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全日本学生柔道体重別団体優勝大会 最終日
~女子2冠2連覇の偉業、惜しくも達成ならず~
~男子、3回戦敗退。昨年からの順位を落とす~

「平成27年度全日本学生柔道体重別団体優勝大会」が10月24日・25日の両日、兵庫県尼崎市ベイコム総合体育館で行われた。この大会は、男女ともに1大学7人制、各階級のチーム代表で大学日本一を競う大学対抗戦。北海道から九州まで9地区の予選を勝ち抜いた男子53校、女子19校から精鋭約1000人が母校の名誉を賭けて集まった。大会は男子17回、女子は7回となる。山梨学院大男子は、1日目の2回戦で専修大と対戦し6勝1分で勝利。ベスト16に進出、2日目に駒を進めた。午前中に行われた3回戦では日体大と対戦ベスト8を賭けた戦いに臨んだが、1勝4敗2分けでベスト16。昨年を上回ることが出来ず涙を飲んだ。女子の1日目は、初戦の2回戦大阪体育大学に4勝1敗2分けで勝利。3回戦は仙台大学を4勝3分けで退け、準決勝に進んだ。2日目、午後に始まった準決勝の対戦相手は国士舘大。4人まで終わって五分の展開に5番手出口クリスタ(2年)必殺の片手絞りで1本を取ると続く2人も順当に勝ち、4勝1敗2分けで勝利。決勝に進出した。決勝の対戦相手は、昨年の決勝で優勝を争った帝京大。5人目の三将が終わって、2勝2敗1分の接戦。6番手副将を取られ後がなくなったが、大将の井坂希望(4年)が踏ん張り1本勝ちを収め、3勝3敗1分で代表戦に持ち込んだ。代表戦はこの試合で引き分けた対戦で行われ、先鋒の新添左季(1年)が優勝を賭けて挑み、善戦むなしく技ありで敗れ、2年連続2冠の夢はここで潰え、準優勝となった。

1日目に女子ベスト4、男子ベスト16が決定。2日目最終日に男女決勝戦までが行われた。2日目の配列は1日目試合終了後代表者の立ち合いのもと抽選で決められた。男女とも1チーム7人制。女子の配列は先鋒70㎏級、次鋒78㎏級、五将63㎏級、中堅48㎏級、三将57㎏級、副将52㎏級、大将78㎏超級となった。山梨学院大女子は、1日目に大阪体育大に4勝1敗2分け、仙台大に4勝0敗3分けで順当に2日目の準決勝に臨んだ。

◆2日目・準決勝 侮れない宿敵・国士舘大

準決勝の対戦相手は6月の全日本学生柔道優勝大会5人制準々決勝での接戦を制した宿敵、国士舘大。先鋒の新添左季(1年 奈良・天理)が合わせ技で1本を取られる嫌なスタート。次鋒に陣取った西田香穂主将(4年 山梨・甲府工)が相手に指導を与える反則勝ちで五分に戻す。続く五将・佐藤史織(1年 愛媛・新田)、中堅・山崎珠美が引き分けで繋ぐと、三将の出口クリスタ(2年 長野・松商学園)が昨年アジア大会金メダリストの山本杏(3年)を必殺の片手絞りで僅か40秒の1本勝ちで退け、リードする。副将の神山悠香(4年 静岡・加藤学園)も袈裟固めの1本勝ち、ここで決勝に進出。大将の井坂希望(4年 千葉・八千代)も余裕で技ありを決めた。

◆2日目女子準決勝《山学大VS国士舘大》10/25 兵庫・尼崎ベイコム総合体育館

  先鋒
70級
次鋒
78級
五将
63級
中堅
48級
三将
57級
副将
52級
大将
78超級
山学大 新添 西田 佐藤 山崎 出口 神山 井坂
 
一本負け

一本勝ち
引分け 引分け
一本勝ち

一本勝ち

技あり
国士舘大 小川 窪田 岡本 山本 吉田 畑村

山梨学院大(4勝1敗2分け)勝利

◆2日目・決勝 昨年と同じ対戦相手・帝京大

決勝は、昨年の決勝と同じ帝京大との対戦。第4回大会で優勝している強豪校。昨年は4勝0敗3分けで勝利している相手だが侮れない。先鋒の新添が引き分けると、次鋒・西田が昨年1本勝ちで下した相手に不覚を取った。投げに行ったところを返され、そのまま横四方固めで1本負け。続く佐野賀世子(4年 富山・高岡龍谷)はリードしていながら不用意な指導を貰い、反則負けとなる1本を献上。中堅の48㎏級の山崎珠美(4年 神奈川・三浦学苑)は激しく攻め合うなか、残り50秒相手を大内返しで倒し1本勝ち。帝京大を追う。次の出口は技ありで五分に戻す。続く神山は切れのある動きで果敢に攻めるも、相手の志々目愛(4年)は昨年この大会で優秀選手になった選手。残り30秒で技ありを決められ、2勝3敗1分となり後がなくなった。大将の井坂希望は挽回を期すべく、重量級とは思えない攻めを続ける。両者意地と意地のぶつかり合いは残り1分を切り、ベイコム体育館は対戦する2人に会場割れんばかりの声援が響き渡る。その中で井坂に起死回生の技が繰り出された。井坂希望選手は「ここで1本取らなければこのまま試合が終わってしまうので絶対1本取るという気持ちで試合に臨みました」。大内刈りがきれいに決まり、3勝3敗1分の五分に戻し、代表戦に持ち込まれた。代表戦は試合の中で引き分けた階級の中から抽選で1組を選び、ゴールデンスコア方式(どちらかが先にポイントを取ったほうが勝ち)で勝敗を決定する。70㎏級の新添が代表戦に臨んだ。お互い母校の優勝を賭け、攻め合った。必死に戦った。しかし1分25秒ついに勝敗を分けた。帝京大・佐俣優依(2年)の技ありを受け、畳に沈んだ。山梨学院大は全日本学生優勝大会と合わせた団体戦の2年連続2冠はならなかった。
この大会で山梨学院大から井坂希望選手が優秀選手に選ばれた。

