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第47回全日本大学駅伝対抗選手権大会
~山学は序盤の出遅れが響き7位でシード権逃す~
~ニャイロ区間賞の猛追も6位の明治まであと5秒~

秩父宮賜杯第47回全日本大学駅伝対抗選手権大会が11月1日、熱田神宮(愛知県名古屋市)から伊勢神宮(三重県伊勢市)までの8区間106.8キロで行われ、紅葉色づく伊勢路を舞台に27チームが健脚を競った。「全日本大学駅伝」は、10月の「出雲駅伝」、正月の「箱根駅伝」とともに大学三大駅伝の一つと称されている。中でも全日本大学駅伝は、全国の予選会を勝ち抜いた25の大学が頂点を競う、事実上の大学駅伝"日本一"決定戦。山梨学院大は、昨年シード圏内の5位に入り4年連続28回目の出場。山学大は1区・市谷龍太郎が9キロ手前から先頭集団から遅れ、18位で2区・佐藤孝哉に襷をつなぐ。2区・佐藤、3区・田代一馬、4区・上田健太が懸命に追い上げ、10位まで浮上 。さらに7区・河村知樹が9位に順位を上げ、最後の襷を8区・ドミニク・ニャイロに託す。ニャイロは前半から積極的に飛ばし、区間賞の走りを見せたものの7位でフィニッシュ。山学は5時間17分56秒とシード圏内の6位・明治大に5秒及ばずシード権を逃した。大会は東洋大が5時間13分04秒で初優勝を飾った。
 
午前8時のレースコンディションは、気温9.1度、湿度59%。午前8時5分、前回大会のシード校6校と全国8地区の予選会を勝ち抜いた19校に全日本大学選抜・東海学連選抜を加えた27チームが熱田神宮西門前を一斉スタート。号砲のピストルの音と各大学の応援団やチアリーダーの声援が熱田の杜に響きわたり、106.8キロの大学駅伝日本一を決める熱い戦いの火蓋が切られた。山学大は、今年の大学駅伝開幕戦の出雲駅伝を1位と38秒差の2位と好発進。山学大の1区は先日の出雲で1区を任され、昨年この大会で大学駅伝デビューを果たした市谷龍太郎。市谷は序盤から先頭集団に入り、レースを進める。先頭集団は1キロの入りが3分5秒とややゆっくりなペース。市谷は集団の 中盤に位置を取り、集団の様子を伺う。集団は7キロ過ぎからやや縦長になり、8キロ過ぎから市谷が遅れ始める。市谷は粘りきれず、トップから1分19秒差の18位で襷を2区・佐藤孝哉につなぐ。佐藤は昨年この大会1区を走っており、先日の出雲では、区間3位の力走を見せた。佐藤は前回の箱根でのレースをイメージし、焦らず前を行く選手を追い、順位を2つ上げ、16位で襷を3区・田代一馬へ。田代は、前を行く、國學院大、帝京大、第一工業大を抜き、13位で襷を4区・上田健太につなぐ。先日の出雲で大学駅伝デビューし、区間2位と好走した上田は、日本体育大、神奈川大、京都産業大を抜き10位に浮上。その後、5区・古賀裕樹、6区・前田拓哉は順位を堅持し、襷は7区・河村知樹へ。河村は、先日の出雲で駅伝デビューしたものの悔いの残る走りとなった。河村は、前を行く日本大を抜き、9位で最終区のドミニク・ニャイロに最後の襷を託した。襷をもらった時点で、シード圏内の6位の明治大までは約3分。8区のニャイロは前半から積極的に飛ばし、驚異的な速さで5キロ過ぎに中央学院大、12キロ付近で順天堂大をかわす。さらに、前を行く明治の背中が見える位置まで猛追するも僅かに及ばすフィニッシュ。山学大は、シード圏内の明治まで5秒差の5時間17分56秒の7位となり、シード権確保はならなかった。
 
 

■第1区(愛知県・熱田神宮西門 → 弥富市筏川橋西詰 14.6km)
市谷龍太郎(2年 山梨・山梨学院高)44分30秒[20位] 
総合・44分30秒[18位]


■第2区(弥富市筏川橋西詰 → 三重県・川越町高松 13.2km)
佐藤孝哉(3年 島根・出雲工業高)  39分14秒[12位] 
総合・1時間23分44秒[16位]


