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競泳日本選手権 大会3日目
~鈴木聡美復活!100m平泳ぎでリオ五輪日本代表に~
~江原騎士、自由形リレーで山梨県男子初の五輪へ~

今今夏のリオ五輪日本代表選考会を兼ねた「第92回日本選手権水泳競技大会・競泳競技」大会3日目が4月6日、東京辰巳国際水泳場で行われた。山梨学院勢は午前中女子100m背泳ぎに瀬下茉利(3年)と酒井志穂(カレッジスポーツセンター研究員)、竹迫麻澄(OG)が出場、瀬下は予選敗退。酒井、竹迫は予選を通過し、夜行われた準決勝で竹迫麻澄が全体3位、酒井志穂が全体5位で明日の決勝戦に駒を進めた。女子200mバタフライは、熊本真季(3年)、大塚彩乃(2年)、加藤由佳(1年)の3人が出場したが、予選敗退した。昨日行われた男子200m自由形の予選・準決勝を勝ち進んだ江原騎士(OB)と女子100m平泳ぎで2度目の五輪を目指した鈴木聡美(OG)の決勝戦は、両種目とも短距離ではの迫力あるデットヒートで会場が歓声に沸いた。江原騎士が3位に入り、400mに続き個人種目での日本代表には届かなかったが、男子800m自由形リレーのメンバーに内定した。また、鈴木聡美は長い不振から復活、堂々の2位でゴールし、久々に輝く聡美スマイルを見せた。

今回の競泳日本選手権は、今夏のリオ五輪を想定して7日間の日程に、100mと200mの種目においては、予選、決勝の間に準決勝が盛り込まれる3レース方式で行われる。本大会は、世界と戦える選手を日本代表に選出するため、個人種目で優勝または2位以内に入り、派遣標準記録を突破しなければ代表に選出されない厳しい基準が設けられている。連日、五輪出場を懸けた激しい戦いに多くのメディアが駆けつけ熱い取材が繰り広げられている。

大会2日目のレースは、男子200m自由形に石橋翔(3年 千葉商科大附属高)と江原騎士(自衛隊体育学校)が出場。石橋翔はベストタイムを目指したが及ばず34位で予選敗退。江原は昨日の疲れを考慮する形で力を抑えた泳ぎで、全体5位で予選通過、準決勝に進出。夜の準決勝では、レース展開、タイムを決勝プランに設定し、全体3位で大会3日目の決勝に駒を進めた。一方、女子100m背泳ぎでは奥田百果(2年 愛知・小牧高)と鈴木聡美(カレッジスポーツセンター研究員)が出場。奥田は35位予選敗退、鈴木は全体5位で予選を通過、準決勝では2位とリオ五輪を射程圏内に捉えるタイムで決勝に進んだ。

◆2日目個人種目結果 4/5 東京辰巳国際水泳場

種目 氏名 記録 派遣標準 順位 備考
男子200m自由形 石橋 翔 1:52.45 1:46.10 34位 予選
江原騎士 1:47.92 3位 決勝へ
女子100m平泳ぎ 奥田百果 1:11.31 1:06.87 25位 予選
鈴木聡美 1:07.08 2位 決勝へ


大会3日目、女子100m背泳ぎ、女子200メートルバタフライ、女子200メートル個人メドレー3種目の予選と準決勝、昨日行われた男・女200m自由形、女子100m平泳ぎ、男子100メートル背泳ぎの決勝4種目が行われた。山梨学院勢は、準決勝で男子200m自由形の江原騎士(自衛隊体育学校)が全体の3位。女子100m平泳ぎ鈴木聡美(カレッジスポーツセンター研究員)が全体2位で共に決勝に進み、その五輪への思いを懸けた戦いの結果に注目が集まった。

