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●平成28年度全日本学生柔道優勝大会
~山学大女子が史上初の3連覇、通算7度目の優勝~
~新添左季、4戦連続の1本勝ちで優勝に貢献~

平成28年度全日本学生柔道優勝大会(男子65回、女子25回)が6月25日、東京・日本武道館で開幕した。1日目は女子の1回戦から決勝戦までと男子の1回戦の試合が行われた。女子は5人制と3人制の2部制。全国地域から35大学が参加した5人制に山梨学院が連続15回目の大会に臨んだ。2連覇中の山梨学院大(関東)は1戦・2戦・3戦目と順当に勝ち進み準決勝には、この大会で2度準優勝を挙げている最初の関門となる淑徳大(関東)と対戦、先鋒、次鋒と引き分け、中堅の新添左季(2年)が内股で一本勝ち。ようやく1勝を挙げ、続く副将、大将も引き分けこの1勝を守り接戦で勝利し決勝戦に進んだ。決勝の対戦相手は、4年前に3連覇を阻止された環太平洋大(中国四国)。試合は、先鋒の月野珠里(3年)が引き分け、次鋒の出口クリスタ(3年)が1本勝ちで先制したが、中堅の佐藤史織(2年)が1本負けを喫し五分になり、互いに譲らない行き詰る展開となった。次の副将の新添左季が再び内股で1本勝ち、リードした。決勝戦の大将に抜擢された1年生の岡田実咲(1年)が重圧に屈せず凌ぎ切り引き分け、2勝1敗2分けで優勝を呼び込んだ。山梨学院大は史上初の3連覇を達成。7度目の大学日本一に輝いた。4戦連続の1本勝ちで優勝に貢献した新添左季選手は優秀選手に選ばれた。

試合方法は、女子は5人制と3人制の2部制で行われ、山梨学院は5人制で出場した。5人の点取り式によるトーナメント戦で、各試合の配列は、先鋒・次鋒は57㎏以下、中堅・副将は70㎏以下、大将は無差別と決められている。

女子5人制の部は出場35校がAグループ(17校)Bグループ(18校)に分かれ各グループ1位によって優勝が争われた。Aグループの山梨学院大の1戦目は富士大(東北)と対戦、5勝0敗すべて寝技による1本勝ちで勝利。2戦目は近畿大(関西)に4勝1分けで勝利。3戦目準々決勝では初の1敗を喫したものの3勝1敗1分けで順当に準決勝に駒を進めた。準決勝の相手は、予想していた伝統校国士館大(東京)を破った淑徳大(関東)となった。淑徳大はこの大会2度準優勝を挙げている侮れない相手。前半でポイントを奪いたい山梨学院だが、先鋒の月野珠里(3年 愛知・大成高)と次鋒の出口クリスタ(3年 長野・松商高)が攻めきれず、引き分けで中堅の新添左季(2年 奈良・天理高)に繋いだ。新添は、2戦、3戦目でともに40秒以内の1本勝ちで技の切れを見せ、この試合でも期待を集めた。試合は序盤、積極的に技を仕掛け、相手もしぶとく粘りを続けるが、1分30秒計ったようなタイミングの内股が豪快に決まり、ようやく1勝を挙げた。続く副将の佐藤史織(2年 愛媛・新田高))と大将・蓮尾(2年 山口・西京高)は相手と激しい攻防を展開。勝ちは呼び込めなかったものの、引き分けに持ち込み1勝0敗4分けの接戦で勝利、決勝に進んだ。

■4戦目準決勝 《山梨学院大VS淑徳大 1勝0敗4分け》6/25 日本武道館

  先鋒 次鋒 中堅 副将 大将
山梨学院大 出口 月野 新添 佐藤 蓮尾
  引き分け 引き分け
一本勝ち
引き分け 引き分け
淑徳大 臼井 栗原 松尾 井上

決勝戦の前に、山部伸敏女子監督は控え室に選手を集め、円陣を組ませ眼を閉じさせ気持ちを集中させて言った。「しっかりやり切って、自分の力を出し切って終わりなさい。1位と2位とは大違いだぞ。歴史を変えろ。3連覇すると自分たちで決めたんだろう。絶対3連覇すると。歴史を作ると。攻めて攻める。攻め勝つぞ。自分の力を信じて出し切ろう」と選手を送り出した。

どーんと、大太鼓が響き渡ると日本武道館の決勝の舞台がひときわ明るくなった。山梨学院の決勝戦の対戦相手は環太平洋大(中国四国)。山梨学院が19回・20回大会で2連覇し3連覇を阻止された相手。また、環太平洋大が21回・22回と連覇し、3連覇を食い止めたのも山梨学院と、因縁のある関係。試合は、先鋒の月野珠里が引き分けると、次鋒・出口クリスタは、倒した相手を横四方固めに押さえ込み1本勝ちを収め先制した。中堅・佐藤史織は持ち味のスピードある技の仕掛けを繰り出し、責め続けるも一瞬のカウンターで倒され、横四方固めを決められ合わせ技の1本負けを喫し1勝1敗1分けの五分となった。優勝争いは続く副将と大将の勝敗にゆだねられ、2校の応援ボルテージも最高潮に達した。副将・新添左季は、今までの3戦で払い腰と内股2本を豪快に決め絶好調。決勝戦も最大の期待が寄せられた。開始早々繰り出し技が1本と思われたが無効になったものの会場を大いに沸かせた。それからも落ち着いて攻め続け、52秒、再び内股が炸裂、相手を畳に転がし山梨学院が1歩リードした。優勝の行方は、1年生ながら大事な決勝戦の大将に大抜擢された岡田実咲(1年 広陵高)にすべてを賭けた。山梨学院は勝つか引き分けでも優勝。相手は勝って同点にして代表戦に持ち込むか。両校の意地と誇りを懸けた互いに負けられない必死の攻防が続く。悲鳴にも似た応援と「逃げるな!前へ出ろ!」の激が飛ぶ中、最後まで死力を尽くした4分間の合図がなり、岡田実咲は引き分けに持ち込んだ。2勝1敗2分け。山梨学院が史上初の3連覇を達成、通算7度目の優勝に輝いた。勝利した瞬間、戦った選手、故障でサポートに回った長内香月主将、選手、会場から応援を続けた選手らは喜びを爆発させ、抱き合い、歓喜の涙を流して互いに優勝を祝った。

