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競泳日本選手権6日目、明日閉幕
~鈴木200平では、1枠の日本代表獲得できず~
~酒井200背で決勝に進めず、3度目の五輪挑戦も夢に~

今夏のリオ五輪日本代表選考会を兼ねた「第92回日本選手権水泳競技大会・競泳競技」大会6日目が4月9日、東京辰巳国際水泳場で行われた。10日までの7日間の激しい日本代表争いも、続々と各種目で五輪日本代表内定者が誕生、大詰めを迎えている。この日は、午前中に男子・女子50m自由形、男子100mバタフライ、女子200m背泳ぎ、男子1500m自由形、各予選が行われた。このうち山梨学院勢は、女子50m自由形に生田真結(3年 兵庫・市川高)が出場21位に。男子100mバタフライに小野川旭(4年 埼玉・正智深谷高)はキャップがずれるアクシデントがあり29位に沈んだ。男子1500m自由形に出場予定の江原騎士(OB・自衛隊体育学校)は棄権、もう一人の出場者・吉田峻也(3年 富山・富山商高)は29位で予選敗退した。女子200m背泳ぎに出場した酒井志穂(カレッジスポーツセンター研究員)は、100mは5位と、代表を逃がした雪辱をこの200mに賭け、予選9位で準決勝に進んだが決勝にはわずかに及ばず苦杯を舐めた。女子200m平泳ぎ決勝に鈴木聡美(カレッジスポーツセンター)が2大会連続五輪代表を目指し出場した。準決勝で手ごたえを感じて臨んだレースも上位に食い込めず6位。代表権は獲得できなかった。本日の予選で全種目が終了、明日最終日に本日の決勝が行われ大会全日程が終了する。

大会も7日間の期間中、6日目に入り連日熱いレースが繰り広げられてきた。本大会は、今夏のリオ五輪日本代表選考会を兼ねた大会で、世界と戦える選手を日本代表に選出するため、個人種目で優勝または2位以内に入り、派遣標準記録を突破しなければ代表に選出されない厳しい基準が設けられた。その代表権争いは、悲喜こもごものドラマを生み、見るものを圧倒的な感動で満たした。若い力が台頭し、ベテランが振り落とされる下克上の戦いが幾度なく展開されレベルの高い大会になった。

◆鈴木聡美ロンドン五輪銀メダルの種目で代表逃がす

大会6日目は、夜に行われた女子200m平泳ぎ決勝に鈴木聡美が登場。4年前のロンドン五輪でこの種目で銀メダルを獲得、日本中を虜にし、聡美スマイルに癒された。その後不振に陥り悩める時期が続いた。神田監督、スタッフの支えのもと、それを乗り越えようやく先日の100m平泳ぎで不死鳥の如く蘇り、2位で派遣標準を突破し、ロンドンに続き2度目の五輪の切符を獲得した。その勢いをそのままに挑んだ予選、準決勝では好調時の感覚が覚醒、「最近のこれまでの中で一番積極的でいい記録なんじゃないかなと思います。自分がどこまでいけるのかというのを挑戦する気持ちで決勝に臨みたいと思います」と挑んだ決勝戦。鈴木は攻めた。50mは準決勝とほぼ同タイム3位でターン。しかし攻める気持ちがはやるのか、ペースが上がらず100mではタイム、順位を下げる。終盤もペースを回復できず、6位でゴール。この種目での2大会連続の五輪日本代表はならなかった。鈴木聡美選手は「結構攻めたつもりだったんですけど、やっぱり心の中で、『このままじゃ、後半本当にだめじゃないか』という弱気の気持ちが出てきてしまったのは反省点ではあります。100mに重点を置いていたので100で代表に入れたというのは、非常に大きなことですし、自分の自信にもなりました。今後5月にジャパンオープンでは、50mも入ってきますので、しっかりスピードで狙いを定めて、五輪に繋げられたらと思います」とすでにリオ五輪を視野に入れていた。

◆酒井志穂、五輪代表3度目の挑戦も夢と消える

決勝の前に行われた準決勝に女子200m背泳ぎに酒井志穂(カレッジスポーツセンター研究員)が出場した。北京五輪では日本選手権の選考会3位で五輪行きを逃し、ロンドン五輪選考会では100、200mに2位、優勝と選考基準を満たしたが派遣標準記録にわずかに届かず、代表を逃した。3度目の挑戦となる今回の日本選手権での選考会では、大会3日目に100mで代表入りを狙ったが叶わず、涙を流し悔やんだ。必勝を胸に最後の望みを賭け200mに挑んだ。午前中行われた予選は難なく通過。酒井志穂選手は「100の悔しさを200にぶつけられれば準決勝で、さらにタイムが上げられると思う」と意気込んだ。準決勝2組目、スタートダッシュと50mのタイムは予選とまったく同タイム3位で折り返す。落ち着いて大きな泳ぎを心掛けるも100mで5位に順位を落とす。150mでは果敢な泳ぎで前を追い、順位4位に上げるも、最後の50m、必死に腕を回すがスピードが上がらず順位は組6位でフィニッシュ。全体の9位、あと1歩0.1秒足りず決勝進出を逃した。「力を抜いて泳いだわけではないですし、今出せる力はすべて出し切れたと思うので、素直にこの結果を受け止めるしかないと思います。結果は出ませんでしたけど、やってきたことは全ての経験を含め無駄ではなかったと思います」と北京から3度の五輪を『夢のオリンピック』と憧れ続け、今年こそは集大成と言い聞かせて臨んだ選考会も夢のまま終わった。

◆大会6日目個人種目記録 4/9 東京辰巳国際水泳場

種目 氏名 記録 派遣標準 順位 備考
女子50m自由形 生田真結 26.68 24.59 29位 予選
男子100m
バタフライ
小野川旭 54.39 51.64 21位 予選
女子200m背泳ぎ 酒井志穂 2:13.17 2:08.76 9位 準決へ
男子1500m自由形 吉田峻也 15:15.30 14:25.86 29位 予選
江原騎士     棄権
■準決勝種目
女子200m背泳ぎ 酒井志穂 2:12.73 2:08.76 9位 準決勝
■決勝種目
女子200m平泳ぎ 鈴木聡美 2:26.18 2:23.21 6位 決勝


今大会山梨学院勢は、延べ31人がエントリーし、29人(2人棄権)が出場。大学水泳部から21人(1人棄権)が出場したが、初日の男子400m個人メドレーで唯一西山雄介(2年 群馬・高崎商高)が決勝に進出しただけという低調な結果に終わった。本日行われた最後の予選日に登場した3人も本来の力を発揮できず、予選敗退した。神田忠彦監督は「水泳部員は、今大会に出場している先輩と同じことをやっているのだけど、やっぱり意識の違いということもあるし、まあ、頑張りが足りない。だめですね。大学生として自覚を持ってやっていかねばいけない。今のままでは難しい」と奮起を促した。

大会は、本日の予選で全種目が終了、明日最終日に本日の決勝が行われ大会全日程が終了する。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2016.4.9