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全日本学生ホッケー選手権 決勝戦
~男子チーム一丸で4年振りに王者奪還~
~女子は最後に力尽き、惜しくも4連覇を逃す~

「第64回男子・第37回女子全日本学生ホッケー選手権大会」(インカレ)は11月3日、立命館ホリーズスタジアムで男女の3位決定戦と決勝戦が行われた。山梨学院大男子は昨日、前回大会優勝の立命館大と対戦。積極的攻撃と堅実な堅い守備で優勝候補の立命館を3-0で退け決勝に進出した。決勝戦は準決勝で天理大相手に延長戦SO(シュートアウト)で勝利し、27年振りに決勝に駒を進めた明治大と対戦した。試合開始早々、山学大は得点を許したが、12分にFW山崎晃嗣(2年)が豪快にシュートを決め同点とし、悪い流れを切った。26分にはPC(ペナルティーコーナー)を得たFW蛭田光(4年)が確実にゴールを決め、逆転。後半にもFB松健太(3年)、再び蛭田がPCを決め4-1。そのまま最後まで集中力を高めた山学大男子が4年振り3度目の優勝を飾った。女子は、昨日の準決勝で天理大を2-0に抑え、7年連続の決勝戦に臨んだ。決勝戦はホームゲームの立命館大との対戦。前半は地の利もあり、立命館大が優勢に試合を進め、再三ゴールを脅かされるが、堅い守備で得点を許さない。残り3分に準決勝で2点挙げているFB藤井美沙(4年)がこの日もPCを決め、先制した。後半は互いに一進一退の攻防を繰り広げたが決め手がないまま、残り2分、相手にPCが与えられ土壇場で同点に追いつかれた。延長戦になりSO(シュートアウト)で4-5の僅差で4連覇への挑戦は崩れ、準優勝に甘んじた。初の男女アベック優勝という記録も逃した。 ※SO(サッカーでいうペナルティーシュート)

◆ 男子決勝《山梨学院大VS明冶大》試合経過

昨日と打って変わって青空が広がった立命館ホリーズスタジアムには、祝日ともあって多くのホッケーファンが詰め掛けスタンドは満員に埋まった。決勝戦の山学大と対するのは27年ぶりに決勝戦に進出した明冶大。試合は明冶大のセンターパスで始まった。開始早々僅か1分。左サイドから明治大10番・谷光未有が打ち込みに8番・大嶋雄飛が反応、簡単に先制点を奪われる。立ち上がり、山学大は攻めあぐねている時間帯に明治大が厳しく攻め込み我慢の防戦。山学大は、前半12分パスをセンター内で受けた6番・FW山崎晃嗣(2年 島根・横田)が豪快にシュートを決め、1-1の同点に追いつく。そこから山学大本来の動きが戻り、26分には山崎がゴール前に持ち込みPCを得ると10番・MF蛭田光(4年 福島・修明)が確実に決め、逆転に成功。2-1で前半を折り返した。後半に入り3分、PCのこぼれ球を17番・FB松健太(3年 富山・石動)が押し込み3点目。その後、山学大ペースで推移。13分にもPCを獲得。蛭田が2本目を決め4-1とリード。明冶大も反撃を試みるが、山学大は最後まで動きが止まらず終始安定した試合運びでついに4年振り、3度目の優勝を手に入れた。終了のホーンが鳴ると、いままで応援に回っていた部員もフィールドになだれ込み、選手たちと共に喜びを爆発させた。寺本祐冶監督、三澤孝康コーチ、川端諒大主将らが次々と宙を舞った。

表彰式で最優秀選手賞に山崎晃嗣選手が選出された。

平成27年度全日本学生ホッケー選手権 男子決勝
《山梨学院大VS明冶大》11/3 立命館ホリーズスタジアム
○ 山梨学院大 4 前半 2-1
後半 2-0
1 明治大 ●
得点 山崎晃嗣(12分)、蛭田光(26、48分)、松健太(38分)

試合後、川端諒大主将(4年 長崎・川棚)は「今までに味わったことがない位うれしいです。最初は不安定だったのですが、そこはチーム力でカバーできチーム一丸となって戦えた結果が優勝に繋がった」と優勝の喜びを表した。2本のPCを決め、優勝に貢献した蛭田光選手は「同点の時にペナルティコーナーを貰ったので、絶対決めてやろうという気持ちで打った。決められたのでうれしいです。日本一になりたくて山梨学院大に入ったので自分が4年生の最後の学年で、この山梨学院を日本一させるという気持ちで1年間やってきたので、最後の最後に目標が叶って良かった」と最高の笑顔を見せた。同点に追いつきゲームの流れを変えた山崎晃嗣選手は「最初1点取られて、自分たちのホッケーをすれば逆転でき、優勝できると思ったのでいつも通り自分たちのホッケーをして点を取れました」とプレーを振り返った。調子が上がらなく応援に回った主力の河村陸選手(4年 山梨学院附)は「教育実習や怪我でホッケーを離れる時間が長かったので悔いもあるのですけど、仲間たちが日本一になってくれたので今は最高の気分です」と複雑な心境を語った。寺本祐冶監督は「一度優勝してから低迷期が続いて、一からチーム作りをやり直し、その中で優勝できたということは非常にうれしいです。選手は関東の秋季リーグに完全優勝して自信を持ってプレーしてきているので1点に動ぜずにプレーを平常心でできたことは大きい」と選手の成長に眼を細めた。

