●全日本大学ホッケー王座決定戦 準決勝戦
~女子、立命館大を攻め続け勝利。決勝戦に~
~男子は立命館大に敗れ3位決定戦に~
平成28年度「第35回全日本大学ホッケー王座決定戦」が6月30日に開幕し7月3日までの4日間の日程で大阪茨木・立命館ホリーズスタジアム、奈良天理・親里ホッケー場で行われている。北海道、北信越、関東、東海、関西から男女各12校が出場し、大学王座を懸けて争う。山梨学院大の女子は、昨年2年ぶりの優勝を飾り、今年は2連覇、通算6度目を狙う。男子は昨年3位から10年ぶり2度目。そして男女アベック優勝を目指した。男女ともにシード校で7月1日の準々決勝からの試合となり、女子は東京農業大に10-0で、男子は明治大に7-1で圧勝し、ともに7月2日の立命館大との準決勝に臨んだ。午前中行われた女子は、立命館大を終始山梨学院ペースで試合を進めたものの、最少得点差の1-0で勝利し、3日の決勝戦に駒を進めた。男子は前半、守備陣が乱れ相手にPC(ペナルティコーナー)で4失点。山梨学院もPCで2点返したものの挽回できずに2-4で敗れ、決勝には進めず、3日の3位決定戦に回った。女子の決勝は昨年同様、東海学院大と午後に行われ、男子の3位決定戦は法政大と午前中に行われる。
◆《女子の準々・準決勝の結果》
山梨学院女子は、昨年2年ぶりの優勝を果たした。今年は2連覇を目指し、大阪・立命館ホリーズスタジアムに乗り込んだ。第1シードの山梨学院は、7月1日の準々決勝からの出場となり東京農業大と対戦、相手を全く寄せ付けず10-0で圧勝。2日の準決勝戦に進んだ。対戦相手はホームグランドの立命館大。昨年この大会で3位、山梨学院は全日本学生ホッケー選手権大会(インカレ)では決勝戦で敗れている因縁の強豪チーム。試合開始の午前10時45分にすでに大阪の気温は約33度。うだるような暑さがスタジアムを包む。前半5分、山梨学院はPC(ペナルティコーナー)のチャンスを獲得するも得点ならず。その後も山梨学院ペースで試合が進み、再三のゴールチャンスを得るが相手の守備陣も粘り強く、得点に結びつかない。19分、9番FWの河村元美(3年 大阪・羽衣学園)が左サイドをドリブルで突破し、そのまま決めて待望の先取点を挙げた。一方、立命館大は30分、カウンターから飛び出した選手がGKの笹木美里(4年 滋賀・伊吹高)と1対1になるが、笹木は相手の動きをしっかり見極め、シュートをナイスセーブし、得点を防いだ。その後の試合展開を左右する大きなプレーだった。笹木美里選手は「自分ではそんなに焦りはなかった。でも、あそこで決められたら流れを持っていかれたかも」と振り返った。後半も山梨学院は攻め続け、シュートシーンが数多く見られたが、決めきれずそのまま1-0で勝利し、3日の決勝戦は昨年同様、東海学院大と対戦する。
※PC(ペナルティコーナー)
守備側のチームが、自陣サークル内での反則や、サークル外であっても22.9mラインからゴール側のエリアで故意に悪質な反則をした場合、反則した相手側のチームにペナルティコーナーが与えられる。(得点の入る確率が高いプレー)
平成28年度 第35回全日本大学ホッケー王座決定戦 女子準決勝戦 《山梨学院大VS立命館大》7/2 大阪・立命館ホリーズスタジアム |
||
---|---|---|
○ 山梨学院大 1 | 前半 1-0 後半 0-0 |
0 立命館大 ● |
得点 河村元美 1(山梨学院) |
