山梨学院創立70周年記念コンクール
~各学校で校内コンクールを実施~
~優秀者を表彰し、成果を顕彰~
学校法人山梨学院は、2016年6月3日に創立70周年を迎え、これを記念し、各設置学校で校内コンクールを実施し、優秀作品等を顕彰した。コンクールは各設置学校が任意で実施し、大学(iCLA)と中学校、小学校が企画・実施。iCLAでは、山梨の歴史や文化、自然などをテーマとした写真コンクールを行い、中学校では、昨年度のパーソナルプロジェクトの研究からエントリーを募り、優秀者を選定。小学校では、今年度のスポーツフェスティバルのテーマ「戦国」にちなみ、オープニングに使用する「題字」と当日着用するTシャツデザイン原画のコンクールと小学校の好きなところをテーマに作文コンクールを実施した。それぞれの最優秀者・優秀者には、表彰状が贈られ、最優秀者には副賞として山梨学院統一マスコット「アルティ&ベッキー」のぬいぐるみと山梨学院オリジナル図書カードが添えられた。
■大学(iCLA)写真コンクール
iCLAでは、山梨の歴史や文化、自然などをテーマとして写真コンクールを行い、作品を募った。審査の結果、フィンランドからの交換留学生のサンポサロ・ヨーナスさんの甲府盆地に差す太陽と雲の影を描写した“Sunbeams Dancing Over the Kofu Basin”が受賞した。
(写真コンクール受賞作品)
ヨーナスさんは受賞について「正直に言えば、かなりびっくりしましたが嬉しかったです。夕焼けに染められている富士山の写真を撮ろうと思っていましたが、曇が出ていて無理でした。しかし、雲を突き抜ける光を見て、新しいチャンスが見えてきたので、それに集中して写真を撮りました」と語り、「せっかく写真を撮るために山の上に登ったからには、いい写真を撮りたかった。ピントが合っているか、合っていないか、配置がいいか、よくないかというふうなことに気をつけて撮影しました」と苦労を述べ、将来は「新しくて面白いことを生み出すのができる仕事を見つけたいと思います」と目標を語った。
iCLA表彰式アルバム
■中学校研究コンクール
中学校では、昨年度実施した課題探求型の教育プロジェクト“パーソナルプロジェクト”の研究成果の中から、エントリーを募り、コンクールを実施。パーソナルプロジェクトは、科学系、国語系、社会系、英語系など7系列の中から個人の興味・関心に沿ってテーマを自身で決め、計画書を基に調査・研究を進め、最終的な成果として論文の形にするもの。審査の結果、最優秀賞1名、優秀賞3名が表彰された。
【最優秀賞】内藤英理香(中学3年)
「露地ブドウを長くおいしく楽しむために」
<概要>
自宅で行なっている露地ブドウ栽培の収穫時期が短期間に集中してしまうことに着目し、無種子化や果粒肥大促進、熟期促進に使用するジベレリン処理の時期を変えることにより、収穫期間を長くすることができるか研究した。調査方法は、2回行なうジベレリン処理について、1回目の時期と2回目の時期をそれぞれ変えた6パターンを設定し、5月の開花時期から8月の収穫まで、各パターンのブドウにおける糖度の変化や房の大きさについて、生育の記録をとった。その結果、糖度や房の大きさは通常どおりの出来でも、収穫時期が1~2週間早まるもの、逆に遅くなるパターンがあることを把握することができた。
内藤さんは「本当に驚きました。他の人たちの研究もとても高度な内容で真似できないものだったので、まさか自分が選ばれるとは思っていませんでした。それでも長い期間取り組んだプロジェクトなので、とても嬉しく思います」と喜びを語り、「まったく新しい発見や研究は自分には難しすぎるので、とにかく身近なところでの疑問や困ったことを自分なりに追求しようと思いました。答えが分からないので、どのような条件や基準で実験を行っていくか決めるだけで大変でした。また、一貫して観測・記録したりそのデータをまとめるのも苦労しました」とプロジェクトでの苦労を語り、将来について「具体的には決まっていませんが、科学、中でも生物について追及したいです」と目標を述べた。
【優秀賞】前西 俊(高校1年)
「ハイエンドオーディオ」
<概要>
スピーカーという、電気信号を物理振動に変えて、音を生み出す機械について基本的構造を研究し、更に、ハイエンドオーディオと呼ばれる高性能なスピーカーの自作を追求した。自分の好みの音を実現するため、スピーカーユニットの選定、エンクロージャー(スピーカーの箱)の設計を研究した。材料調達では、秋葉原で中古のユニットを手に入れたり、地元ホームセンターで正規品の代用になる安い材料を調達するなど工夫をし、自作のスピーカーを完成させた。
【優秀賞】箕輪岳弥(中学3年)
「未来を創る『10代の選挙権』~民主主義の更なる成熟を目指して~」
<概要>