◆女子決勝《山梨学院大VS立命館大》試合経過

女子の決勝戦は昨年同様、立命館大との対戦になった。立命館大茨木キャンパスにある立命館ホリーズスタジアムは地元ファンが声援を送る完全アウェー。山学大ホッケー女子部員が歌う応援歌がそれに対抗する。試合は、先日女子日本代表に選出された山学大12番・FW河村元美(2年 大阪・羽衣学園)のセンターパスで始まった。前半、立命館大優勢で進む中、守備陣が再三のピンチを凌ぐ。23分河村により、この試合初めてのPCを得るが得点に繋がらず、25分にも右サイドから攻め込んだ2番・FB中尾明日香(4年 富山・石動)がPCを得、20番・FB藤井美沙(4年 大阪・羽衣学園)のシュートは相手ゴールキーパーの好セーブで得点を阻まれた。徐々に攻撃のリズムが出てきた山学大は再三のPCでチャンスを作り、相手ゴールを脅かす。残り3分に得たPCで藤井がプッシュシュートを決め、ようやく均衡を破り、先制。1-0で前半を終了。後半早々、立命館大はゴール前に出したパスが通り、反応した8番・石川実咲の強いシュートを3番・GK笹木美里(3年 滋賀・伊吹)の好セーブで失点を阻止した。その後お互い激しい攻防の膠着状態が続く。立命館大も最後の力を振り絞り攻め入り、残り2分、山学大は痛恨のPCを取られ、それを決められ1-1の同点となり終了。SO(シュートアウト)での決定戦に持ち込まれた。SOは各ゴールキーパーと5人のシューターが交互に1対1で対戦する。9人目が終わり4-4の同点。行き詰る展開に観客は固唾を呑んで見守る。10人目、まず立命館大が成功。山学大10人目、慎重にキーパーと間合いを詰め、打つも阻まれここで立命館大の勝利が決定。山学大の4連覇7度目の優勝は潰えた。

平成27年度全日本学生ホッケー選手権 女子決勝
《山梨学院大VS立命館大》11/3 立命館ホリーズスタジアム
○ 山梨学院大 1 前半 1-0
後半 0-1
1 立命館大 ●
得点 山梨学院大 藤井美沙(32分)立命館大 山下留依(68分)
SO 4-5

試合後、8番・MF西永優衣主将(4年 富山・石動)は「ラスト10分を切ったところから1点を守ろうという気持ちで、外でプレーしようと皆で声掛けしてプレーしていたら相手にボールを奪われる場面で速攻を食らい、チャンスを作られペナルティコーナーで失点してしまった。SOになっても皆、強気でいたのですけど、もう少し落ち着いてキーパーを見て、判断してプレーすることができれば良かった」と悔やんだ。この日も先制点で気を吐いていた藤井美沙選手は「4連覇できなかったことが一番悔しいです。最後の15分位からバタバタと慌てだして直すことができなかった。そこから危ないシーンに繋がっていった」と敗因を語った。果敢なプレーでチームを牽引する2番・FB中尾明日香選手(4年 富山・石動)は「残り2分半のところで立命館の方の気持ちが勝っていてこういう結果になってしまった。負けたことは悔しいですけど自分の力は出し切れて終えたので良かった」と話した。堅実なプレーでチームに貢献する5番・FW佐藤圭選手(4年 大阪・羽衣学園)は「今はとても悔しい気持ちです。最後のあの場面でああしておけば良かったなと、後悔ばかりが残っています。自分たちの代がスタートする時からインカレ4連覇することが目標でしたので本当に今悔しい気持ちでいます」と肩を落とした。ジョン・シアン監督は「決めるチャンスは何度もあり、決めれば終わると思ったのですけど、少し勝負どころで堅くなりましたね。立命館は粘りのある執着心のある素晴らしいゲームをやりました」と相手チームを称えた。「4連覇したかったことは山々ですけど、そんなに簡単に甘くはないです。でも選手はよくやりました。また一からやり直します」と選手を労い、次のチーム作りに眼を見据えていた。

◆《大会最終成績》
男子優勝は山梨学院大、準優勝・明冶大、3位・天理大、4位・立命館大
女子優勝・立命館大、準優勝・山梨学院大、3位・東海学院大、4位・天理大
本大会の男女上位4チームは「第89回全日本男子ホッケー選手権大会」、「第76回全日本女子ホッケー選手権大会」の出場権を獲得した。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2015.11.3