挽回を試みるも叶わず敗退。準決勝に甘んじた。「決勝までこれたんで、優勝したかったですがこれが自分の実力なのでしょうがないです。2連覇が懸かっていたのでとても残念です」と唇を噛んだ。

◆《女子78㎏級・準優勝 西田香穂主将(4年 甲府工)》

西田香穂選手は高2・高3のインターハイに3位、2012年の大学1年時にはベルギー国際大会、全日本ジュニアで準優勝、そしてこの大会にも準優勝を果たした実力者。昨年は1回戦で敗れ雪辱を果たすべく大会に臨んだ。初戦の2回戦・杉田綾音(立命館大)、準々決勝・沖明日花(九州看護福祉大)に一本勝ち、準決勝では泉真生(山梨学院大)と同校同士の戦いになった。お互い手の内が分るだけにやりにくい。結果、指導1の僅差で西田に軍配が上がった。決勝戦は前大会で準優勝している赤嶺麻佑(帝京大)との対戦。とても落ち着いて見えた。相手とがっちり組み合う。徐々に自分のペースに持ち込もうとするも相手も一歩も引かず攻め合い、決め手がないまま4分が経過。GS(延長戦)に突入、攻勢をかけるが一瞬の隙を突かれGS26秒、手痛い有効を奪われ、その瞬間試合は終わり、優勝を逃した。西田香穂選手は「最後なので本当に日本一になりたいと思っていました。今までやってきたことを出し切るという気持ちでやった結果です。次は今月末にやる団体体重別の大会で2冠2連覇が懸かっているので絶対にチームをまとめて優勝しなきゃいけないと思っています」と前を向いた。

◆《女子78㎏級 3位 泉真生(1年 千葉・木更津総合)》

準決勝で先輩の西田香穂選手と対戦した泉真生選手は「4年生の先輩なので思い切り胸を借りるつもりでやりました」と同校選手との準決勝戦を振り返った。泉真生は2014年のインターハイで初優勝、全日本柔道連盟のC強化指定選手。女子重量級の次世代のホープと期待されている。初戦の2回戦は小林真実子(早稲田大)を投げから押さえ込み、けさ固めで一本勝ちを収める。準々決勝は指導1の僅差勝利、準決勝は先輩・西田香穂に指導1で敗れ3位となった。泉真生選手は「特に2週間前にジュニアの試合で負けた準々決勝の相手、山本絵玲奈(帝京大)にはリベンジするつもりで戦いました。今日の結果は納得しています」と1年生ながら3位の結果を喜んだ。

◆《女子70㎏級 3位 矢澤紗瑛(4年 東京・駒場)》

矢澤紗瑛選手は選手とマネージャーを兼務し、自身の練習と選手たちの管理や外部との渉外に当たってきた。これまで目立った実績を残せていなかったが全国大会への思いは強く、前大会で結果を残し5位となり、さらに上を目指し臨んだ今大会で順位を上げ3位を獲得した。矢澤紗瑛選手は「日本一になりたいって心の中では思っていたので悔しいという気持ちはあります。無名の高校から入って、山部先生、西田先生に目を掛けてもらって得た結果なのですごくうれしいです」と指導者に感謝した。初戦1回戦は大外狩りで一本勝ちを収めると、2回戦は指導2を相手に与えて勝利、3回戦もGS(延長戦)を指導1で下した。優勝を目指して臨んだ準決勝。昨年度優勝者・佐俣優依(帝京大)に闘志をむき出しにして攻め挑んだ。しかし、積極的に仕掛けたところを返され一本負けを喫した。試合後、「全国大会で3位になったのは初めてなので講道館杯ではいい結果を出したいです」と晴れ晴れとした表情で話した。

◆《女子70㎏級 3位 長内香月(3年 富山・高岡龍谷》

長内香月選手は、小・中・高校と全国大会で優勝するなど輝かしい実績を持って、山梨学院大に入学してきた。1年の時に怪我に悩まされ、2年からやっと試合に出られるようになった。前大会で3位となり、昨年11月の講道館杯全日本柔道体重別大会でも3位と健闘し、全日本柔道連盟のB強化選手に指定されている。7月に韓国で行われたユニバーシアード大会では決勝戦に敗れたものの準優勝を果たしている。試合は、初戦の2回戦は有効で辛勝したが準々決勝はしっかりと押さえ込みで一本勝ちを収めた。これで優勝の二文字が見えてきたところだった。準決勝は、相手の攻撃を凌ぐ場面が多く、攻めあぐねているところ一本背負いを掛けられ優勝の期待も、一本負けであっけなく敗退した。長内香月選手は「優勝だけを狙っていたので昨年と同じ結果になってしまい、とても悔しい気持ちでいっぱいです。完全に相手の組手になってしまって、自分の弱さが出た試合でした」と肩を落とした。

◆《男子73㎏級 3位 宮山翔多(3年 大阪・近大附)》

宮山翔多選手は高校時代全日本ジュニア3位の実績を持ち、同じ73㎏級OBの中村剛教(現大阪府警)の柔道に憧れて山梨学院大に入学してきた。前大会では準優勝を飾り、今大会は優勝も期待された。初日に出場した山梨学院勢男子14人の内唯一準決勝に進んだ。初戦の2回戦に捨て身技で一本勝ちすると3回戦、準々決勝と苦しみながらもしっかりポイントを取り、準決勝に進んだ。試合は、開始1分宮山が投げを仕掛け有効を取る。相手はそれを機に反撃攻勢を掛け必死に凌ぐ、後半になると宮山の動きが悪くなり、技ありを取られ防戦一方になった。終了5秒前、内股を掛けられ一本負けで完敗した。宮山翔多選手は「体力不足です。初戦から先に主導権を握られ、リードされてからの形のスタートで、取り返して勝って上がれたのですけど、攻めが遅かったのが敗因です。優勝は狙っていたんですけど」と試合を振り返った。残念ながら前大会を超えられなかった。

他の山梨学院勢の選手は、女子78㎏超級・小原祥子(4年 東京・修徳)が初戦、2戦目を一本勝ちで準々決勝に上がり敗れたが、5位と健闘した。他の選手は男女とも初戦、2戦目で敗退した。

この大会で5位以上(ベスト8)になった選手には、柔道日本一を決める11月の「講道館杯全日本柔道体重別選手権」の出場権が与えられる。初日の山梨学院大の7人が出場権を獲得した。明日、最終日は男子90・100・100㎏超級の重量級と女子48・52・57㎏級の軽量級、男女各3階級の戦いが行われる。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2015.10.3
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