全日本大学空手道選手権(インカレ)
~女子団体形3位、男子は準決勝に進めず5位~
~男女団体組手は全国の壁高く、結果残せず~
平成27年度「第59回全日本大学空手道選手権大会」(インカレ)が11月23日、大阪市中央体育館で行われた。試合は男女共にトーナメント方式による団体対抗戦。地区予選を勝ち抜いた男子64大学、女子56大学の精鋭が大阪の地に集った。山梨学院大の男子は10月の関東大会で山梨学院大伝統の団体形で準優勝、女子は3位。力を付けてきた男女団体組手で男子は1回戦で敗れはしたが、敗者復活戦で出場権を獲得。女子も2回戦敗退したが、ともに出場権を獲得した。3年連続の全種目出場となり臨んだ今大会。女子団体形は、主将の唐澤愛と渡辺ほのか、馬場ひかるの1年生2人で固めた演武で予選を突破し、準決勝で5連覇中の帝京大と対戦し敗退。3位に終わった。奥田祐臣、舩越大輔、村田望瑠の布陣で臨んだ男子団体形は予選5位となり、4位までが出場できる準決勝進出を逃した。男子団体組手は、初戦敗退。女子は2回戦で姿を消した。
形競技は、それぞれの流派の決まった形を演武し、技の切れ、力強さ、スピード、決め、気合などで相手との上手さを競う。団体形は3人1組で形を演武し、チームとしての一体感、一致、技の上手さ、集中力で勝敗を決める。
形の部は、採点方式による予選が行われ、男子が13校、女子は12校が出場。男女共に3人による団体演武で上位4校が決勝トーナメントに進出する。採点の結果、女子は帝京大が1位、2位国士舘大、3位大正大、4位山梨学院大(以上準決勝進出)となり、準決勝を果たした。男子は1位帝京大、2位同志社大、3位駒澤大、4位国士舘大と続き、山梨学院大は予選5位で準決勝進出を逃した。
◆女子団体形《柄澤愛、今野桃、渡辺ほのか、馬場ひかる》
女子団体形は関東大会3位になった同じ布陣、柄澤愛(4年 東京・帝京)、渡辺ほのか(1年 新潟・燕)、馬場ひかる(1年 新潟・第一)の3人が採点方式による予選ラウンドに挑んだ。中央に柄澤、向かって右後ろに渡辺、左後ろに馬場の布陣で得意形・糸東『バッサイ大』による呼吸の合った演武を披露し、4位で準決勝に進出。決勝トーナメントは4校によって争われた。準決勝、山梨学院大は昨年まで5連覇している強豪帝京大との組み合わせ。最初に演武したのは、帝京大。形は得意形・松涛『五十四歩小(ゴジュウシホショウ)』で力強さを前面に出した、強豪校らしい演武でまとめた。続く山梨学院大は得意形・糸東『トマリバッサイ』を選択。女性らしい表現力の中にスピード、切れを重視した演武で対抗した。柄澤を中心に、後ろ2人の一体感ある演武が光った。判定の5人の審判員の旗は、全員が帝京大に挙げた。惜しくも準決勝で敗れ3位に終わった。終了後に3人は泣き顔ながら、柄澤愛主将は「準決勝は思い切り、何も考えずに無心でやりました。後ろ2人の勢いも感じ、楽しく、緊張もなく演武できました」と話した。馬場ひかる選手は「いつも通り無心でできたし、いつも以上の力を出せました」。渡辺ほのか選手は「今までで一番いい形だった。悔いはありません」と3人は会心の演武に納得していた。4年生最後の演武になった柄澤選手は「優勝を目標にやってきました。一昨年、先輩方とやらせてもらい3位になり、今回自分が引っ張る番として挑みましたが、先輩たちを超えることができなかったという悔しさはありますが、これからもっと成長する1年生と組めて、ここまでやって来れました」と後輩を思いやった。試合結果は優勝・帝京大、2位国士舘大、3位・山梨学院大、立正大となり、関東大会と同じ結果となった。
◆男子団体形《奥田祐臣、新井元気、舩越大輔、村田望瑠》
