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山学小の児童が「寄席」を体験
~文化庁の文化芸術による子どもの育成事業~
~児童が舞台装飾や下座音楽、大喜利に挑戦~

山梨学院小学校は、児童が舞台装飾や下座音楽、大喜利などを体験し、落語や曲芸などを鑑賞する「寄席」の本公演を6月10日、山梨学院メモリアルホールで実施した。この本公演は、文化庁の「文化芸術による子供育成事業」として、子どもたちの発想力やコミュニケーション能力の育成、芸術鑑賞能力の向上などを目的に開催。5月には「寄席」に関するワークショップを実施し、落語鑑賞や落語のしぐさ体験、下座音楽、寄席文字などについて学び、興味・関心を深めてきた。この日は、全校児童約400名が参加し、“やまがく亭”と銘打って公演が企画され、代表児童が前座班、会場班、舞台班として公演を支えたほか、事前に小噺を作成し、大喜利の演目で発表を行った。また、落語や色物(紙切り・曲ごま)の鑑賞を行い、間近で繰り広げられる古典芸能の世界を楽しみ、寄席の魅力を肌で感じていた。
 
文化庁では、主催事業として「文化芸術による子供の育成事業」を音楽・演劇・伝統芸能などの文化芸術団体と協力し、全国の小・中学校で巡回公演事業などを行っている。この事業は、一流の文化芸術団体が、優れた舞台芸術を鑑賞する機会を提供することで、子どもたちの豊かな創造力・想像力や思考力、コミュニケーション能力などを養うとともに、将来の芸術家や観客層を育成し、芸術鑑賞能力の向上、優れた文化芸術の創造に資することを目的としている。山梨学院小学校では、昨年度、日本舞踊のワークショップや本公演を実施。今年度は、「寄席」のワークショップや本公演を企画し、5月11日には落語や下座音楽、寄席文字など「寄席」について理解を深めるワークショップを実施した。
 
この日は、5月のワークショップでの経験を踏まえ、本公演を実施。全校児童が参加し、代表児童が前座班・舞台班・会場班に分かれ公演を運営。会場班の児童はメモリアルホールをのぼりや幕、ポスターなどで飾り付けを行い、入場時の誘導や開演前のアナウンスを担当。前座班の児童は下座音楽の一つである開場を告げる「一番太鼓」を演奏。舞台班の児童は、高座の設営や大喜利の準備などを担当した。“やまがく亭”と銘打って行われた公演では、まず、春風亭柏枝さんによる落語や鏡味正二郎さんの色物(曲芸)が上演された。色物では、投げ物(お手玉)や五階茶碗、傘回しなどの曲芸が披露され、技が成功するたびに児童から歓声があがっていた。傘回しには代表児童も挑戦し、悪戦苦闘しながら技に取り組んでいた。また、上方落語の演目では、山梨学院創立70周年にちなみ林家染雀さんが“7”が入った落語「七度狐」を披露し、江戸落語とは異なる見台や小拍子を使ったテンポの良い話に児童らは聞き入っていた。仲入りの休憩時には、メモリアルホール入口ロビーで太鼓や三味線を実際に手に取って体験。中入り後の大喜利のコーナーでは、児童が考えた小噺の優秀作品を代表児童が発表し、会場から笑いを誘っていた。演目後半では林家二楽さんが紙切りを披露。ユーモアあふれる話と繊細なハサミ捌きにこの日一番の大盛り上がりを見せていた。トリを飾るのは春風亭柳橋さん。柳橋さんは古典落語の一つである「転失気」を上演し、児童らは情景を想像し、笑顔を見せながら楽しんでいた。最後に代表の児童が「僕は演芸や落語などが大好きです。落語や曲芸に触れる機会を与えていただき、本当に嬉しかったです。きょうは本当にありがとうございました」とお礼を述べ、これを受け柳橋さんが「素晴らしいご挨拶をいただき、ありがとうございます。初めて見る子どもたちがほとんどだと思いますが、落語や曲芸、紙切りなど色々なジャンルがあり、お話も色々な種類がありますので、これを機会に寄席というものに来ていただけると嬉しいなと思います」と述べ、本公演は盛況のうちに閉幕。児童らは、5月のワークショップや今回の本公演を通じ、古典芸能の世界に浸り、間近で繰り広げられる演芸を心から楽しみ、寄席の魅力を肌で感じ取っていた。

文(Y.Y)、カメラ(平川大雪、藤原 稔)2016.6.10