関甲新学生野球春季リーグ戦(入替戦第2戦)
~山学は作新との2戦目を2対10と大敗~
~1部残留が叶わず、今秋から2部に降格~
平成28年度関甲新学生野球春季リーグ戦1部・2部入替戦第2戦が5月29日、栃木・白鴎大学野球場で行われた。前日の第1戦で1対2で作新学院大に敗れた山梨学院大は同大と第2戦を戦った。試合は、先発・小林永人が2回表に本塁打や左前安打、犠飛などを浴び、作新が2点を先制。さらに4回表には2回途中から登板した西水達哉が四球と本塁打で2点を追加され西水はこの回途中降板。継投した堀内友斗は6回表に作新打線につかまり、中前安打や右越適時三塁打などで2点を失点。この後、梅原隆斗が継投し、犠飛でさらに1点を献上し0対7。奮起したい打線だったが、6回まで1安打と沈黙。6回裏に9番・新井栄輝のソロ本塁打で反撃の狼煙をあげるも、7回裏の1死満塁の場面で後続が続かず無得点。一方で作新打線は、最後まで攻撃の手を緩めず、9回表には3安打、2適時打で3点を追加し、計10得点の二桁得点。山学最後の攻撃は、三者凡退に倒れゲームセット。山学は1対10と大敗し、作新が先に2連勝したことで、2部降格が決定した。
1部2部入替戦は2戦先勝方式で、前日の第1戦で負けている山梨学院は、後がなく、勝つことが絶対条件となった。この日のナインは、故・高橋一三前監督から贈られたプルシアンブルー(濃紺)を基調としたユニフォームを着て大事な1戦を戦った。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
作新学院 | 0 | 2 | 0 | 2 | 0 | 3 | 0 | 0 | 3 | 10 |
山梨学院 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 1 |
山梨学院バッテリー 小林(1回2/3・負け投手)〈安打2、本塁打1、犠飛1、四球3、失点2、自責点2〉・西水(1回1/3)〈安打2、本塁打1、四球1、三振1、失点2、自責点2〉・堀内(2回1/3)〈安打2、四球1、暴投1、失点2〉・梅原(3回2/3)〈安打5、犠飛1、四球1、三振3、暴投1、失点4、自責点3〉-輿石・結城(許盗塁1)・丹代
【山学長打】新井(本塁打)、枝川(二塁打)
試合は、先発・小林永人(1年・笛吹高)が1回表を三者凡退に打ち取り、幸先の良い流れを作る。しかし、2回表に先頭打者にセンター方向への本塁打を浴びると四球や左前安打、犠飛などでこの回2点を先制され、2死満塁の場面で、西水達哉(2年・城西大附属城西高)に継投。西水は後続を内野ゴロに打ち取り、追加点を与えない。西水は3回も無失点に抑えたものの、4回表に、先頭打者に四球を与えると次打者にレフト方向へ本塁打を放たれ、この回途中降板。次のマウンドを、堀内友斗(3年・笛吹高)に託す。堀内は後続打者を抑えたものの、6回表に作新打線につかまってしまう。1死から中前安打、四球、右越適時三塁打で2点を失点。この後、梅原隆斗(3年・山梨学院高)が継投し、 犠飛でさらに1点を献上し0対7。奮起したい打線だったが、6回まで1安打と沈黙。このままでは、コールド負けの恐れがあったが、6回裏に先頭打者の9番・新井栄輝(4年・各務原高)がライト方向へ本塁打を放ち、試合を1対7とする。山学は、7回表の作新の攻撃を耐え、コールド負けを回避。新井の1発を反撃の狼煙とするべく、7回裏には4番・大下拓馬(3年・山梨学院高)や6番代打・新垣僚麻(2年・糸満高)の安打などで1死満塁の場面を作る。しかし、前日の第1戦と同様に大事な場面で後続が続かず無得点。一方で作新打線は、さらに追加点を奪うべく最後まで攻撃の手を緩めない。9回表には3安打、2適時打で3点を追加し、計10得点の二桁得点。山学最後の攻撃は、三者凡退に倒 れゲームセット。入替戦2戦目を1対10と大敗し、作新が先に2連勝したことで、山学の2部降格が決定した。
試合後、伊藤彰監督は「どんな状況であっても、どんな展開であっても2勝して1部残留、これが命題でした。敗因としては、チームとして点を取れなかったことと、大事な場面でこらえ切れなかったことの2つです。きょうの7回の場面に限らず、これまでのリーグ戦を通して言えることですが、大事な場面でしっかり繋いで点を取れるチーム、チャンスに1本が出せるチームにしていかなければいけないと思います。選手たちには試合終了の最後の礼を“終わりの礼”にするのか、もう1度1部に戻るための“始まりの礼”にするのかということの話をしました。2部で戦うにあたり、色々大事なことはありますが、精神的に強くなることと、点を取るバッティング、この2つを鍛えたいと思います」と語った。
今秋は平成13年秋以来15年ぶりに2部で戦うこととなった山梨学院大。平成13年度秋季リーグ戦では、2部優勝し、入替戦では新潟大を破り、1季で1部復帰を果たしている。この夏のトレーニングで一回りも二回りも精神的に強くなり、打撃にも磨きをかけ、たくましくなって2部で優勝を果たし、1季で1部に復帰することを期待したい。
文(Y.Y)、カメラ(今村佳正)2016.5.29