山梨学院大は関東大会2位の奥田祐臣(4年 大阪・浪速)、新井元気(4年 山梨学院大附)、舩越大輔(3年 岡山・倉敷)、村田望瑠(1年 山梨学院大附)の布陣で臨んだ。
予選のメンバーは真ん中に舩越大輔、右後ろに村田望瑠、左後ろに奥田祐臣。13大学が出場する中、6番目に登場した山梨学院は指定形・糸東『セイエンチン』を披露。三位一体の力強く、スピード、切れのある演武を見せ、ここまでで1位となる点数を叩き出した。しかし、後に続く伝統校、強豪校にかわされ5位となり、準決勝進出はならなかった。主将を務めた奥田祐臣選手は「関東で2位だったので自信はあったのですが、上回れなかった。最後は結果を残したかったですが、やれることは全部やって来たし、試合でも思い切りやったので、4年間の悔いはないです」ときっぱり語った。準決勝戦に備えていた新井元気選手は「次の自分の出番にしっかり演武し、決勝に繋げ日本一になることを考えていたので残念です。応援してくれた方が、温かい言葉で迎えてくださったので、本当に4年分の思いを込めて、監督を初め、家族やチームの保護者の方々、チームメイトに感謝を伝えたいです」と語った。舩越大輔選手は「自分がセンターやらせてもらっていて、先輩も後輩もいる中で引っ張っていかなきゃいけないという気持ちが強く、焦ってしまい硬くなってしまった」と敗因の一つと話した。村田望瑠選手は「4年生たちを決勝の舞台まで繋げることが出来なかったことが一番悔しい。来年はこの借りをきちんと返したい」と前を向いた。
試合結果は優勝・帝京大、2位・同志社大、3位・国士舘大、駒澤大、山梨学院大は5位となった。
◆女子団体組手《松本めぐみ、永井綾夏、栗原さおり、荒井日花里》
男女団体組手は、女子が連続5回連続、男子は3回連続の出場を果たした。
女子団体組手は1回戦信州大学と対戦。先鋒のエース松本めぐみ(4年 熊本・九州学院)が7-1で勝利、中堅の荒井日花里(1年 山梨学院大附)は引き分け、大将の栗原さおり(3年 埼玉・進修館)が2-0で勝ち、2勝1分で初戦を突破した。2回戦の相手は昨年、初戦で敗れた中京大。実力が拮抗している相手だが、先鋒の松本めぐみが1-2で敗れ、勝って中堅の栗原さおりに繋ぐ流れが崩れ、栗原も0-2で敗退。ここで0勝2敗と勝負が着いた。
◆男子団体組手《飛田祐樹、本郷弘二、田上康平、鈴木崚太、松嶋慶樹、安藤稜、木村文哉、金子裕哉》
男子団体組手は飛田祐樹(4年 埼玉・埼玉栄)、本郷弘二(4年 群馬・高崎商科大附)、
鈴木崚太(3年 山形・東海大山形)、松嶋慶樹(2年 埼玉・進修館)、安藤稜(2年 大分・高田)の布陣で初戦に臨んだ。九州地区で1,2位を争う九州産業大学と対戦は、先鋒の4年生飛田で勝利のリズムを作りたいところだったが、0-1で惜敗。次鋒の松嶋は0-6で負け、中堅の鈴木が2-1で勝ち五分に戻したが、副将・本郷、大将・安藤が共に敗れ、1勝4敗、初戦で姿を消した。年々力を付けてきている団体組手だが、全国の壁はまだ高い。
試合後、片田貴士監督は「今日はことごとく駄目でした。監督の力不足です」と開口一番。「形は男女ともに決勝トーナメントを狙い、優勝も視野に入れていたのですが、女子は何とか3位でしたが、本当は日本一をという思いでした。男子は昨年3位だったにもかかわらず、負けてしまい、特に悔しいです。組手は厳しい結果になってしまいましたが、次に入ってくる1年生を含め新チームでレベルを上げていきたい」と勝負の難しさを語った。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2015.11.24