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内閣総理大臣杯全日本大学レスリング選手権大会
~57㎏級高橋侑希、65kg級藤波勇飛選手が優勝~
~1日目1位通過、3年ぶりの大学対抗優勝に挑む~

フリースタイル大学日本一を決める「第41回内閣総理大臣杯全日本大学レスリング選手権大会」が11月14日に大阪・堺市金岡公園体育館で開幕した。出場枠は参加大学から1階級1人として8人が出場でき、個人の成績のポイントによる大学対抗戦として争われる。山梨学院大は2年連続で2位に甘んじ、今年こそは日本一の奪還に挑む。1日目は57㎏級、65kg級、74kg級、97kg級の4階級が行われ、山梨学院勢大は、57㎏級の高橋侑希(4年)が安定した戦いぶりでオールテクニカルフォール(TF)で貫録勝ち。昨年準優勝の雪辱を晴らし優勝に輝いた。65kg級の藤波勇飛(1年)は1年生優勝者23人目となる記録で優勝を果たした。97㎏級の吉川裕介(3年)は勝利した準々決勝で右膝を負傷し、出場し続けたが敗者復活戦で5位となり、大学対抗戦ポイントで貢献した。74kg級の本村匠(3年)は、敗者復活戦で7位となった。1日目の大学対抗ポイントは、出場4人がポイントを獲得、1位で折り返した。1日目の大学対抗ポイントは1位・山梨学院大29.5点、2位・日大26点、3位・日体大24.5点と続いた。

大会は、フリースタイル8階級に各大学1選手が出場し学生日本一を争うとともに、順位獲得ポイントで大学対抗優勝を争う。シード制を採用していないだけに、1回戦から実力者同士の対戦があり、組み合わせで大学対抗のポイントが大きく変わるのがこの大会の見所。山梨学院大からは1日目に57㎏級の高橋侑希(4年)、65kg級・藤波勇飛(1年)、74kg級・本村匠(3年)、97㎏級・吉川裕介(3年)が出場。2日目には61㎏級に乙黒圭祐(1年)、70㎏級・木下貴輪(2年)、86㎏級・石澤誠悠(1年)、125㎏級・ボルチン・オレッグ(3年)の4選手がエントリーされた。

■1日目 11/14 大阪・堺市金岡公園体育館

◆圧倒的強さを見せる《フリースタイル57㎏級・優勝 高橋侑希選手》

57㎏級で絶対の強さを誇る高橋侑希(4年 三重・いなべ総合学園)は6月の全日本選抜レスリング選手権大会で2連覇を果たし2度目の世界選手権日本代表に選出された。リオ五輪の日本代表に自信を持って目指したが、振るわず代表権を逃した。一から出直しの日本代表を照準に臨んだ再起戦。やはり高橋侑希は強かった。初戦の序盤は堅さが少し見られ慎重な出足。後半に入ると持ち前の素早い動きで次々とポイントを奪い12-2のテクニカルフォール(TF)勝ち。2戦目、準決勝も相手をまったく寄せ付けず、ともに10-0のTFで下し決勝戦に進出。決勝戦の対戦相手は、今年の『わかやま国体』の同級で準優勝している長谷川敏裕(日本体育大)。高橋の前に向かう敵ではなかった。次々とポイントを重ね、前半を10-2で折り返すと、後半早々に2ポイントを加え12-2のTFで勝利。昨年不覚を取り準優勝に終わった借りを実力で奪い返した。高橋侑希選手は「4年生の最後の役目を果たせました」と安堵の表情を見せる。試合内容は、「小さなミスがあった。今日は良かったですけど、小さいミスが次の天皇杯の勝敗を分けてくるので修正しなくては。1ヶ月と少しあるので天皇杯に向けて怪我や体調管理に気を付けて頑張ります。期待していてください」と自信を覗かせた。

◆若き五輪期待の星《フリースタイル65kg級・優勝 藤波勇飛選手》

8月、ブラジルで開催された世界ジュニア選手権で準優勝を飾り、2020年の東京五輪日本代表に最も近いと評価の高い藤波勇飛(1年 三重・いなべ総合学園)は、初戦は相手選手を僅か37秒のTFで下すと、2戦目、3戦目もTF勝利。4戦目の準決勝は、今年のインカレ2位、阿部宏隆(国士舘大)。実力者通り、開始まもなくバックを取られ,さらにローリングを許し苦しい展開、3-8で折り返す。藤波勇飛選手は「自分の中でも一瞬負けが過ぎりました。焦りはしましたけど、自分のレスリングをすれば逆転できると思っていたので、自信を持って出来ました」。後半に入ると藤波が怒涛の反撃を開始。終了1分前、遂に9-8と逆転。さらに3ポイントを加え12-8、後半は相手に1ポイントも与えず勝利をもぎ取った。決勝の対戦相手は、藤波選手が世界ジュニア選手権で不在の期間に行われたインカレの優勝者・原田駿(専修大)。「決勝は準決勝があのような試合だったのでスイッチが入り、自分でもいい動きが出来た試合だったと思います。全体的には失点が多かったので自分の中では反省点の多い大会でした」と振り返った。

◆無念の怪我、最後まで対抗得点に貢献 《フリースタイル97㎏級・5位 吉川裕介選手》

吉川裕介選手(3年 茨城・霞ヶ浦)は8月の全日本学生レスリング選手権(インカレ)フリースタイル97㎏級で準優勝、先月行われた全日本大学レスリンググレコローマン選手権の98㎏級でも準優勝を果たし、両スタイルで実績を挙げる山梨学院大にとって貴重な存在の選手。1戦目、2戦目と強敵を敗り3戦目の準々決勝。吉川裕介にアクシデントが起こった。前半を8-0でリード。前半終了間際、攻めに入ったところを返されポイントを奪われた際、右膝を強打。何とかそのまま前半8-2で終了。厳重なテーピングを施し後半戦に強行出場。痛い膝を庇いながら必死に応戦、山梨学院魂を見せ付け4ポイントを加えた。12-2TFで勝ち切った。その後は試合にならなかった。準決勝、敗者復活戦と母校のポイントのために出場し5位入賞を果たし、貴重な得点を獲得した。吉川裕介選手は「何度か決められる場面があったのですけど、最後の自分の詰めの甘さというか、詰めきれない部分が最終的には怪我に繋がった。もしはないですけど、怪我がなければと思うと悔しいし、不甲斐なく情けないです。早く直して試合に出たいです」と話した。

フリースタイル74kg級に出場した本村匠選手(3年 沖縄・浦添)は初戦をTF勝ち、2戦目を8-0で勝ち上がったが、3戦目準々決勝でTF負けを喫し、敗者復活戦に回り敗退。7位に終わった。

試合後、小幡邦彦コーチは「いい試合もありましたが、不用意な怪我とか、試合なので何が起こるか分らないですが、そういった意味では思っていたよりも得点が伸びませんでした。去年、一昨年と2日目に逆転されてしまったので気を引き締めて明日、3回目の同じ繰り返しをしないように頑張りたいと思います」と話した。

1日目の大学対抗得点は、1位・山梨学院大29.5点、2位・日大26点、3位・日体大24.5点、4位・早大18点、5位・国士舘大15.5点、6位・専大11点となった。2日目に山梨学院大は2点連続の2位から3年ぶりの優勝に挑む。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2015.11.14