日本学生氷上競技選手権大会 開幕
~女子3000m高橋、男子5000m大林ともに5位~
~2日目終わって総合男子7位・女子5位と出遅れ~
スケート競技のインカレ「第88回日本学生氷上競技選手権大会」が、1月6日から9日の日程で“大学氷上競技の聖地”栃木県日光市で開幕した。スピードスケート、フィギアスケート、アイスホッケーの3競技で総合優勝を争う、大学氷上競技日本一を決定する大会。山梨学院大はスピードスケート競技とフィギア競技にエントリー。フィギアはBクラスのため、ポイントに加算がない。スピードスケート競技は、各種目3人ずつが出場、各順位別のポイントを競う。競技は6日から始まり、初日は男女スピードスケート500mが行われた。女子の澤田芽依(4年)が2本滑り、総合で7位入賞した。2日目は、午前中に女子3000mと男子5000mが行われ、期待された女子3000mの高橋菜那(4年)、男子5000mの大林昌仁(3年)が共に5位に終わり、表彰台に届かなかった。他に女子1000mに出場した澤田芽依(4年)が8位となり2種目に入賞を果たした。初日、2日目の総合成績は、男子7位、女子5位となり、残り2日間に巻き返しを図る。
会場になった栃木県日光市で行われるのは3年ぶり、昨年は日光東照宮で徳川家康公の400年回忌を迎える節目の年であり、50年に一度の式年大祭が開催され話題になった。インカレは今回88回の開催の中、日光市での開催は30回目となる節目の年。インカレと日光市の関係は深く、“大学氷上競技の聖地”と言われる由縁でもある。今回、スピード競技は「日光霧降スケートセンター」、フィギア競技は、「日光霧降アイスアリーナ」、アイスホッケー競技は、「日光市細尾ドームリンク、今市青少年センター、日光霧降アイスアリーナ」で行われる。山梨学院大女子は過去に7度の総合優勝を誇るが、第85回大会の日光市(一部宇都宮市)開催以来、優勝から遠ざかっている。この日光市での節目の大会で、3年ぶりの優勝をぜひ引き寄せたい。
■《1日目 1/6 日光霧降スケートセンター 曇 約4℃》
男女1、2位が大会新記録を出した初日の500mに、山梨学院大は澤田芽依(4年 北海道・帯広三条)が168cmの身長を活かした大きなフォームで1回目41秒27、2回目41秒07、合計タイム82秒34と昨年6位に入賞したタイムを上回ったが、7位入賞に止まった。7日の1000mにトップ3の表彰台に挑む。他の選手の成績は以下の通り。
◆1日目女子500m成績
名前・学年・出身校 | 1回目 | 2回目 | 総合成績 |
澤田芽依(4年 北海道・帯広三条) | 8位 | 7位 | 7位 |
原 茉畝(1年 北海道・帯広三条) | 13位 | 13位 | 13位 |
虫狩光桜(1年 北海道・池田) | 14位 | 15位 | 15位 |
◆1日目男子500m成績
名前・学年・出身校 | 1回目 | 2回目 | 総合成績 |
戸田真也(4年) 北海道・白樺学園 | 10位 | 12位 | 10位 |
宗宮紘汰(4年) 北海道・白樺学園 | 11位 | 15位 | 13位 |
山中敏愛(3年 長野・小海) | 24位 | 23位 | 24位 |
男子は15位、女子は12位までが順位までにポイントが与えられ、総合ポイントで順位が決められる。
■《2日目 1/7 日光霧降スケートセンター 晴れ 約8℃》
◆《女子3000m 高橋菜那 5位入賞》