表彰式では、優勝に貢献した新添左季選手が優秀選手に選出された。新添左季選手は「チームに貢献できることがこんなにうれしいものかと思いました。今日は自分の得意技の内股がはまりました。3連覇でも自分は2年目なのでこれからも優勝を目指します。次は昨年取れなかった全国大学体重別大会の優勝で2冠を狙います」と次の活躍を誓った。

■決勝戦 《山梨学院大VS環太平洋大 2勝1敗2分け》

  先鋒 次鋒 中堅 副将 大将
山梨学院大 月野 出口 佐藤 新添 岡田
  引き分け
一本勝ち

一本負け

一本勝ち
引き分け
環太平洋大 廣木 小川 青柳 鈴木 井上

試合後、西田孝宏総監督は「今大会は歴史を作るとやってきまして、最後しっかり追い込んだ練習ができ、日本武道館に来ました。柔道部を創部したときにここまで来るとは思っていませんでしたので、感無量というか、学生たちに感謝したいという気持ちでいっぱいです」と目を細めた。山部伸敏女子監督は「競る試合だと予想していたのですけど、よくモノにしてくれたと思います。私は本人たちが3連覇という目標を決めたのだから責任持ってやれと言っただけです。それをやり遂げたのはすごいです。運もあったり、ツキがあったり、そういうのを含めて実力というかものにしないと」と選手の姿勢を評価した。故障で出場が間に合わなく、ポイントゲッターとしての役割を果たせなかったが、気持ちでチームを引っ張った長内香月主将は「選手としては出られなかったのですが、出場選手が一試合一試合ずつ勝ちにいく姿に頑張って欲しいという気持ちが強かったです。部員の一人ひとりもそうですし、先生方の勝ちたい、優勝したい、連覇したいという気持ちが他の大学よりも強かったと思います」と語った。長内主将や他の最上級生とともにチームをまとめてきた鶴岡来雪選手は「新チームになり自分たちが最高学年になって、少し不安な部分もあったのですけど、まとまって優勝できたので良かったです。後輩たちや同級生に囲まれて、本当に良いチームです」と笑顔で話した。出口クリスタ選手は「素直にうれしいです。冷や冷やしましたけど勝ててよかったです。準決勝は前(先鋒、次鋒)で2つ取って後ろを楽にさせるという作戦だったのですけど、本当に勝ち取らねばならない試合だったので新添に助けられました。課題が残る試合でした。この先も自分たちがいるときはもちろん、絶対に勝ち続けたいです」と決意を新たにした。

女子5人制の部は、優勝山梨学院大、準優勝環太平洋大、3位帝京大と淑徳大となった。25日は男子の試合は1回戦だけが行われ、山梨学院大は関西学院大にすべて1本勝ちの5勝0敗2分けで勝利し、26日の2回戦に駒を進めた。男子は近年の中で一番充実した布陣で上位を狙う。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2016.6.25

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26日男子の試合結果

昨日、初戦に勝利した山梨学院は、26日2日目に法政大と2戦目を戦った。試合は中堅まで4試合を0勝1敗3分けと先行されるも5将の春日良太(2年)、副将の渡辺大樹(3年)が続けて勝利し逆転した。大将の藤井靖剛(3年)は相手長身選手に手こずりながらも引き分けに持ち込み2勝1敗4分けで法政大を退け3戦目に進出した。西田孝宏総監督は、試合後に選手を集めて「闘志がない。闘志が見えない。あれだけ練習やってきたのに。自分たちがやってきたことに自信を持て。山学のプライドを持て」と奮起を促した。3戦目、國學院大戦に先鋒の佐藤天信(4年)が幸先の良い1本勝ちで先行した。次鋒、三将、中堅と引き分けで凌ぎ、五将の体重170kgの重量級の山中勇希(2年)が体重差70㎏との相手と対戦。相手の積極的な攻めに相手を上回る攻撃ができず、4度の指導を受け痛い1本負けで同点に追いつかれた。副将、大将が引き分け、1勝1敗5分けで代表戦にもつれ込んだ。代表戦は次鋒同士が戦い、後半に効果を奪われ必死に反撃を試みるも無常の終了ブザーが鳴り敗退となった。山梨学院は2年続けてのベスト8を上回る成績を目指し猛練習に取り組んだが、かなわずベスト16で涙を飲んだ。

西田孝宏総監督は再び男子選手を集めて、「今のうちの力がこの程度しかなかったんだろう。どこが足りなかったのか、よく考えて日常の稽古や打ち込み、生活とか、もっと改善するところがないか、怪我の防止や体調管理とか、もう一度見直してやらないと、また同じことの繰り返しになる。この結果は悔しくてしょうがない」と怒りを抑え、肩を落とした。

文(K.F)カメラ(平川大雪) 2016.6.26

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