全国高校野球選手権山梨県大会 決勝
~山学高5年ぶり6度目、歓喜の優勝~
~王者東海大甲府を粉砕、山学らしさの勝利~
「第98回全国高校野球選手権山梨大会」決勝戦が7月24日、甲府市・山日YBS球場で行われた。山梨学院高校は、昨日の準決勝で日本航空高に7回コールド勝ちして5年ぶりの決勝に進み、夏の大会3連覇を狙う東海大甲府高と対戦した。菊池大輝、松葉行人両エースを擁する東海大甲府に今大会打撃好調の山梨学院打線がいかに挑むかが注目された。試合は、東海大甲府の先攻で始まった。山梨学院は、この大会3度目の先発左の吉松塁(2年)にマウンドを託した。1回表、吉松が先頭打者に死球、続く打者に四球、牽制悪送球などで2・3塁のピンチによく耐え無得点で終えた。山梨学院は2回裏、瀧澤虎太朗主将(3年)の中前打をきっかけに、7番・小林侃太(2年)の適時安打で1点を先制した。この回さらに1点を追加、この日も試合を優位に進める。東海の菊池投手は球に切れがなく、3回から松葉に救援を仰いだ。吉松は2・3回も制球が悪くピンチを凌いできたものの、4回先頭打者を四球、犠打で進塁を許し、後続打者に4本の安打を浴び4点を献上、逆転された。その裏、1死から松尾の左前安打を足がかりに、4回途中から吉松を救援した栗尾勇摩(2年)が右前適時安打で1点、相手の失策もあり満塁に、1番・土田佳武(3年)の右中間適時二塁打で3点を返し再逆転に成功した。6回表には、2死から四球と盗塁、中前適時安打で1点差に詰め寄られたものの、その裏にも安打、四球、犠打で走者を貯め、2番・宮下塁(3年)が左中間適時三塁打で2点、その後瀧澤の左越え2点本塁打とそつのない試合運びでこの回5点を奪い試合を決定付けた。その後も打線は効果的に繋がり、7回に2点を加えた。栗尾に継投してから5回以外は走者を背負う状況だったが、栗尾が要所をしっかり締め12対5で山梨学院が5年ぶり6度目の夏の県大会優勝を果たし甲子園の切符を手にした。
初戦で16安打・19点、2戦目を21安打・28点で大勝。3戦目も10安打11得点。準決勝までの3試合で計47安打58得点の脅威の打撃ですべて5回コールドと勝ち上がった。準決勝も日本航空高相手に打線が爆発10安打7得点、7回コールドと4戦2桁安打、全てにコールド勝ちの強さを見せ付けた。決勝戦の東海大甲府戦には、吉田監督も瀧澤主将も王者の胸を借りるつもりで全力で自分たち野球をやるだけと平常心を装っていたが心の中には自信がみなぎっていた。
試合は、東海大甲府高の先攻で始まった。山梨学院高は、この大会3度目の先発左の吉松塁(2年)にマウンドを託した。1回表、吉松が先頭打者に死球や続く打者に四球、牽制悪送球などで2・3塁のピンチを招いたが、ここをよく耐え無得点で終えた。山梨学院は2回裏、瀧澤虎太朗主将(3年)の中前打、1死後6番・松尾孝太(2年)も安打で続き、7番・小林侃太(2年)の適時安打で1点を先制した。次打者の吉松塁(2年)の一塁ゴロを相手が失策し、2点目入れた。東海大甲府のエース菊池大輝投手は前日9回を投げ切った疲れからか球に切れがなく、3回からWエースの松葉行人投手に救援を仰いだ。吉松は2・3回も制球が悪くピンチを凌いできたものの、4回先頭打者を四球、犠打で進塁を許し、後続打者に4本の安打を浴び4点を献上、逆転された。その裏、1死から松尾が左前安打、四球を挟み、4回途中から吉松を救援した栗尾勇摩(2年)が右前適時安打で1点、相手投手の失策もあり満塁に、1番・土田佳武(3年)の右中間適時二塁打で3点を返し再逆転に成功した。6回表には、2死から四球と盗塁、中前適時安打で1点差に詰め寄られたが、相手の反撃もここまで。その裏に栗尾の安打を足がかりに四球、犠打で走者2・3塁となり2番・宮下塁(3年)が左中間適時三塁打で2点、その後瀧澤の左越え2点本塁打でこの回一挙5点を奪い試合を決定付けた。その後も打線は効果的に繋がり、7回に2点を加えた。栗尾に継投してから5回以外は走者を背負う状況だったが、栗尾が要所をしっかり締め12対5で山梨学院が5年ぶり6度目の夏の県大会優勝を果たし甲子園の切符を手にした。試合終了後ベンチ前に集まった部員は歓喜の輪を作り喜びを爆発させた。3塁スタンドに陣取った、多くの応援団に優勝の感謝を表した。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
