山学小「日本舞踊」体験・鑑賞会
~文化庁と日本舞踊協会の巡回公演事業~
~体験や鑑賞を通じ、魅力を体全体で感じる~

山梨学院小学校は日本舞踊の本公演(体験・鑑賞会)を11月11日、山梨学院古屋記念堂で実施した。この本公演は、文化庁主催の「文化芸術による子供育成事業」として、子どもたちの発想力やコミュニケーション能力の育成、芸術鑑賞能力の向上などを目的に日本舞踊協会の協力により開催。9月のワークショップの関連事業として行われ、当日は全校児童約380人と保護者が参加。会場となった古屋記念堂には花道やパネル、特設の舞台などが設置され、江戸の町並みを再現。本公演では長唄「連獅子」を鑑賞するとともに、ワークショップで学んだ基本的な所作を復習し、邦楽器の生演奏に合わせて「さくらさくら」を児童全員で舞った。この他、代表児童の化粧体験や衣装体験、鑑賞の合間に舞台上で使用する小道具、邦楽器の解説なども行われた。児童は鑑賞や体験を通じ、日本舞踊の魅力を体全体で感じるとともに、伝統芸能の世界を肌で感じていた。
山梨学院小学校では、9月に全校児童による日本舞踊のワークショップを実施し、子どもたちは日本舞踊家から直接、正座やお辞儀、すり足、足拍子などの日本舞踊に欠かせない基本的な所作や、扇子の名称や扱い方、扇子を用いた表現方法などの指導を受けた。この日の本公演は、ワークショップの関連事業として実施され、会場の古屋記念堂は朝から舞台設営が行われ、花道やパネル、特設の舞台などが設置され、江戸の町並みが再現された。本公演では、「はじめての日本舞踊」と題し、基本的な所作を体験・復習した他、長唄「連獅子」を鑑賞。「連獅子」では、親獅子の厳しい様子や子獅子の愛らしい溌剌とした可憐さなど、場面場面に応じた舞踊家の一挙手一投足に児童は注目し、日本舞踊の世界に引き込まれていた。また、前回のワークショップやこの日の所作体験で学んだ動きをもとに、邦楽器の生演奏に合わせて、「さくらさくら」を児童全員で舞った。さらに鑑賞の合間には実際に舞台で使用される舞台衣装や化粧、三味線や締太鼓、鼓、能管、篠笛などの邦楽器の部位の名称や構造などの解説も行われ、児童らは迫力ある生演奏に興味・関心を寄せていた。会の終わりに、代表児童が「先日の鑑賞会に引き続き、きょうの鑑賞会では、一流の日本の文化芸術の鑑賞、体験など、とても貴重な経験をすることができました。日本舞踊の優雅で厳かな動き、「連獅子」では、激しく堂々とした獅子の舞、この会場にいる全ての人が引き込まれていくのを感じました。400年という歴史を持つ日本舞踊、この体験を通じて私たちは伝統芸能の奥深い世界にほんの少しだけ足を踏み入れることができたと思います。日常の生活では、体験することのできない、貴重な経験をさせていただき、ありがとうございました」とお礼の言葉を述べた。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪、藤原 稔)2015.11.11