高橋菜那(4年北海道・白樺学園)は、全種目で安定した力を出せるのが持ち味だが、長距離種目が得意。11月、「ジャパンカップ」の1500、3000mで優勝。12月の「全日本学生スピードスケート選手権」で総合2位となったほか、同じ12月の高校生から社会人までが出場する「全日本スピードスケート選手権」の5000m7位、総合でも8位となり、3月イタリアで行われる「世界大学スピードスケート選手権」の日本代表選手にも選ばれた。インカレ3000mは3連覇が掛かる負けられないレース。序盤は普段の高橋らしいラップを刻んでいた。後半、徐々にラップが落ち始め、苦しげな表情を見せる。最初リードしていた同走の選手に付いて行けず、結果は2秒ほど遅い5位に沈んだ。高橋菜那選手は「最初から攻めて行こうと、初めは良かったのですが、我慢できなかったところがあった。負けたことの結果はしっかり受け止めたい。世界大学選手権代表に選ばれ、悪い成績は出せないことや、勝てば3連覇ということもあり、結構プレッシャーはありました」と振り返った。
他の選手は、高山瑞穂(1年 北海道・駒大苫小牧)は12位、原田梨央(2年 北海道・白樺学園)に当日エントリー変更した池田千奈美(4年 北海道・駒大苫小牧)は13位となった。
◆《男子5000m 大林昌仁 5位入賞》
大林昌仁(3年 長野・佐久長聖)は、12月初旬の「ジャパンカップ」5000mで優勝、続く「全日本学生スピードスケート選手権」5000m2位、「全日本スピードスケート選手権」では社会人と争い、5000m13位と健闘を見せ、今や学生界では長距離のスペシャリストと評価されている。昨年準優勝している大林に優勝が期待された。最終組に登場した大林の力強く氷面を捉える滑りのスタイルは、気温が上がり、氷上面が緩む悪いリンクコンディションでは不利といえる。なかなかラップが上がらず、序盤こそ互角の滑りで優勝した選手に付いていたが、1500m辺りから目に見えて遅れだし、引き離された。ゴールした時には10秒余りの差があり、本来からは程遠いレースだった。大林昌仁選手は「何を言っても5位という結果なので、力不足としか言えないです。スタミナの部分であったり、滑りの部分でもあったりすべてが悪かったです。1番点を取る立場にいて点を取れなかったので、チームにも監督にも申し訳ない気持ちがあるので明日の10000mではいい点が取れるようにしたい」と悔しさを噛みしめた。
他の山学大勢は山本大生(1年 青森・八戸西)24位、赤神 諒(1年 北海道・釧路北陽)に当日エントリー変更した山本大平(2年 青森・八戸西)は29位だった。
◆《女子1000m 澤田芽依 8位入賞》
澤田芽依(4年 北海道・帯広三条)は初日の500mで7位入賞を果たし、1000mでは上位を狙った。午後から始まったこの種目は、気温8℃、明らかにリンクコンディションが悪かった。所々で水が浮き、そこをよけて通る状態。バランスを崩す選手も何人か見受けられた。5組目スタートの澤田も200mで1回目、最後のコーナーでもバランスを崩し、タイムを落とした。結果は8位と入賞ぎりぎりの惜しまれるレースだった。選手控え室に向かう澤田の目には大粒の涙が光っていた。澤田芽依選手は「体や足のコンディションが良かったので悔しいです。絶対入賞すると決めて大きなポイントを取って短距離チームを引っ張るとの思いでやってきたので、その点は達成出来て良かったです。自分ではもっと高みを目指していたので少し悔しい」と話した。2種目入賞で対抗戦ポイント獲得に大きく貢献した。
他の選手は高山菜摘(3年 駒大苫小牧)14位、虫狩光桜(1年 北海道・池田)は15位だった。男子1000mでは、渡辺晟 (2年 福島・郡山商)14位、宗宮紘汰(4年 北海道・白樺学園)16位、戸田真也(4年 北海道・白樺学園)17位となった。
インカレ2日間の前半が終わり山学大の大学対抗戦のポイント順位は男子が7位、女子は5位に付け、3日目・4日目で巻き返しを図る。明日は、男女1500m、男子10000mが行われる。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2016.1.7