平成27年6月「改正公職選挙法」が成立し、選挙権年齢が18歳に引き下げられた。しかし、自分たち中学生には選挙権が与えられないのはなぜか?という疑問から、日本における選挙権獲得の歴史や、諸外国の選挙年齢やその投票率を調べ、「14歳の選挙法改正案」として、次のように発案した。
①日本国民で年齢満16歳以上の者は、選挙権を有する
②日本国民で年齢満14歳以上の者は、二分の一選挙権を有する
これにより超高齢社会の日本でも若い世代の声が政治に届くようになれば、政治への関心が高まる。また、14・15歳は二分の一選挙権とし、学校教育において選挙や政治について学びながら投票の体験をすることで、政治的成熟度を高められ、その後の投票率も高まるだろうと結論づけた。
【優秀賞】山本真琳(中学3年)
「発展途上国の問題解決に向けて~フェアトレード~」
<概要>
現代のグローバル化が進んだ世界経済は、自分の住む世界から遠く離れた第三世界をも巻き込んだ複雑な関係で成り立っている。開発途上国の人々の暮らしを聞くにつれ、そのような複雑な関係の中で生産者と消費者はどのようにつながることができるのかという疑問をもち、「フェアトレード」という活動を通して考察した。実際にフェアトレードで働く方に話を聞いたり、「第三世界ショップ」というフェアトレードに取り組む店の取り組みについて調べた。フェアトレードでは、開発途上国の原料や製品を適正な価格で購入し、生産者や労働者の生活改善と目指すことができる。しかし、フェアトレードの商品を買い「いいことをした」と満足を買うのではなく、大切なことは、その商品の背景にある物語を読み解くことであると結論づけた。
中学校表彰式アルバム
■小学校スポーツフェスティバル「題字」コンクール
今年度のスポーツフェスティバルのテーマ「戦国」にちなんだ、「題字」コンクールを実施。審査の結果、6年生の志岐真歩さんの作品が選ばれた。優秀作品の題字は、オープニングの演出やポスター、プログラムや当日着用されたTシャツのデザインとして使用された。
(題字コンクール受賞作品)
最優秀賞の志岐さんは「提出した時は、他にも上手な子がいるので、賞を取れるかという不安もありました。廊下に(結果が)貼り出された時はとてもびっくりして嬉しかったです」と喜びを語り、「ポスターやプロジェクションマッピングに使用されることを意識して、迫力のある力強い作品にしたいと思いました。行書や草書を書くのが初めてだったので、最初はとても苦労しました。家で何回も練習してコツをつかみました。「戦国」という二文字のバランスを考えたり、「国」の太さや大きさなども考えて書きました」と苦労した点を語り、将来の夢について聞くと「大きな病院で助産師になりたいです」と答えた。
■小学校スポーツフェスティバルTシャツデザイン原画コンクール
今年度のスポーツフェスティバルのテーマ「戦国」にちなんだ、Tシャツデザインの原画コンクールを実施。審査の結果、5年生の末木優衣さんの作品が選ばれた。優秀作品の原画は、当日着用したTシャツのデザインとして使用されたほか、オープニング演出やポスター、掲示物などで使用された。
(Tシャツデザイン原画コンクール受賞作品)
最優秀賞の末木さんは「エントランスに人が沢山いたので“何だろう?”と思って近づいたら私の名前と描いた絵があって、その横には「最優秀賞」と書いてあったのでびっくりしました」と喜びを語り、「描くたびに色々と工夫をして、一つのまとまった作品ができました。炎の所はただの炎だとつまらないので、ちょっとアレンジをしてみました。「YGES」と70周年の「70」を入れてみました。また、武士の顔を描いたらみんなに「かわいいおじさんだね」と言われたので強そうな武士にしようと目を太く、りりしく書きました。家紋の使用は禁止されていたので、軍配には校章を入れてみました」と苦労した点を語り、将来は「色や物の作りがどうなってできているのか凄く興味があるので、例えば文房具デザイナーや衣装のデザイナーになりたいです」と夢を語った。
■小学校作文コンクール
2年生から6年生を対象に校内作文コンクールを実施。「山梨学院小学校の好きなところ」をテーマに作品を募集し、最優秀賞には、夢があふれている山学小が好きと作文に綴った4年生の木下由香子さんが選ばれた。この他、優秀賞は長谷川星奈さん(6年)、馬場比奈子さん(5年)、井澤萌果さん(3年)、水越葡乃さん(2年)がそれぞれ受賞した。最優秀賞の木下さんは「とても嬉しかったです。山梨学院小のみんなには夢があるからいいなと思って書きました」と受賞の喜びを語り、自身の将来については「みんなに自分がデザインした服を着てほしいから、デザイナーになりたいです」と夢を語った。
小学校表彰式アルバム
文(Y.Y)カメラ(フジハラ写真館、Y.Y)2016.7.4