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山梨県産淡水魚、新たな甲斐サーモン試食会
~産官学連携「甲斐サーモンレッド」を発表~
~山梨学院短大生が試食用メニュー調理に協力~

山梨県と山梨学院短期大学の連携事業山梨県産淡水魚の消費拡大における「新たな甲斐サーモン試食会」が3月7日、山梨学院短期大学で開催した。食物栄養科栄養士コースの1年生12人が、試食会用に県産淡水魚・甲斐サーモンを材料に、昨年11月に行われた「淡水魚特産品コンテスト」で入賞したレシピ4品を基に調理に取り組んだ。今回は、山梨県水産技術センターが山梨県の特産品であるワインの醸造の時に残るぶどうの果皮を活用した餌を研究・開発、山梨県養殖漁業協同組合が新しい甲斐サーモンの養殖に成功した。山梨学院短大は、それを使った料理のレシピの開発を協力要請され、学生たちは日頃学んだ調理技術の腕を振るった。この日の試食会で山梨県養殖漁業協同組合が報道陣や関係者に、新たな甲斐サーモンの名称を「甲斐サーモンレッド」と発表、約40人の関係者が試食した。山梨県は地産地消に理解と関心を高め、考案したオリジナル料理のレシピを発信することで消費拡大を図る。料理のレシピ集は県民に向けて山梨学院短大のホームページに掲載される。

山梨県は、名水百選にいくつもの地域の水が選ばれ、ミネラルウオーターの出荷率日本一を誇る。その清冽な水で養殖される淡水魚の生産も盛んだ。ニジマスの生産量は全国3位、イワナ、ヤマメなどその他のマス類の産でも3位と上位を占めるが、養殖が盛んなわりに消費量が少ないのが現状。今回発表した「甲斐サーモンレッド」は、山梨県養殖漁業組合が更なるブランド力強化のため、山梨県の特産品のワインの醸造時に残るぶどうの果皮を粉末化し、餌に与え育成した新たな甲斐サーモンの開発に取り組んだ。山梨県養殖漁業協同組合の芳賀稔常務理事は「今までの甲斐サーモンは美味しさには定評があるのですが、これに山梨らしさを加えたらどうかということから始まりました。それで、山梨といえば赤ワインということから醸造時に出るぶどうの果皮を活用できないかと考え、山梨県水産技術センターに研究をお願いした」と経緯を語った。依頼を受けた山梨県農政部花き農水産課水産担当の平塚匡技師は「県の水産技術センターで平成24年、25年の2年間掛けて試験を繰り返し、良好な結果が得られ、山梨県養殖漁業協同組合に養殖に取り組んでいただいた。特徴は『成長が良くなる』『鮮度が向上する』『味もうまみ、コクが増し、雑味が消える』といった効果が見られた」と話した。

新たな甲斐サーモンの名称発表前に、短大1年生12人が春休みの1日を返上し、昨年11月に行われた「淡水魚特産品コンテスト」で入賞した4品のレシピ(「甲斐サーモンのアーリオオーリオ」「甲斐サーモンの春巻き」「甲斐サーモンのずんだ味噌焼きチーズのせ」「甲斐サーモンのタルタルカナッペ」)を、試食会用に調理した。名称発表は山梨県養殖漁業協同組合津野正康代表理事組合長が「新しい甲斐サーモンの名は『甲斐サーモンレッド』。赤ワインときれいな赤味をイメージするレッドです」と紹介した。挨拶に立った山梨学院短大赤井住郎学長は「地域の産業振興に本学が協力する機会をいただき、本当にありがとうございます。学生たちはいろんなアイディアを出しながら頑張っています。今後も要請をいただければ地域発展のため本学は協力いたします」と述べた。その後、関係者40人が試食を行った。調理を担当した山梨学院短大生も試食し、大柴克己さん(1年)「身がしっかりして美味しいです。海がないからこそ出来た味だと思います」。三森真生さん(1年)は「脂身が海外のものより少なく、さっぱりして美味しかったです」。丸山美保さん(1年)は「春巻きを作りました。生でもすいすい食べられ、揚げ物にしても脂っこくないので普通に食べられ美味しかった」とそれぞれ感想を述べた。依田萬代教授は「1%の果皮粉末を餌に混ぜて養殖することで、アスタキサンチン色素によって従来の甲斐サーモンよりも色鮮やかになります。学生たちは生でも、焼いても、揚げても美味しい甲斐サーモンを、上手に見た目のきれいさや特性を活かした調理に一生懸命に取り組んでいました。素晴らしい料理になりました」と学生を称えた。試食した関係者一同は「甲斐サーモンレッド」の料理に満足していた。

山梨県は新たに生まれた「甲斐サーモンレッド」を広く周知させるためにPR,消費拡大に向け、推進を図っていくとしている。山梨学院短大では、短大のホームページにレピシ集を掲載、さらに一人分の食材や栄養価、調理法がしっかり分るようにまとめた冊子を作るとしている。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2016.3.7
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