東海大甲府 | 0 | 0 | 0 | 4 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 5 |
山梨学院 | 0 | 2 | 0 | 4 | 0 | 5 | 1 | 0 | × | 12 |
山梨学院
[投手]吉松4回2/3→栗尾5回1/3[捕手]五十嵐
吉松 安打4 四死球5 三振3
栗尾 安打5 四死球2 三振5
[打撃] 安打16《本塁打1:瀧澤 三塁打1:宮下 二塁打2:土田1・広瀬1》
四球4 三振1
[交代] 松尾→(左)小林勇 土田→(H・右)西村 小林侃→(一)青野
試合後、吉田洸二監督は「うれしい。むちゃくちゃうれしい」と喜びを表現した。「70周年は学校にとって大きなイベントなのでそこで優勝できたことは素直にうれしいです。山学のバックアップはすごいのでこれほど貢献できて本当にうれしく思います。優勝は普段の力が出せたことです。甲子園では山学らしく伸び伸びした試合をしてきます。楽しみです」と気持ちを高揚させた。チームをまとめ、打撃でも牽引してきた瀧澤虎太朗主将は「実感が沸かないというか信じられないというか、やっとここまでこられたんだと思いました。自分たちがしてきたことは間違ってなかったという気持ちで、一番自信があったバッティングが5試合とも機能でき良かったです」と喜びを噛み締めた。投打で活躍した栗尾勇摩投手は「準決勝から気持ちを入れることだけはずっと考えていたので全部出せて良かった。打撃の方は、自分はバットに当てるという気持ちでやったらいい結果に繋がりました。打撃のチームですけど打撃陣が打てないときに守備陣が我慢できるかということが大事だと思うので、そういうときにピッチャーが粘り強く、4人全員で勝っていこうと思います。」と話した。逆転された裏に再逆転の二塁打を放ち勝利に貢献した土田佳武選手は「甘く入ってきたスライダーで逆らわずに打てたのが良かったです。甲子園では1番の役割をしっかりこなしてチームに勢いをつけられるように頑張ってきます」と意気込みを語った。1点差に追い上げられた6回に突き放す2点適時打を打った宮下塁選手は「本当にうれしいです。チームに貢献できればという気持ちで打ちました。甲子園ではチームが打撃好調なのでその打撃を甲子園でも見せられたらと思います」と話した。椙浦光副主将(3年)は「本当に感動しました。自分は3塁コーチと代打しかチャンスがないと分かっているので自分の仕事を全力でやることを考えて頑張りました。もう憧れの舞台なので暴れてきたいと思います」と話した。
3塁側内野スタンドを埋めた山梨学院応援団。決勝の応援の中心になったのはベンチ入りできなかった選手や応援団部、チアリーダー部、約100人の部員を率いた吹奏楽部、保護者、卒業生、OB、教職員、高校全校生が一丸となり声を枯らし選手たちを励まし続けた。応援の指揮を取った二人の応援団部(左・田中ともか団長、右・深澤菜月副団長)の田中ともかさん応援団長(2年)は「スタンドを盛り上げて選手たちが少しでも頑張れればという気持ちで応援しました。最高にうれしかったです。選手たちが頑張ってくれたというのと、スタンドを一体に出来たという気持ちがうれしくて、胸がいっぱいです」と話すと深澤菜月副団長(2年)も「全校生徒が野球部を応援したいという気持ちが伝わってきて自分がその中で山梨学院の一員となれたことがすごくうれしかったです」と話した。チアリーダー部の樋口実紅部長(3年)チアリーダー部の樋口実紅部長(3年)は「すごくうれしくてチア部全員で喜びました。泣いてしまいました。甲子園に行けるように選手たちに私たちの応援が届くように大きい声を出して頑張りました。今まで以上に大きい声を出して山梨学院のチアリーダー部が恥ずかしくないように応援します」と気持ちを新たにした。
山梨学院高野球部は4季連続ベスト16という低迷期を涙が出るほどの猛練習で心技を強化し、特に打撃の改造を行い、もう一度チームづくりを構築してきた。その成果が春大会での4強という結果に表れた。その後も貪欲に課題に取り組み、ついに今大会では5戦で73安打・77得点という数字を残した。今日の決勝戦は、今大会でも優勝校筆頭に挙げられていた東海大甲府高の県勢初の7季連続優勝と3年連続甲子園出場を阻止し、山梨学院は5年ぶり6度目、悲願の“頂点”という栄冠を手にした。全国大会は8月7日、阪神甲子園球場で開幕する。
文(K.F) カメラ(平川大雪・藤原稔) 2016.7.24