平成27年度「英語暗唱弁論大会」決勝大会
~年々レベルアップする英語表現力を競う~
~英語科、特進コース(G系列)で伝統の弁論大会~
山梨学院高校英語科が毎年行っている「英語暗唱弁論大会」の決勝が1月20日に開催された。2005年に文部科学省が支援したSELHi(スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール)の研究指定校になったことの一つの取り組みとして「英語暗唱弁論大会」を行うようになった。英語科は今年度、山梨学院高の学校改革の一環としてコース再編に伴い、特進コースのG(グローバル)系列と位置づけられ、国際社会で活躍できる人材の育成を目的にしていく。今大会は、現在の2年生は「英語科」、1年生は「特進コース(G系列)」の生徒として参加した。会場のルネサンスホールに受験を控えた3年生を除く1年生特進コース(G系列)53人・2年生英語科30人、83人全員がホールに集まり、昨年12月に全員で行われた予選会を突破した20人が発表を行った。最初に1年生の10人が登壇、与えられたテーマの暗唱発表に挑み、続いて2年生の10人がアメリカ語学研修での自身の体験について英語弁論発表を行った。途中で言葉に詰まってしまう生徒、落ち着いて堂々とした話しぶりの生徒、身振り手振りを交えて巧みに表現する生徒もおり、それぞれに日頃学んだ英語表現力を披露し、3人の外国人教師による審査が行われた。また、オーストラリアからの留学生3人が日本語のスピーチを行い、それぞれが山梨学院高での思い出や山梨での生活を、分りやすい日本語で語りかけた。
◆グローバル化に向けて、英語表現力のアップに繋がる伝統の「英語暗唱弁論大会」
山梨学院高校に英語科が増設されたのは昭和51年(1976年)。山梨県で初の英語科だった。山梨学院高校は平成17年(2005年)から平成19年(2007年)の3年間にかけて文部科学省が英語教育に積極的な学校を支援するSELHi(スーパー・イングリッシュ・ランゲージ・ハイスクール)に指定された。「読む」「聞く」「話す」「書く」の4つの基本技能により、コミュニケーションに必要な能力の向上を目指す研究校としての役割を与えられた。その一つとして英語科の「英語暗唱弁論大会」が取り入れられた。山梨学院高は今年度から学校改革の一環としてコースの再編に伴い、英語科は特進コースのG(グローバル)系列と位置づけ、国際社会で活躍できる人材の育成に取り組んでいく。(現在の2年生が卒業するまで『英語科』は存続する)。
◆1年暗唱の部は高橋寧夫さんが1位、2年弁論の部は牧野愛佑美さんが昨年、1年暗唱の部に続き1位を獲得
最初に1年生に暗唱コンテストが行われ、12月に行われた全員参加の予選会を突破した10人が登壇、マイクを使わずにそれぞれ「アルプスの少女ハイジ」の一節を暗唱発表した。休憩をはさんで行われた2年生のスピーチ(弁論)コンテストは、昨年10月、2週間のアメリカ語学研修での自身の体験談を一人2分から3分の持ち時間でそれぞれスピーチした。3人の外国人英語教師が暗唱力、表現力、発音力などを総合審査、1位1人、2位2人、3位3人が表彰された。1年生の暗唱の部1位を獲得した特進コース(G系列)高橋寧夫さんは「今までで最高の力を出せました。11月の山梨県大会で3位だったトラウマの経験を活かしたのが今回の1位に繋がった。自分のハイジに対し思った感情をハイジの言葉に込めました」と話した。英語科2年の弁論の部1位は牧野愛佑美さんが受賞した。牧野さんは1年の時に暗唱の部で1位となり、2年連続で1位を獲得した。アメリカ語学研修でホストファミリーが自分たちを気持ちよく受け入れてくれたことに感謝する言葉とともに、自身も日本で言葉の違う国の人を温かく迎え入れたいとスピーチした。牧野愛佑美さんは「周りの皆が上手だったので優勝できるとは思っていなかった。ホールで大勢が聞く中で声を大きく出せたのが良かった。将来は英語力を鍛えて留学を考えています」と話した。コンテストの最後に3人のオーストラリア留学生が日本語で、1人の編入生が英語でスピーチした。留学生のクレアさんは「3ヶ月間、皆と一緒に過ごせて楽しかった。私は日本語頑張るから皆さんは英語頑張ってください」と分りやすい日本語でエールを贈った。
◆皆がベストを尽くし、情景が眼に浮かぶ表現力を審査評価
審査を担当した3人の外国人英語教師の一人、スティーブン・ジョーンズ教諭は「皆ベストを尽くして良く出来ていた。しっかり暗唱し、表情・表現、感情を込めて情景が眼に浮かぶようだった。特にスピーチではただ暗唱するだけでなく、表現に感情を込めて描写するとか、自己表現が大事な点で12月より格段に上手になっていた」と講評した。大会の最後に、勝村寿子教頭は「年々ブラッシュアップ(技術や能力をさらに磨き上げる)している。今日の決勝大会に残れなかった人も、色々な人の発表を見て、大いに刺激を受けたと思います」と話し、途中暴言で物議を醸し出しているアメリカ大統領選指名候補争いをするトランプ氏の話に触れ、「トランプ氏は暴言で有名ですが、こうも言っています。『戦いに負けることによって、戦いに勝つ新しい方法を見出すことがある』。今回の行事でうまくいった人もいるし、思うようにいかなくて残念な経験、いろいろな経験をしていると思う、ぜひその経験から学習して今後の新しい道に活かしてください」と生徒全員に励ましの言葉を述べた。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2016.1.21
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