◆江原騎士小さい体に巧みな技を身に付け、悲願の五輪切符を勝ち取る

自由形では小柄な江原騎士は大きく息を吐き笑顔を応援席に向け登場。3レーンの江原はスタート反応トップで飛び出すと、前半からパワー全開の江原スタイルで飛ばす。50mは隣の4レーンの萩野公介選手(東洋大)がわずかに早くターンすると江原がさらに加速して追う。100、150mは、1位で折り返すと最後の50m、5レーンのオリンピック経験者の松田丈志選手(セガサミー)が加わり3選手のデットヒートでゴールを目指すも、力をためていた萩野が徐々に2人を引き離しゴール。江原は松田と0.01差のほぼ同タイムで3位となった。江原は自己新に近いタイムを出したが選考基準の2位以内と派遣標準記録に届かず、この個人種目でもリオ五輪日本代表の夢は叶わなかった。しかし、1位から4位までの合計タイムがリレー派遣標準記録を上回り、4人が他の基準も満たしていたため、男子800m自由形リレーのメンバーとして五輪代表に内定した。江原騎士選手は「決勝は46秒台を出し、派遣標準を切れるような泳ぎをしたいと思い、自分の持ち味の前半から行くレースをしなければ絶対に無理だと感じていたので、前へ前へ一直線に進むことだけを考えていた結果、自分らしい泳ぎができて3番になり、リレー枠で内定することができたので本当にほっとする気持ちが大きいです」と、まずは五輪出場の悲願は達成した。江原選手の五輪出場は、山梨県・山梨学院大水泳部の男子では初めての快挙。「山梨に生まれ育って22年間、男子で初めて山梨から出られることは自分でも誇りに思いますし、これからは背負って立つのは、山梨からではなく日本代表ということになるので国民の皆さんに自分が勢いのあるレースを見せて、皆に勇気と感動を与えられるようになりたいと思います」。日本代表として世界に羽ばたく心意気を示した。

◆鈴木聡美、ロンドン五輪後の長いスランプから脱出。復活の狼煙を上げた

女子100m平泳ぎは前回のロンドン五輪で鈴木聡美が銅メダルを獲得した得意とする種目。前日の準決勝2位で決勝を決めた鈴木聡美選手はこう語っていた「やっと見えてきたかなと思います。決勝では、前半スピードのある選手が多いので、その中でも置いていかれないように、しっかり前半から競えるレースができたらいいなと思います。100m1本で行くつもりでこの4年間で鍛えてきたスピードを100mで出せるように明日の1本、本気の本気で臨めたらなと思います」と手応えを感じていた。レースは、言葉通り前半50mを早いピッチで果敢に攻め、1位で折り返すと、後半そのまま逃げ切りを図るも、隣のレーンの渡部香生子(早稲田大)が追い上げゴールまで分からない競い合いを繰り広げたがタッチの差でかわされ2位となった。その積極的な泳ぎが実を結び、派遣標準記録を上回る、うれしい2度目の五輪日本代表に内定した。鈴木聡美選手は「優勝できなかったのは少し悔しいですけど、その課題も改めて分かりましたし、リオのオリンピックでもう一度泳げるチャンスをいただきましたので、後半バテないでスピードアップできる泳ぎを目指せたらなと思います」と4年間苦しみ抜いて、ようやく復活の二文字を手に入れた喜びに、久しぶりの輝かしい聡美スマイルで応えた。

◆3日目決勝結果

種目 氏名 記録 派遣標準 順位 備考
男子200m自由形 江原騎士 1:46.89 1:46.10 3位 決勝
女子100m平泳ぎ 鈴木聡美 1:06.72 1:06.87 2位 決勝


大会3日目の山梨学院勢ほかの選手の成績は、女子100m背泳ぎで、今春卒業した竹迫麻澄(山本光学)が準決勝で全体の3位となり決勝へ。同じく酒井志穂(カレッジスポーツセンター研究員)が5位で決勝進出を決めた。瀬下茉利(3年 愛知・豊川高)は予選敗退。女子200mバタフライの熊本真季(3年 京都外大西高)、大塚彩乃(2年 東海大付属浦安高)、加藤由佳(1年 宮城・東北高)は予選敗退した。

◆3日目個人種目結果 4/6 東京辰巳国際水泳場

種目 氏名 記録 派遣標準 順位 備考
女子100m背泳ぎ 瀬下茉利 1:03.49 59.85 22位 予選
竹迫麻澄 1:00.84 3位 決勝へ
酒井志穂 1:01.02 6位 決勝へ
女子200m
バタフライ
熊本真季 2:15.02 2:07.82 32位 予選
大塚彩乃 2:15.35 36位
加藤由佳 2:17.59 45位


明日の大会4日目、予選種目は男子100m自由形、女子100m自由形、男子200mバタフライ、男子200m平泳ぎが行われ、夜に以上の種目準決勝、昨日行われた女子100m、女子200mバタフライ、女子200m個人メドレーの決勝戦が行われ、このうち山梨学院勢は、女子200m背泳ぎの決勝に竹迫麻澄と酒井志穂。男子100m自由形予選に甲斐耕輔(OB・ルスツリゾート北海道)、江原騎士、男子200mバタフライ予選に近藤克哉(3年 愛知・豊川高)、男子200m平泳ぎ予選に大谷走(2年 千葉・昭和学院高)の6人が出場する。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2016.4.6