高校サッカー県大会 準決勝
~日本航空高を1-0で下し決勝に進出~
~決勝は11月7日、対戦相手は帝京三~

準決勝の試合会場は、秋晴れの小瀬スポーツ公園山梨中銀スタジアム。バックスタンドの山学応援席はゲートフラッグが揺れ、メガホンの声援がこだまし、チアリーダーが舞い、吹奏楽部の演奏が鳴り響いた。その輪の中には受験を控えた3年生の姿も数多くあった。弦間美波吹奏楽部前部長は「まだ自分の進路は決まっていませんが、教室で一緒に勉強しているサッカー部の同級生を精一杯応援したくて加わりました」とトロンボーンの音に同級生への思いを込めていた。応援スタンドには松葉杖のサッカー部員もいた。2年生の大竹悠生選手は先輩たちに声援を送りながら「足首を痛めて手術しました。リハビリに励み、来年は自分もこのピッチに立てるように努力します」と再起を誓っていた。試合は午後1時45分、航空のキックオフで開始された。
≪準決勝 山梨学院高vs日本航空高≫(10/31)於 甲府・山梨中銀スタジアム | ||
---|---|---|
○ 山梨学院高 1 | 前半 1-0 後半 0-0 |
0 日本航空高 ● |
得点 前田大然(山学) |
山梨学院の出場選手は全員が3年生。試合が動いたのは前半13分だった、MF阿部優澄がドリブル突破で中盤から一気にゴール前に切れ込み、パスを受けたFW前田大然がボールを流し込み先制した。このあとは、前半も後半もずっと一進一退だった。山学は攻め込んでも、攻め込んでも得点を奪えなかった。航空は前線でのボールカットから再三コーナーキックのチャンスを作ったが得点に結び付けられなかった。終わって見たら、得点は前半13分の1点だけ、山梨学院が1-0の僅差で日本航空を振り切った。
吉永一明監督は「予想通り1点を争う試合展開になりました。相手の一番ストロングのところで失点しなかったところが大きいかなと思います。ちょっとばたばたした部分もありましたので、それを踏まえて、決勝に向けて準備したい」と僅差の戦いを振り返った。4試合連続得点で勝利に貢献した前田大然選手は「得点の場面は阿部からいいボールが来たので流し込むだけでした。あと3回ぐらい自分にチャンスがありました、それを決めていればもっと楽な試合になったと思います。自分は点を取ることが役割なので、決勝でもゴールを奪い取りに行きます」と雪辱を胸に帝三との決勝に向かう。大沼士恭主将は「自分たちがやって来たことができた場面と、押し込まれたり、難しい時間が続く場面もありました。厳しい戦いの中でしっかり勝ち切れたことは良かったと思います。決勝は帝三なので、総体の悔しさだったり、インターハイの悔しさがあるので、やっと借りを返せるところに来た思いです。1週間しっかり準備してリベンジします」と3度目の正直を誓った。
無冠の悔しさを晴らす舞台であり、 “選手権” 2年連続出場への覇道である決勝戦は、11月7日(土)、甲府・山梨中銀スタジアム12時05分キックオフで、山梨学院高は帝京三高と死闘を繰り広げる。
文(M.I)、カメラ(平川大雪)2015.10.31