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山梨学院中「パーソナルプロジェクト2015」
~個人の興味・関心に従って選んだテーマを論文に~
~全校生徒から選ばれた9人が研究成果を発表~

山梨学院大学附属中学校は「パーソナルプロジェクト」全校発表会を2月19日、山梨学院ルネサンスホールで行った。山梨学院中学校が2014年度から進める新しい学校づくりの一環で改革の中心になるのが、教科の学習と並行して、学びの大きな柱となる「プロジェクト」という自主学習の積極的な取り組み。数人から十数人のグループに分かれて課題を探求するのが「チームプロジェクト」。1年から2年、3年間を通じて個人の興味・関心に従ってテーマを決め調査・研究をし、その成果を論文にまとめていくのが「パーソナルプロジェクト」。今回で2回目となる。この日は、クラス発表と学年発表で優秀と認められ、最終選考で各学年3人ずつ9人が選ばれ、各自がまとめたテーマを全校生徒250人の前で発表した。

山梨学院中が、取り組む新たな教育システムに国際バカロレア教育がある。その中で大事にしているシステムが「パーソナルプロジェクト」という世界標準の教育システム。1年を通じて、中学3年間を通じて、あるいは生涯学び続ける人間を育てる“Life Long Larner(
ライフロングライナー)”というIV教育にも繋がる教育。山梨学院中は、教育プロジェクトによって大学に行っても研究に繋がるような下地を今から作っていき、ここで学んだことを膨らませ、高校で大学へ進学するためのモチベーションへと高め、さらに大学の研究に繋げることができ、生涯学び続けて行けることを目指している。身近な「パーソナルプロジェクト」の目的としては、テーマを設定し十分な調べ学習や実験、開発的な活動を通して、自分なりの考えを論文にまとめる力を養うこととしている。

パーソナルプロジェクトは、4月に科学系、国語系、社会系、英語系など7系列の中から個人の興味・関心に沿ってテーマを自身で決め、計画書を基に調査・研究を進め、最終的な成果として論文の形にする。1年間で研究結果をまとめることも、同じテーマに2年、3年間を費やし取り組むも自由。自ら研究資料を収集したり、調査対象の現地に足を運び、聞き取りを行ったり、観察・実験をしてその結果をまとめ、様々な方法で修正を加えながら、完成させていく。今年度は2月6日に全校生徒250人がクラス内発表、2月10日に学年発表を行い、各クラス3人ずつの代表が各自の研究成果を学年全体の前で発表した。プロジェクト責任者の田中喜子教諭は「2年目になりますが、発表の仕方や内容に段階的な工夫が見られ余裕が感じられるようになりました。2,3年生は昨年の取り組みでお互いを見ての今年なので勝手が分かり上手くなっています。聞いている側も楽しめるものになっています。内容的には、例えば同じようなテーマがあった場合、生徒の多くは、自分が調べ、研究・発展させれば他とは違うものになり、オリジナルな報告書になるというプロジェクトの意味を理解しています。真剣に取り組んだ生徒ほど楽しめていると思います」と手応えを話した。

2月19日当日、この内から特に優秀だった各学年3人ずつ9人が、それぞれパワーポイントで作った資料をスクリーンに映し出し、全校生徒250人の前で発表を行った。

◆パーソナルプロジェクト最終選考9つのテーマ(発表順)

学年 氏名 系列 テーマ
1年 小林ほの香 科学系 タバコについて
1年 小槙 創 科学系 ぎりぎりのポケットサイズのラジオを自作する
1年 本間慈了 その他 蒸気機関車 ~ベストを探せ~
2年 内藤英理香 科学系 路地ぶどうを長くおいしく楽しむために
2年 箕輪岳弥 社会系 未来を創る10代の選挙権~民主主義の更なる成熟を目指して~
2年 山本真琳 社会系 発展途上国の問題解決に向けて ~フェアトレード~
3年 篠原朱里 科学系 きれいな水にするには
3年 平嶋友裕 社会系 関が原の戦い~西軍が100%勝つために~
3年 前西 俊 情報系 Rapsberry Piでつくるタブレット


発表後、山内紀幸校長は講評で「すごく楽しい時間でそれぞれ良い発表でした。9人の研究はいずれも汗をかいています。一番やってはいけないのはコピペして汗もかかずに、研究もどきをやることです。パーソナルプロジェクトの面白さは、本当にそうなのかと疑って、実際の自分の五感で知って試してみることが本当の研究の出発点です。ですから情報に溢れている時代だからこそ、地味だし、失敗だらけだし、辛いかも知れないですけど手間ひまかけて取り組むことです」とプロジェクトの意義を話した。発表者の一人箕輪岳弥さん(2年)は、10代の選挙権を多角的に考察した研究成果として『14歳からの選挙権』を、と独自の結論を発表した。「自分が興味もったことを調査するためにいろいろなところに出向き資料を調べ1年間かけ深く研究しました。その研究成果を皆の前で発表できることは面白いです」と話した。最後にもう一度田中喜子教諭に全校発表について聞いた。「今回は“絶対にこの子だ”と選定しずらいほどレベルが高かった。昨年よりも発表がスムーズで、初めての1年生がスクリーンの前に出て説明するなど思いませんでした。プレゼンそのものに対する理解が掴めてきていると思いました。聞く側の反応も良くて、こういうことで良いものを学んだ生徒が来年さらに良くしていってくれると感じました」と締めくくった。
後日、今日の発表の中から各学年1人ずつ表彰され、その1人に校長賞が贈られる。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2016.2.19