山梨学院パブリシティセンター

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第98回全国高等学校野球選手権大会 甲子園練習
~「 行くぞ!」「 ヨッシャー!」32名の雄姿 ~
~5試合77得点山梨県新記録の打法にぶれなし~

第98回全国高等学校野球選手権大会の甲子園練習が8月2日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で行われた。山梨学院は樟南高校(鹿児島県)、聖光学院高校(福島県)の後、午前9時30分から甲子園練習を行った。選手は練習開始のサイレンとともに、瀧澤虎太朗主将の「行くぞ!」という掛け声に、32名の選手が一斉に「ヨッシャー!」と声を出し、元気良くダイヤモンドに雄姿を見せた。
吉田洸二監督は「選手たちは思ったより落ち着いて、普段通りの動きができていたので内心ほっとした」と胸を撫で下ろす。守備面では「1番気になっていたのはスローイング。得てして、甲子園という所では、捕球ミスより送球ミスが多い。練習ではスローイングを念入りにチェックしたが、ミスが少なかったので良かった」と、山梨県大会5試合3失策の堅守は甲子園でも健在。打撃練習は「山梨県大会そのままの、近くにボールを引きつけて打つバッティングができている」と頷く。5試合77得点山梨県新記録を打ち立てた打法にぶれはない。投手陣は「ホームが近くに感じると、栗尾・宮内ともに気持ち良く投げていた。吉松は立ち上がりこそ落ち着いて投げられなかったが、すぐ修正し本来のピッチングをしていたので心配はない。これで投手の起用についてのバリエーションがつけられる。後は4日の抽選会の結果を見て、投手起用を考え決定したい」と2年生投手の三羽ガラスに目を細めた。山梨学院は投打がかみ合えば上位を狙えるチームだけに期待したい。

【甲子園練習】
兵庫県は午前9時現在、高気圧に覆われて甲子園球場も、曇り一時晴れ、気温28.9度、湿度80%、風向東北東、風速1m/s。
山梨学院は、30分間と限られた時間をシートノック、フリーバッティング、投手練習と手際良く行った。
シートノックでは、各選手が守備位置につき、内野手・外野手・捕手・投手の捕球・送球練習、また外野手と内野手の中継プレー、外野手から内野手へ、そして捕手への連続送球プレー、また甲子園特有の外野フェンスのクッションボールの処理など、守備練習を入念に行った。

フリーバッティングでは、バッティングピッチャーの先発で左腕・千葉稜河(3年)がマウンドに立った。千葉は「右打者の土田佳武(3年)にストレートを投げ込んだ。各バッターとも、甲子園を楽しんで、気持ち良く打ってくれた。自分も楽しみながら、思う存分ストライクゾーンに投げ込めた。本番でも楽しんで打ちまくってもらいたい」と打撃陣にエールを送る。右腕・安本昌祥(3年)は「右打者の手島涼(3年)から登板。マウンドに向かうまでは緊張したが、マウンドに立つと緊張を嬉しさが上回り、ストライクが投げれた。皆んな気持ちが入って、確りバットが振れ安打していたので、いい投球ができたと思う。あとは、メンバーがこのまま調子を維持して本番に挑んでもらいたい」と深く頷いた。
ランナー、一・二塁からチーム初打席に立ったのは、切り込み隊長の土田佳武(3年)。土田は「初の甲子園打席に入り、力みストレートを引っ掛け6-4-3のゲッツーで打ち取られた」と苦笑い。力んだ分だけポイントがずれた。「やはり、力んではダメ」と小さく頷く。「これで本番は迷いなく、平常心で臨める。本番では一番打者として必ず出塁する」と甲子園初打席を糧した模様。打撃練習に臨んだ選手たちは、甲子園球場にそれぞれが快音を響かせ清々しい顔で打撃練習を終えた。

投手練習では、一番手でマウンドに上がったのはエース右腕・栗尾勇摩(2年)。栗尾は「今までで、一番投げやすいマウンド、しっくりきた」と声を弾ませた。投球は「8割9割ストレート、あとはスライダー。自分なりに球が来ていた。マウンドは相性が合って安心した」。さらに「バックネットに奥行きがあり、捕手が近くに見え投げやすい」と好調さをうかがわせる。「捕手の五十嵐と手島先輩との、コンビネーションプレイも充実した練習ができた」と自信をのぞかせた。「県大会では”気持ち”をテーマに掲げ結果が出せたので、本番でも気持ちを確り持って投げ、結果を出したい」とエースの貫禄を漂わせた。
左腕・宮内大河(2年)は「甲子園球場はテレビで見たとおり大きい球場だった」と改めて驚いた。「マウンドは確りしていて、踏ん張りがきくので投げやすい」。その上「捕手からバックネットまでに距離があり、投手と捕手の距離が18.44メートルあるが近く感じて投げやすかった」と振り返る。球種は「真直ぐとスライダー、カーブとチェンジアップ」と豊富。投球は「変化球で、確りずらして討ちとるタイプ」。今日は「真直ぐとスライダーに絞り投球、狙い通りの投球ができて、良いイメージが持てた」と満面笑顔。それでも「甲子園に来ると強打者が増えてくるので、少しでも甘く行くと、簡単に長打される。一球一球決め球のつもりで投げていきたい」と気を引き締めていた。
左腕・吉松塁(2年)は「後ろが広いので、近く感じ、一投目に真直ぐを投げたが、力が入りワンバウンド」と狙いが定まらなかった。さらに力みで「マウンドが柔らかかったために、足が滑ったが、足で固め滑りをなくし修正した」と落ち着きを取り戻す。「甲子園は小さい頃からの夢、力んでしまった」と反省しきり。それでも「最後に入り、ストレートとスライダーとチェンジアップが決まりだした」。「本番では、力むことなくコントロールを意識して投げたい」と、さらに「甲子園ではコントロールを間違えると打たれるので、140キロのストレートとチェンジアップとスライダーのコンビネーションで打ち取りたい」と負けん気をのぞかせた。

瀧澤虎太朗主将は「部員はドキドキ、ワクワクして球場に入ったが、いつも通りに快音を響かせ、投手陣は納得のいく投球ができ、満足のいく練習ができた」と冷静沈着。それでも「甲子園は聖地。球児だったら一度は来たい所。今までやってきた球場とは桁違い。センターを守りながら、芝の感触を確かめると硬い。初めての感触で特別な気持ちになった」と胸を弾ませる。「本番では、今日の甲子園練習を生かし、いろんな方々が応援してくださっているので、感謝の気持ちを持って思い切って試合に挑みたい」と目を輝かせていた。

【メディカルチェック】
甲子園練習前の午前8時から、田中信幸部長が山梨県大会で力投したエース右腕・栗尾勇摩(2年)、左腕・宮内大河(2年)、左腕・吉松塁(2年)の3選手を引き連れ、メディカルチェックに臨んだ。開口一番、田中部長は「3選手ともに何も問題がありませんでした」と表情が和らいだ。甲子園大会における不慮の事故防止が目的で行われるメディカルチェック、「事前に肘のレントゲン写真を撮ったものを持参して、担当医に見てもらいながら診療を受けた。これで投手陣は安心して試合に集中してくれると思います」と笑顔で甲子園球場内に姿を消した。

文(H.K)、カメラ(平川大雪)2016.8.2