花とふれあう花育体験教室
~山学小3年がフラワーアレンジに初挑戦~
~3年生独自の『Beauty Project』を体現~

山梨学院小学校で10月20日「花とふれあう花育体験教室」が行われた。山梨県花き農水産課が開催しているフラワーアレンジメントの教室を体験した。国の事業として山梨県が『花育』を企画、小・中学校を対象に昨年から始めた。今年度は山梨学院小が応募で5校目に選ばれ体験教室が行われることになった。この日は日本フラワーデザイナー協会山梨県支部の2人の講師の指導で、3年生65人の児童がフラワーアレンジメントを初体験した。山梨学院小では、年間に3つの大きなプロジェクトを教育の柱に据えているが、他に学年ごとにそれぞれのテーマのプロジェクトを設定し、教科以外に興味関心の幅を広げている。3年生では、今年年間を通じて「Beauty Project(ビューティー・プロジェクト)」に取り組んでいる。このプロジェクトは、美しいものに触れる機会を充実させ美しいものを見極める力を育成していくことを狙いにしている。今回の花育体験教室はこれに見合うものとして、山梨県の協力で実施した。子どもたちは、初めて経験するフラワーアレンジメントに自分独自の感性で取り組み、世界で一つだけの作品を作り上げた。
山梨学院小学校では、年間、3つのプロジェクト「スポーツプロジェクト、オクトーバープロジェクト、ウインタープロジェクト」を3大プロジェクトとして実施、独自の課題探求型プログラムとして小学校の大きな学びの柱に据えている。子どもたちの興味関心に基づき毎回テーマを変え、学年の壁を取り払い行っている。その他にも、毎年学年ごとにそれぞれのテーマのプロジェクトを設定し、教科以外の学びとして興味関心の幅を広げている。
今年の3年生のテーマは「Beauty Project(ビューティー・プロジェクト)」。美しいものに触れる機会を充実させ美しいものを見極める力を育成していくことを狙いにしている。3年生の学年主任・長田直美教諭は「プロジェクトはそれぞれの子どもたちの特徴を捉えて、子どもたちがより一層伸びるということで組んでまして、今回のビューティー・プロジェクトは花のフラワーアレンジメントなんですが、環境を美しくするとか、言葉遣いを美しく、食事の仕方、書いている字を美しくするなど身の回りのことなどを、本物の美しさに触れることによって養っていこうとするものです」とテーマの内容を語った。
今回の「花とふれあう花育体験教室」は昨年、国の花の振興に関する法律が施行されたことを受け、『花文化の継承』という国の事業を山梨県などが『花育』をテーマに企画。その一環として小・中学校を対象にしたフラワーアレンジメントの体験教室が生まれた。主催する山梨県農政部・花き農水産課・高橋一春さんは「情操教育の中で小さいうちから花に親しんで貰えたら心豊かな人間に育つのではないかと期待します」と『花育』を取り上げた理由を話した。1年目は試行的に1校で行われ、好評だったことで2年目の今年度は9校で開かれる。山梨学院小は応募のなかから5校目に選ばれた。この日、山梨学院小3年生65人がフラワーアレンジメントに挑戦。すべて山梨県で栽培されたバラ、カーネーション、センニチコウ、スターチス、ヒペリカムの5種類の花が生徒全員に配られた。日本デザイナー協会山梨県支部のメンバーの指導を受け、生徒たちは茎の長さのバランスを考えて切ったり、スポンジに花を挿して整え、自分好みの型に仕上げていた。初めてフラワーアレンジメント作りを体験した男子生徒は「最初難しいと思ったですけど楽しかったです。自分で好きに挿せたので良かった。良くできたと思います。玄関に飾ろうと思います」と満足そうだった。女子生徒は「初めてだったので植えるところが楽しかったです。良く出来たか分らないですけど、お家に帰って飾るのが楽しみです」と笑顔で話した。指導した日本フラワーデザイナー・宮沢美穂山梨県支部長は「まずは、自分で何かを作ること。それを家に持って帰って誰かに楽しんでもらう。また、何日かお世話をすることでいろいろなことを学んで欲しい」と話した。
美しいものをさらに違う美しさに昇華する。今回フラワーアレンジメントで学んだ本物の美しさに触れ“美しさ”を感じる気持ちを高めた体験教室は、まさに山梨学院小3年が取り組んでいる「Beauty Project(ビューティー・プロジェクト)」そのものだった。最後の挨拶で県の高橋さんが「同じ材料で作っても同じものは一つもない。自分だけのものです。大切にしてください」と自分だけの美しいものに触れていた。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2015.10.21