関東大学ラグビーリーグ戦1部・2部入替え戦
~一時は逆転、終盤の猛攻も及ばず2部降格~
~悔しさを糧に、新チームで1部昇格を勝ち取る~
「2015関東大学ラグビーリーグ戦グループ1部入れ替え戦」が12月13日、埼玉県熊谷スポーツ文化公園ラグビー場で行われた。山梨学院大は今年の1部リーグ開幕戦で、強豪東海大に敗れて以来、リーグ戦全敗で入れ替え戦に臨んだ。昨年初の2年連続1部に残留、3年目の残留を懸け、2部1位の日大との対戦になった。日大は1部リーグ3度の優勝を誇る古豪チーム。昨年の入れ替え戦で敗れ、降格していた。試合は、前半戦序盤から日大ペースで進められ、山梨学院は早い時間帯での失点で防戦一方の展開。ミスも重なり、一時は0-13と点差を広げられた。前半戦終盤、少ないチャンスを得点に結びつけ、10-13まで挽回、前半を折り返した。後半になるとようやく山梨学院のペースに。開始間もない6分、ラインアウトから繋いで、8番・ソシセニ・トコキオ主将の突進でトライ、逆転に成功。ゴールキックも決まり17-13とリードした。相手日大も古豪の意地を見せ反撃、すぐにトライを返し17-18と再び逆転。山梨学院はその後も自陣のミスがあり、2トライを奪われ17-28とされた。終盤、山梨学院は相手5mラインで、猛攻をし続けるが相手ディフェンスの前に得点を奪えず、無情にもノーサイドの笛が鳴り響いた。ここで3年連続の1部残留を逃し、2部リーグ降格が決まった。
山梨学院大は、前回大会で創部以来3回目の挑戦で、初めて念願の1部残留を決め、輝かしい歴史を刻んだ。今年は5位以上で初の大学選手権出場を目標に掲げていた。今年の関東大学ラグビーリーグ戦1部グループは、昨年の優勝校・流経大のほか、山学大、東海大、法大、大東大、中大、2部から昇格した拓大、専大の8校が優勝を懸け総当たりで対戦した。上位6校までが残留し、下位2校が2部リーグ上位2校と入れ替え戦を行う。1部リーグ戦の結果は、優勝東海大、山梨学院大は8位に終わり、今シーズン1部復帰を果たした専修大7位と共に1部残留を懸けて入れ替え戦に臨んだ。
会場は、2019年ラグビーワールドカップ開催地の一つに決定した埼玉県・熊谷市の熊谷スポーツ文化公園ラグビー場。身体の芯まで冷え込む冷たい雨の降る中、会場には約1500人のラグビーファンが集まり、メインスタンドはほぼ満員の盛況。ラグビー人気が窺えた。1部・2部入れ替え戦は午後12時、第1試合が行われ、山梨学院大は第2試合に登場。対戦相手は2部1位の日大。1部リーグで3度の優勝を誇るチーム。
◆前半、相手に押し込まれ苦戦するも、終盤挽回
試合は日大のキックオフで始まった。序盤から日大ペースで展開。8分、14分と早い時間帯でトライ2つを許し0-10、自陣での防戦一方となった。圧倒され続け、反撃の糸口が見つからない。さらにミスも重なり、27分ペナルティーゴール(PG)を決められ、0-13。重苦しい空気が山梨学院ベンチに漂う35分、ようやく敵陣に攻め入ると、少ないチャンスを左サイド5mでのラインアウトからモールで押し込み、7番・渡邉賢哉(3年 山梨・桂)がトライ、ようやく5点を返した。10番・前原正貴(3年 熊本・荒尾)がゴールキック(G)も決め、7-13と点差を詰めた。さらに前半終了間際には相手反則から得たPGを再び10番・渡辺正貴がきっちり決め、10-13と点差を詰め、前半を折り返した。
◆後半序盤、ソシセニ主将の中央突破で逆転も
後半になると山梨学院の目が覚めた。序盤、山梨学院のペースに持ち込むと、開始間もない6分、ラインアウトから繋いで、8番・ソシセニ・トコキオ主将(4年 ニュージーランド)の突進で中央へトライ、逆転に成功。ゴールキックも決まり17-13とリードした。その4分後、相手日大も古豪の意地を見せ反撃、すぐにトライを返し17-18と再び逆転。18分、山梨学院は相手が上げたハイパントでボールを落とすミスがあり、そのボールを持ち込まれトライ、17-23と差を広げられる。その後も1トライを奪われ17-28とされた。終盤、山梨学院は相手5mライン、波状攻撃で猛攻を仕掛けるが相手の必死のディフェンスを崩せず、後一歩得点を奪えない中、無情にもノーサイドの笛が鳴り響いた。
平成27年度関東大学リーグ戦1部・2部 入れ替え戦
山学大VS日大戦(12/13)埼玉県・熊谷スポーツ文化公園ラグビー場 | ||
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● 山梨学院大学 17 | 10-前半-13 7-後半-15 |
28 日本大学 ○ |
山学大トライ 渡邉賢哉1 ソシセニ・トコキオ1 前原正貴G2、PG2 日大トライ 冨樫玄1 塚本健太1、小川敦也1、早川匠音1、有久亘1、鈴木陸PG1 |
試合後の記者会見で、留学生初の主将、8番・ソシセニ・トコキオ選手(4年 ニュージーランド)は「大学選手権を目指してきたけど、全部負けてしまいました。今日は皆、山梨学院として、最後まで身体を張って戦ってくれました。2部で頑張って、また1部に戻ってきます」と後輩に来シーズンを託した。吉田浩二監督は「結果は残念ですけど、最後まで諦めないで山梨学院の闘志を見せてくれました。満足ではありませんが、本当にやり切ってくれました」と選手を労った。その後のインタビューで吉田監督は「チーム力は上がって来ています。選手の頑張りには感謝しています。負けた原因は私にあります。来年に向けてしっかり立て直しを図って行きます」と述べた。1部校の山梨学院大と専修大は共に敗れ、2部の日大と、関東学院大が1部に昇格した。
山学大フィフティーンは悔し涙を飲んだ。リーグ戦全敗で目標の「全国大学選手権」出場を逃がし、1部残留を懸けて臨んだ入れ替え戦にも敗北した。この悔しさは絶対にマイナスにはならない。胸に刻んだ屈辱を糧に、1年後の1部復活を期すべく、明日から戦いの狼煙を揚げる。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2015.12.14