試合後、山部伸敏監督は「残念ですが、良くやってくれました。山梨のしぶとさというかタダでは負けないないというところは見せてくれた。もちろん目標は優勝だったから負けたことは力不足。優勝する力があればどんなにぎりぎりでも勝たなければいけなかった。しかしそういう過程の中でよくやってくれた」と選手を労った。

◆女子決勝《山学大VS帝京大》

  先鋒
70級
次鋒
78級
五将
63級
中堅
48級
三将
57級
副将
52級
大将
78超級
代表戦
70級
山学大 新添 西田 佐藤 山崎 出口 神山 井坂 新添
  引分け
一本

一本

一本

技あり

技あり

一本

技あり
帝京大 佐俣 赤嶺 松本 小山 安田 志々目 渡部 渡部


山学大(3勝3敗1分 代表戦負け)敗退

西田香穂主将は「自分の失点が響いてしまって同級生、後輩に申し訳ない気持ちでいっぱいです。もう団体戦の勝ちに変えられるものはないんですけど、その分残っている時間で後輩のために出来ることをして、恩返ししたい」と後輩を思いやった。4年生の最後の試合になった佐野賀世子選手は「1年生からこの大会に出させてもらっていますけど、その時の4年生がすごいプレッシャーが掛かっていたと言われ、今日そのことを実感しました。後はもう振り返れないので後輩に頑張ってもらいたい」と話した。神山悠香選手は「4年生なのにみんなに迷惑を掛けてしまったことが情けない。最上級なので自分が取ってポイントにしたかった。すごく悔しいです」と涙を拭いた。選手と主務を兼務しながらチームに貢献してきた矢澤紗瑛選手(4年 東京・駒場)は「皆に勝ってほしかったという思いはあるのですけど、このチームで日本一を目指してこれたことが自分のこれまでの人生の中で素晴らしい時間でした」と感慨深く話した。

◆男子、昨年のベスト8を越えられず

一方、2日目25日午前中から始まった男子は、先鋒60㎏級、次鋒90㎏級、五将81㎏級、中堅66㎏級、三将73㎏級、副将100㎏級、大将100㎏超級となった。男子は全国から53校が参加、大学日本一の頂点を目指し争われた。山梨学院大男子は、1日目初戦2回戦から登場。初戦対戦相手の専修大に6勝1分の完勝。ベスト16に進出。2日目に昨年のベスト8以上を賭けて試合に臨んだ。3回戦は日体大と対戦。先鋒の60㎏級・安達皇太(3年 茨城・土浦日大)の相手は、全日本柔道連盟B強化指定選手に選出されている青木大(3年)。苦戦が予想されたが、臆することなく果敢に攻め、大内刈りの1本勝ち。山梨学院は幸先の良いスタートとなった。次鋒の三浦圭偉(4年 青森・青森山田)も引き分けに持ち込むも、後に続く五将・中田大貴(3年 大阪・東海大仰星)、中堅・鳥居天翔(3年 神奈川・東海大相模)、三将・宮山翔多(3年 大阪・近大附)。宮山は10月3日に行われた全日本学生体重別選手権で3位になった選手。副将・前野玲音(2年 東京・修徳)の4選手が立て続けて敗れ、ベスト8に進めなかった。大将の藤井靖剛(2年 神奈川・桐蔭)も決めてなく引き分けだった。

  先鋒
60級
次鋒
90級
五将
81級
中堅
66級
三将
73級
副将
100級
大将
100超
山学大 安達 三浦 中田 鳥居 宮山 前野 藤井
 
一本勝ち
引分け
技あり

一本負け

有効

技あり
引分け
日体大 青木 五味 渕原 西山 岡田 大堀 中島

山学大(1勝4敗2分け)敗退

試合後、西田孝宏総監督は「地力がもう一歩ですね。投げられて負けている。一つ二つ相手が上なので、耐えて耐えて、引き分けて最後の大将戦までもつれればと思っていたのですが、地力が相手の方が上でしたね。自分の役割を判って勝ってくれないと難しいですね」と選手に奮起を促した。この団体戦大会で4年生が抜け、3年生を中心とした新チームが始動する。課題を残した男子は、上位常連校に食い込む新チームを、どのように作り上げていくか見守りたい。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2015.10.25