2016年山梨県吹奏楽コンクール
~無念!今年も西関東コンクール出場ならず~
~迫力と調和ある演奏に観客から大きな拍手沸く~
「第56回山梨県吹奏楽コンクール」が8月7日、甲府・コラニー文化ホールで行われた。この大会は西関東吹奏楽コンクールと『吹奏楽の甲子園』と例えられる全日本吹奏楽コンクールの予選を兼ね、山梨学院高は、A部門とC部門にエントリー。大編成のA部門は9月4日、群馬県前橋市ベイシア文化ホールで開催される西関東吹奏楽コンクールへ2年ぶりの出場を目指した。しかし結果はまさかの銀賞。西関東吹奏楽コンクールへの道は今年も閉ざされた。少人数編成のC部門は優良賞を獲得した。今年の吹奏楽部は、6月に山梨学院創立70周年記念「ステージ21」の杮落とし、続く6月中旬に「定期演奏会」の練習・本番、また、7月は野球部の全国高校野球山梨県大会の応援、先日の8月2日・3日には、昨年11月に行われた山梨県高校芸術文化祭吹奏楽部門に優勝し、「全国高校総合文化祭」へ県代表として出場するなど例年以上の忙しさに追われた。これらの合間を縫って、県吹奏楽コンクールに向け暑い日々の中、吹奏楽部員はへこたれることなくひたむきな努力を続け練習に取り組むも報われなかった。表彰式後、肩を落とす部員に顧問の渡邉正樹教諭は「皆の努力は胸を張っていい」と労い、来年に捲土重来を期した。山梨県代表は吉田高校、韮崎高校、甲府第一高校、日川高校の4校が選ばれた。
山梨県吹奏楽コンクールは、小学校から大学、職場・一般までA・B・Cの3部門に今年は105団体、総勢約4,100人が出場し4日間にわたり開催された山梨県下最大の吹奏楽コンクール。高校の部は、5つの課題曲の中から1曲を選び、自由曲とあわせ12分以内で2曲を演奏する。山梨学院高吹奏楽部の部員は101人。大編成のA部門は55人までと規定があり、毎年、山梨学院の「定期演奏会」が終わると、部内のオーディションからAとC部門に選抜した。高校A・C部門は8月7日に行われ午前中のC部門は41人編成で「カルカソンヌの城」を演奏。A部門の山梨学院高は55人編成で出場9校中6番目に登場。曲目は課題曲の中から西村友作曲「ある英雄の記憶~虹の国と氷の国より~」と自由曲の歌劇「イーゴリ公~ポーロヴェツ人の踊り~」を迫力と調和のとれた演奏で観客を魅了した。
山梨学院吹奏楽部は、7月31日から8月3日にかけて広島県で行われた『文化部の甲子園』と言われる全国高等学校総合文化祭「2016ひろしま総文」に山梨県を代表して吹奏楽部門に2度目の出場を果たしたばかり、2曲演奏した1曲はコンクールで発表する歌劇「イーゴリ公」を披露し手応えを感じ、遠征の疲れも見せずこの日の演奏に臨んだ。総文祭には昨年までマーチングバンド部門に5年連続9度目の出場をしていたが、昨年、6年連続出場を懸けていた「県吹奏楽コンクール」で、まさかの西関東吹奏楽コンクールの出場権を逸した。今年は昨年の悔しさを払拭するため、吹奏楽に集中した。
高校A部門9校とC部門3校、職場・一般10団体の演奏が終了した午後5時半過ぎから審査発表が行われ、山梨学院高のC部門は優良賞、客席の部員が固唾を飲んで見守ったA部門は無常にも銀賞と発表され、部員はため息と涙を流すものもいた。表彰式後、エントランスホールに部員を集めた顧問の渡邉正樹教諭は、審査員一人ひとりの講評から課題を挙げたが、努力を重ね最高のパフォーマンスを披露した部員を労った。渡邉正樹教諭は「分析してみないと分かりませんが、納得できない」と神妙な顔で話し、「結果は結果ですからどこかで奮起しないとだめですね。これを真摯に受け止めて頑張るしかないですね」と前を向いた。涙を浮かべた田中杏奈部長は「精一杯の演奏をしたのですけど、こういう結果になってしまったことは、取り組みが甘かった部分があると思います。まだこれで引退ではなく違う大会で今以上のチームになれるように頑張ります」と気丈に話した。演奏を聴いたが身贔屓ではなく、西関東出場4校と甲乙つけがたい本当に素晴らしい演奏だった。“実力の山梨学院高吹奏楽部”の伝統は決して失われてはいない。
山梨県・埼玉・群馬・新潟県の4県の各代表が参加する「第22回西関東吹奏楽コンクール」高校A部門は9月4日(土)、群馬県前橋市ベイシア文化ホールで行われる。
文・カメラ(K.F) 2016.8.7