試合後、学生で唯一リオデジャネイロ五輪の女子日本代表に選出されている9番MF河村元美選手は「シュートは自分らしいですね。あまりきれいなシュートは得意じゃないので」と苦笑い。「サークル内で強引に行き過ぎて、もう少し空いている人にパスしたり、余裕を持ってシュートできたらよかったです。明日は1点勝負になると思うので、しっかりチャンスを活かして、全員攻撃、全員守備でいきます」と話した。この試合、守備機会は少なかったが、大きなピンチを未然に防いだ3番GK笹木美里選手は「明日の相手は粘り強いチームなので簡単に勝たせてはくれない。自分たちの本当の力を出し切るだけです。前を向いて勢いに乗って自分たちのプレーをしたいと思います」と意気込んだ。ジョン・シアン女子監督は「あれだけ攻めて点が入らないのはだめですね。粘りのある相手に対してもっと点を取ることが明日の課題です。でも今日は、コーナーも取られてないし、シュートも打たれてないので、そのところを考えるとほぼ完璧に近い内容なんですけど。それがスコアに表れなかった。明日に取って置いたことにしましょう。明日はきっちり決めます」ときっぱり。
◆《男子の準々・準決勝の結果》
7月1日に行われた男子準々決勝は、昨年の全日本学生ホッケー選手権(インカレ)の決勝戦で対戦、勝って優勝を決めた明治大との対戦。結果は7-1と退け準決勝に駒を進めた。2日の準決勝は、女子と同じ立命館大と対戦。立命館大は前回大会では準優勝、山梨学院は3位に甘んじた。女子とのアベック優勝を目指す山梨学院にとって最初の関門。試合は午後2時、気温はさらに上がり35度。猛暑の中での戦いとなった。前半、激しい攻防を交わすが、若干立命館ペースで進む。攻め込まれる守備陣が防戦でPC(ペナルティコーナー)を与えピンチに。3度目のPCで先制点を献上すると、11分にもPCで2点目を入れられた。山梨学院もようやく13分に15番FB伊藤義一(4年 山梨・山梨学院高)がPCで1点を返した。山梨学院も徐々にペースを上げるが相手の守備も固く容易に崩せず、逆に再びPCを与え、3点目を与えた。山梨学院も相手陣営に攻め込み、こちらもPCで3番FB千葉健寛(2年 岩手・沼宮内高)が追加点を奪い3-2と追い上げるも、またも自陣の守備でPCを取られ4点目を奪われた。互いに相手に攻め込みを見せるも、PCの奪い合いとなり、守備のミスの多寡の差で前半を4-2で終えた。後半も互いに激しい展開を繰り広げ、ゴールチャンスをつくるも決め切れず、0-0のスコアで終了。前後半4-2で敗退、無念の3位決定戦に回った。3日に法政大と3位を争う。
平成28年度 第35回全日本大学ホッケー王座決定戦 男子準決勝戦 《山梨学院大VS立命館大》7/2 大阪・立命館ホリーズスタジアム |
||
---|---|---|
●山梨学院大 2 | 前半 2-4 後半 0-0 |
4 立命館大 ○ |
得点 伊藤義一 1 千葉健寛 1(山梨学院) 得点 大堀洋輝 4(立命館大) |
朝倉祐樹主将(4年 島根・横田高)は「立ち上がりに相手のペースに飲まれてしまった感じでミスが多かったのが残念です。コーナーの決定率がすごく高かったので守りも焦ってしまった。しっかりこの結果は受け止めて、また明日もあるのでしっかり切り替えて頑張ります」と言葉少なく語った。寺本祐冶総監督・部長は「前半でペナルティコーナーを取られ過ぎた。それも全部自分たちが安全に守ろうとして、そこを相手の勢いに押されたところがあり、守備のプレスを激しくしたところを相手もプレスをかけてきたので、守備が落ち着かなかったのかな。それとPCの確率が良かったということですね。向こうが一枚上手でした。明日は前期の集大成として全力を尽くして頑張ります」と話した。
3日の山梨学院男女は、午前中に男子の3位決定戦、午後に女子の決勝戦が行われる。女子は2年連続、6度目の優勝を目指す。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2016.7.2