関甲新学生野球春季リーグ戦(入替戦第1戦)
~山学は作新学院と対戦し1対2と勝ち切れず~
~先発・梅原好投するも打線のあと1本が出ず~
平成28年度関甲新学生野球春季リーグ戦1部・2部入替戦第1戦が5月28日、栃木・白鴎大学野球場で行われた。入替戦は2戦先勝方式で、1部最下位の山梨学院大は2部優勝の作新学院大と対戦。山学大は平成14年に1部に復帰して以来、1度も降格することなく14年間1部で戦い続けている。対する作新学院は平成26年春に2部に降格。両校ともに1部の座をかけて負けられない1戦となった。試合は、山学先発の梅原隆斗が7回途中まで8奪三振・無得点と好投。これを援護したい山学打線は、得点圏内までランナーを進めるもあと1本が出ず、4回まで零行進。山学は、5回表に先頭打者の9番・新井栄輝が2塁打を放つと1番・金城義の犠打と2番・金城章斗の犠飛で1点を先制。追加点を奪いたい山学だったが、7回裏に先発・梅原から継投した堀内友斗が相手打線につかまり2点を献上。山学は8回、9回にも追加点の決定機を作るも後続が続かず1対2でゲームセット。残留には明日の2戦目で勝利することが絶対条件となった。
関甲新学生野球リーグは、栃木・埼玉・茨城・群馬・新潟・山梨の各県の大学が加盟。前シーズンの成績をもとに1部から3部までのブロック制を採用し、春季・秋季にリーグ戦を実施し、各シーズン終了後に各部の入替戦を行っている。山梨学院大は、平成13年度秋季リーグ戦の1部2部入替戦で勝利し、平成14年度春季から1部に復帰。以来14年間降格することなく、1部の座を守り続けている。しかしながら、今季は、開幕戦で昨秋1部に昇格した新潟医療福祉大と対戦し2連敗を喫し、黒星スタート。その後、勝点を奪うことができず、2勝10敗の勝点0で最下位となった。一方の2部は、平成26年春に2部に降格した作新学院大が9勝1敗の勝率9割の成績で2部優勝(1部と2部では対戦方法が異なる)。1部の座を守りたい山梨学院と1部に復帰したい作新学院がお互いのプライドをかけて対戦した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
山梨学院 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 |
作新学院 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 2 | 0 | × | 2 |
山梨学院バッテリー 梅原(6回1/3・負け投手)〈安打3、四球3、三振8、失点2、自責点2〉・堀内(1回2/3)〈安打3、犠打1、三振1、暴投1〉-輿石〈盗塁刺1〉
【山学長打】枝川、新井、田村(2塁打)
試合は、山学先発の梅原隆斗(3年・山梨学院高)が7回途中まで8奪三振の好投で相手打線に付け入る隙を与えない。これを援護したい山学打線は、得点圏内までランナーを進めるもあと1本が出ず、4回まで零行進。試合が動いたのは5回表、先頭打者の9番・新井栄輝(4年・各務原高)がセンターに2塁打を放つと1番・金城義(2年・山梨学院高)の犠打と2番・金城章斗(4年・糸満高)の犠飛で1点を先制。追加点を奪いたい山学だったが、7回裏に先発・梅原が1死一、二塁となり堀内友斗(2年・笛吹高)に継投。堀内は最初の打者に左前安打を許し、1死満塁に。次打者を三振に打ち取ったものの、中前適時打と暴投から得点を許し、1対2と逆転されてしまう。なんとしても追加点を奪いたい山 学は8回表に代打・石川達弥(2年・富山第一高)の右前安打などで1死一、二塁、9回表には代打・田村陵(2年・玉野光南高)の中越二塁打などで2死満塁の決定機を作るも後続が続かずゲームセット。1対2と勝ち切れず入替戦初戦で黒星を喫してしまった。
試合後のミーティングで伊藤彰監督は「きょうの試合の重要性はみんなが分かっていた。先取点を取って、追加点を取って守り続ける。過去の春のリーグ戦では、入替戦の初戦で敗退。でもそこから意地を見せて2連勝。脈々と意地を見せ続けたチーム。ここからが本当の勝負、明日必ず勝って、明後日も必ず勝つ」と選手に語りかけ、さらなる奮起を促した。取材陣に対し「チャンスを作りながら、得点を重ねることができなかったのが反省点。先発の梅原は、低め、コーナー、緩急を使い分けながら、持ち味がしっかり出ていたピッチングだったと思います。堀内は本来のピッチングではなかったが、打線がもっと点を取ってあげなければいけなかった。過去に入替戦で初戦負けてから2連勝していますので、ここからが本当の勝負になると思います。4年生の意地も含めてチームの意地に期待したいです」と述べた。また、ゲームキャプテンを務めた秋山孝太選手は「今まで以上に全員で戦い抜くということを目標にして試合に入りました。攻撃の作り方は相手チーム以上だったと思いますし、梅原もナイスピッチングだったと思います。チャンスを作っておきながら、あと1本が出なかったのが、きょうのチームの悪かった点だと思います」と試合を振り返り、明日に向けて「戦う姿勢としては、全然悪くないですし、ゲームは負けてしまいましたが、相手チームにはいいプレッシャーもかけられたと思います。きょうのゲームの良いところを活かし、まず第一に、気落ちをしないことをチームに徹底し、明日につなげていきたいと思います」と語った。
1部残留にはまずは、明日勝つことが絶対条件となった。山梨学院は、同球場の第2試合で、1部の座を守るため、作新学院と入替戦2戦目を戦う。
文(Y.Y)、カメラ(今村佳正)2016.5.28