山梨学院パブリシティセンター

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姉妹校提携から15年。念願の交換留学
~初のサハリン大学留学生、山学大からも留学~
~日露両大学の「交流の架け橋」に期待が高まる~

山梨学院大学では、教育目標の一つに「自己実現を目指しつつ、地域社会・国家及び国際社会に貢献できる人間の育成」という一節を掲げ、毎年、各国から数多くの留学生・研究者を受け入れ、また、多くの学生・研究者を海外に送っている。現在、22大学と姉妹校提携や単位互換協定締結、学術交流協定締結、学生受入協定締結、交流協定締結などを行い、交流を図っている。昨年9月、ロシア・サハリン国立総合大学から初めて、2人の女子留学生を受け入れた。日露戦争後から第2次世界大戦終結まで日本の領土だったサハリン。2001年に山梨学院大大学院生と教授らが初めてロシア・サハリン総合大学を訪問。交流を深めた翌年、両大学で学生や教授の相互派遣をする姉妹校提携の協定を結んだ。2016年2月には山梨学院大からも初めて1人がサハリン国立大学に短期留学し、交換留学が実現した。これを機に両大学で日露の架け橋としての交流が盛んになると期待される。

昨年9月にロシアの極東サハリン(旧樺太)から2人の留学生が来校した。サハリンは間宮林蔵が半島ではなく島であること確認したことで有名。日露戦争後から第2次世界大戦終結までサハリンの南半分は「樺太」という名前で日本が統治していた。そのため、州都ユジノサハリンスクは統治時代の建物が残り、日本車も多く走り、スーパーでは日本食品が並ぶなど現在も日本との関係は深い。サハリンは第2次世界大戦終結直前、ソ連が侵攻し戦場にもなり、日本人のシベリア抑留、今なお解決されていない領土問題に繋がった地域だが、2001年、山梨学院大学大学院生と教授らがロシア極東地域を視察訪問した際、サハリンで友好的な歓迎を受け、サハリン国立総合大学では学生たちとも交流した。翌年の2002年、両大学で学生や研究者の相互交流を図るために姉妹校提携協定を結んだ。その後、教授らの学術交流は何度かあったが、留学生の交流は実現していなかった。現在、サハリン国立総合大学は積極的に日本各地へ毎年40名以上の留学生を送っている。昨年9月、姉妹校提携から15年。初めて2人の女子留学生が山梨学院大の門をくぐった。

カラシニコワ・アンナさん(山梨学院大学法学部 ロシア・サハリン総合大学4年 日本語・日本文化専攻 21歳 ロシア・サハリン州コルサコフ市出身 母親と本人の2人家族)。
アンナさんは「サハリンと日本は昔から関係が深かったので、日本語と日本の文化に子どもの頃から興味があった。高校生のときに日本語の授業を受けて、日本の文化に興味を持った。特に子どもの頃から日本のアニメと、大学に入学した時に芥川龍之介の小説を読んで以来今も読んでいます。」と話し、「自分の眼で日本を感じたい。日本語で話しをしたかった。古い文化より新しい文化が好きです。ロボットとかアンドロイドなど先進技術に興味があります」と語った。一方、クレンナヤ・エカテリーナさん(山梨学院大学法学部 ロシア・サハリン総合大学4年 日本語・日本文化専攻 21歳 ロシア・サハリン州ユジノサハリンスク市出身 両親、姉、本人の4人家族)は、「私は子どものころから絵を描くことが大好きで、日本文化の中では書道が絵を描くような技術の感覚があり、興味があります」と話した。さらに「日本文化を学んでいるが、それをつかさどる日本人の考え方や行動についてもっと知りたいと思った。私たちと違う考えをもった若い人に興味あります。日本人の本質を知り知識を深めたい」とそれぞれ留学のきっかけを話した。

現在、二人はサハリン国立総合大学が2007年に創設した日本語学科で、日本語と日本文化専攻で学び、日本語が堪能だ。半年間の短い留学生生活だが、アンナさんは山梨学院大での学生生活を、「留学して良かった。初めはすごく緊張し、心配しました。普通の日本人のための授業なので、出来ないと思いました。授業を受けてみて、ものすごく面白く、先生たちは優しいし、分らないところはすぐに教えてくれました。おかげですぐに分りました。私はたくさん友達ができました。友達は楽しく、何か困ったら、手伝ってくれて助かりました」。エカテリーナさんは「私も初め先生の授業が理解できるか不安でしたので簡単な授業を受けました。難しいところもあったが授業は全部面白かったです。いっぱいとは言えませんが友達は出来ました」と話した。将来は「ここで学んだことや日本語をもっと勉強して、通訳者や日本語教師など日本語に関係ある仕事に就きたい」と二人は希望を語った。

新千歳空港からサハリンまでは飛行機で僅か40分。何度か夏の北海道のキャンプ場でアルバイトをした経験もあるという若い二人には、日本は、身近な親しみやすい隣国として受け取られている。過去の負の記憶よりも、現在の日本の文化に興味があり、憧れが感じられた。

クレンナヤ・エカテリーナさんは2月4日に帰国。「もっと長くここにいたかった。もう一度山梨県に来たいです」。YGUのダンスサークルに所属するカラシニコワ・アンナさんは3月15日に行われる発表会に参加(予定)し、翌日16日に帰国する。「寂しくなると思いますが山梨と甲府と山梨学院大学が好きになったので、いつかもう一度戻りたいと思います」と二人は別れを惜しんでいた。山梨学院大学からは2月5日から4月2日までの予定で、女子学生1人がサハリン国立総合大学で短期留学を行っている。

山梨学院の2015年12月31日現在のデータでは、留学生は大学・大学院・大学院研究生・iCLA・短期留学生含め、留学生総数は324人、受け入れ国数は22カ国となっている。次世代を担う学生にグローバルな教育を提供する山梨学院大は、国際事業の拡大、多様化の充実発展をさらに進めている。ようやく始まった両大学の交換留学、彼らの経験が次に繋がり、さらなる両国の“交流の架け橋”になることを期待する。

文・カメラ(K.F) 2016.2.8