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山梨学院学術報告会2015
~教授陣が調査・研究活動の成果を学内外に発表~
~森幸也教授、名取貴光准教授が興味深いテーマで~

山梨学院生涯学習センターは、2月17日に大学・短大・大学院の教授陣が調査・研究活動の成果を発表する「山梨学院学術報告会2015」を開催した。これは教員が学会や研究会などで発表した学術論文などの研究成果を、学内及び学外を一般の方々に広く公表するもので、一昨年から始まった報告会は3回目の実施となった。今回の報告は教授、准教授の二人が受け持ち、最初に山梨学院大経営情報学部経営情報学科・森幸也教授が「音楽史と科学史の照応関係」のテーマで、音楽と自然科学の歴史に並行性があるとの報告を行い、続いて山梨学院大健康栄養学部管理栄養学科・名取貴光准教授が「食品成分による骨代謝調節と神経保護効果について」と題し、食品成分がもたらす健康との関係を報告した。会場になった山梨学院クリスタルタワー6階の生涯学習センター講義室には一般の方々や学生・大学教職員が出席し2人の興味深いテーマの発表に聞き入った。

冒頭の挨拶で永井健夫山梨学院生涯学習センター長は「本学には様々な分野の研究者や専門家が集まり、日々学術活動に励んでいます。その成果を通常は学会や研究会で発表していますが、その教員が取り組んでいる調査・研究を学内的にも一般市民の方々にも共有していただく機会を作ろうと報告会を行っています」と趣旨説明をした。司会進行は丸山正次法学部政治行政学科教授が務めた。

◆テーマは「音楽史と科学史の照応関係」

まず、音楽史と科学史の比較や進化論の歴史が専門分野の森幸也経営情報学部経営情報学科教授は「音楽史と科学史の照応関係」というテーマで報告を行った。最初に「私は作曲が趣味で、作曲をしているとモーツアルトとかベートーベンの古いスコア(楽譜)を研究するようになりました。そうすると音楽史などの歴史にも詳しくなるわけです。その中で専門的に研究してきた自然科学の歴史と音楽の歴史が色々面白いことに似ていることに気が付きました。なぜこんなにも似ているのかという比較も研究のテーマになった」ときっかけを話し研究報告に入った。報告では、『両分野に登場する人物の存在』や『音楽理論に内在する数学的構造』、『科学的発想に対する音楽の影響』、『宇宙や自然への科学的理解、音楽的表現への探求の共通する指向性』など、歴史の大局的変遷が科学史の歴史の大きな流れと音楽史の歴史の大きな流れが、互いに関連し対応していることをピタゴラス、ガリレオ、ニュートンなど科学史に著名な人物の研究・実験を紹介。音楽に対する関係性や作曲家のスコア(楽譜)、楽器の構造分析などを例に挙げ解説した。

◆テーマは「食品成分による骨代謝調節と神経保護効果について」

続いて、食品化学、神経科学、糖鎖生物学を専門分野に研究している名取貴光健康栄養学部管理栄養学科准教授のテーマは「食品成分による骨代謝調節と神経保護効果について」の発表報告をした。研究・実験している内容について「食事が生活の中で基本になっていると思います。人は食べないと生きていけません。最近は食べるという中に、機能性いわゆる健康に対する効果を求めています。今までは栄養としての食事が中心にあった。最近はそれに健康というものをプラスアルファにしていろいろな食品が開発され、特定保健食品、機能性表示の特産物を含めた表示などが出てきており、非常に大きな動きがあります。これらの研究者も多くなっています。その中の研究者の一人として話をします」と前置きした。まず、山梨県の在来農産物を中心に病気の予防に効果のある食品の機能性成分の実験データを示しながら報告が進められた。身近な桃、ぶどう、なす、大豆などにポリフェノールが多く含まれ、今回のテーマ『骨代謝調節(骨粗しょう症)』や『神経保護効果(アルツハイマー症)』への効果や抗がん作用や抗酸化作用があることがこれまでの研究で分ったと報告された。実験成果の話が中心に展開され、データを駆使した説明は、出席者にも記憶に残るような分りやすいものだった。

各報告者の発表後にそれぞれ質疑応答が行われた。興味深いテーマ発表にいくつもの質問がおよび、予定時間を超す報告会だった。

文(K.F) カメラ(平川大雪)2016.2.18
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