■第3区(川越町高松 → 四日市市六呂見 9.5km)
田代一馬(4年 千葉・市立船橋高)27分27秒[4位] 
総合・1時間51分11秒[13位]


■第4区(四日市市六呂見 → 鈴鹿市寺家 14km)
上田健太(2年 山梨・山梨学院高)41分23秒[7位] 
総合・2時間32分34秒[10位]


■第5区(鈴鹿市寺家 → 津市上浜町 11.6km)
古賀裕樹(2年 福岡・大牟田高)36分00秒[18位] 
総合・3時間08分34秒[10位]


■第6区(津市上浜町 → 松阪市曽原町 12.3km)
前田拓哉(4年 熊本・熊本国府高)36分50秒[9位] 
総合・3時間45分24秒[10位]


■第7区(松阪市曽原町 → 松阪市豊原町 11.9km)
河村知樹(2年 山梨・山梨学院高)35分37秒[4位] 
総合・4時間21分01秒[9位] 


■第8区(松阪市豊原町 → 伊勢神宮内宮宇治橋 19.7km)
ドミニク・ニャイロ(1年 ケニア・メサビサビ高)56分55秒[1位] 
総合・5時間17分56秒[7位]


レース後の報告会で最終8区で脅威の猛追で区間賞を獲得したドミニク・ニャイロ選手は悔しそうな表情を見せながら「応援ありがとうございました。箱根も頑張ります」と挨拶。飯島理彰コーチは「出雲を終え、この全日本を迎え、距離が伸び、区間が二つ増えてこのような結果になったことは、距離に対する練習不足、(選手)層の薄さが原因だと思います。箱根はさらに距離と区間が増えます。2か月後に向け、急務にトレーニングをし、箱根ではこの悔しさを晴らしたいと思います」とレースを振り返った。また、上田誠仁監督は「駅伝には、走った選手の頑張りとチームメイトの支えや応援の力が必要ですが、メンタル的な強さと幸運や勝利を自分自身の力で引き寄せるタフネス・バイタリティも必要だと監督バスの中で思いました。私以上に走った選手は感じていると思います。きょうの悔しさを晴らすには今からの巻き返しを図った努力しかありません。2か月後の箱根に向け更に精進していきますので、変わらぬご声援をよろしくお願いします」と挨拶し、取材陣に対し「2年生が多く、若いチーム。市谷は自分の想定外のペースだとリズムを崩してしまう傾向があったので、その部分でのメンタルのコントロール、逆境でも跳ね返すだけの走力が必要になってくる。佐藤も本来の力を出し切れなかった。田代、(上田)健太は 肉薄する走りができた。河村は、良い走りで見せ場を作ってくれてチームにとっては明るい材料。ニャイロは、長い距離の適応性もあり、レースごとに力をつけている。全体として全員で“つなぐ”ということができなかった。全日本を走った選手が固定選手ではなく、キャプテンの谷原など他の選手が奮起して巻き返してくれれば、チーム力が上がってくる」と語った。2区で2人抜きの佐藤孝哉選手は「箱根で経験した走りをイメージして、一人でも多く抜くように精一杯走りました。出雲が終わって集中力が切れてしまった時もあったけど、なんとかここまで調整することはできましたが、結果としては目標より遅かったです。今回はスピードには対応できたが、スタミナが足りなかった。負けて悔しい思いがあるので、心を入れ替えて箱根でシード権を取れるように頑張ります」と述べた。3区で3人抜きで区間4位の田代一馬選手は「何位で来てもやることは変わらなかった。最初から落ち着いて入った。レース前からチームの雰囲気は良く、谷原主将から頑張って欲しいと言われていた。3大駅伝3位以内を目標にしていたので正直悔しい。この悔しさを箱根に向けて全員で頑張っていきたい」と語った。3人抜きで10位まで浮上させた上田健太選手は「襷を受けて、シード圏内に向けて詰めれる所まで詰めていきました。自分としては全力を出し切ったつもりでしたが、区間順位とチーム順位が目標に届かなかったので箱根に向けて課題の残るレースになりました。箱根に向けて、チーム目標の3位を目指してチームに貢献できる走りができるように、さらに練習をしていきたいです」とさらなる巻き返しを誓った。
 

[最終順位]優勝・東洋大(5時間13分04秒・初優勝)、2位・青山学院大、3位・駒澤大、4位・早稲田大、5位・東海大、6位・明治大。以上、来年のシード権獲得。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪、今村佳正、Y.Y)2015.11.1