リオ五輪パブリックビューイング 第2弾
~ラグビー 日本の大金星に山学OB後藤が貢献~
~ 競泳800mR OB江原山梨県男子初のメダル獲得~
リオ五輪ラグビー7人制男子の日本の初戦となるニュージーランド戦が8月10日午前0時30分(日本時間)に行われ、日本代表の山梨学院大OBの後藤輝也選手(桂高-山学大-NEC)や日本チームを応援するパブリックビューイングが山梨学院広報スタジオで実施された。ラグビー部の現役部員や教職員など約60人が集まり、山梨からリオに向け大声援を送った。後藤選手は先発出場し、前半3分に左コーナー付近に日本の五輪史上初トライを決め、日本チームに勢いを与えた。会場では、後藤選手が歴史的な先制ゴールを決めると大興奮に包まれ、後藤選手がボールを持つたびに歓声があがった。日本初勝利の瞬間には、割れんばかりの歓声があがり、後藤選手をはじめ、日本チームに大きな拍手が送られた。続いて10日午前9時55分から行われた競泳競技のパブリックビューイングには、水泳部員・教職員など約50人が集まり、さらにOBの江原騎士選手(自衛隊体育学校)が出場する男子800mリレーが始まる11時40分前に江原選手の母親らが加わり観戦した。日本チームの4人が登場すると、会場から大歓声が沸き起こり盛り上がりを見せた。第1泳者の萩野公介選手がスタートすると応援のボルテージが上がり、2位で江原選手が引き継ぐとさらにヒートアップした。日本チームは1位のアメリカを徐々に差を縮める大接戦を演じるも最後は後ろについていたイギリスにかわされ接戦末3位でゴールした。会場は大声援の熱気に包まれ、応援団は喜びを爆発させた。日本チームは52年ぶりの銅メダルを獲得し、江原選手は、山梨県初の男子競泳競技オリンピック出場で初のメダルに輝く快挙を成し遂げた。
◆ラグビー男子7人制
今夏のリオ五輪から正式種目となった「ラグビー7人制」は、15人制のラグビーの同じサイズのフィールドで行われ、試合は7分~10分ハーフで構成されている。広いフィールドを少ない人数でプレーするため、スピード感あふれる試合展開が特徴。7人でプレーするため、通常の15人制と区別するために“セブンズ”と呼称されている。リオ五輪の男子セブンズ日本代表には、山梨学院大ラグビー部出身者としては初めてのオリンピアンとなった山梨県立桂高校出身の後藤輝也選手(2014年卒)が選出。初戦となったニュージーランド戦を応援しようと現役のラグビー部員や教職員など約60人が広報スタジオに集まった。試合は、午前0時30分にニュージーランドのキックオフでスタート。後藤選手は先発出場し、前半3分には日本の五輪史上初となるトライを決めた。会場では、後藤選手がボールを持つたびに歓声が上がり、トライの瞬間、会場は大興奮に包まれた。後半終了間際のプレーでミスがあり、最後まで目が離せない展開となったが、日本初勝利の瞬間には会場から割れんばかりの歓声があがった。優勝候補のニュージーランド撃破という歴史的な快挙に、先制点を決めた後藤選手をはじめ、日本チームに大きな拍手が送られた。
試合を観戦し、在学中の後藤選手と一緒にプレーをしたことがある、山学大ラグビー部の清水和輝選手は大学時代の後藤選手の印象について「とても明るい人で、リーダーシップがあり、みんなを引っ張っていく大事な存在でした」と語り、日本の五輪史上初得点者になったことについて「とても勇気をもらいました。すごく嬉しいですし、誇らしいです」と述べた。また、次戦に向け「輝也さんにいっぱい点を取ってもらいたいですし、日本代表として歴史を作ってもらいたいです。日本からみんなで応援しているので、頑張って欲しいです」と語った。
◆競泳男子800mリレー
10日午前11時40分から始まった男子800mリレーのパブリックビューイングには、水泳部員や教職員約50人が集まり、さらにこの種目に出場する山梨学院高校出身の江原騎士選手(2016年卒業)の母親らが駆けつけ会場となった広報スタジオは大いに盛り上がった。日本チーム4人がプールサイドに現れると、大声援が沸き上がった。第1泳者の萩野公介選手が飛び込むと応援のボルテージが上がり、手に持ったメガフォンや日の丸の小旗、タンバリンを鳴らし選手の名前を読んで声援を送った。萩野選手が第2泳者の江原選手に2位でリレーすると、声援はさらにヒートアップ。「ナイト、ナイト」の呼びかけに後押しされて江原選手も持ち味の前半から一気に加速する泳ぎで予選タイムを1秒縮める力泳を見せ2位で第3泳者の小堀勇気選手に引き継いだ。小堀選手も1位のアメリカとの差を縮める快泳で会場を沸かせ2位で最終泳者のベテラン松田丈志選手に託した。松田選手は最後の20mでイギリスにかわされたものの、大接戦を演じ3位でゴール。日本に1964年東京五輪以来52年ぶりの銅メダルを獲得する快挙を成し遂げた。声援を送り続けた水泳部員たちは涙を流す者、握手をする者、肩を叩き合う者など会場は喜びに溢れた。戦え終えた4人はプールサイドで抱き合い、健闘を称えあった。江原選手は山梨県初のオリンピック競泳競技男子日本代表で初のメダルを山梨に、また山梨学院大男子にもたらした。
江原騎士選手は、高校2年のインターハイ100m自由形で優勝。一躍全国に名を轟かせた。山梨学院大学に進むと中長距離にシフト、めきめき実力を付けた。大学2年のときに初めての国際大会東アジア大会400mで自由形優勝。日本でのトップスイマーに成長。昨シーズンは世界水泳選手権男子800m自由形リレー日本代表出場、日本学生選手権400m自由形優勝、国体成年男子400m自由形優勝、男子400m自由形短水路日本新記録と輝かしい成績を上げた。卒業した今年4月の日本選手権で200m自由形の3位に入り、1位から4位までの合計タイムがリレー派遣標準記録を上回り、4人が他の基準も満たしていたため、男子800m自由形リレーのメンバーとしてリオ五輪代表に選出された。
レース後のインタビューで江原選手は、「タイムは上げられたのですけど目標のタイムに届かなく自分の中では残念ですけど、3人の力を借りてメダルを取れたので本当に感謝でいっぱいです」と話すと、会場の水泳部員から大きな拍手と歓声が起こった。わが子の力泳と快挙を見守った母親の江原洋美さんは「4月にオリンピック出場を決めたときは夢って叶うんだなと私自身が感じさせてもらって、その時でさえふわふわした感じで、今はただうれしいだけです」と喜びを表した。江原選手が泳いだ時には、「心臓が飛び出るほど今までで一番緊張しました。ゴールした時は自然に涙が出てきてしまいました。いろいろな方が応援してくれたおかげですので本当にうれしく思います」と各社の取材に応えた。
◆山梨学院関係者の話
綿谷健佑コーチは「山梨学院にとって前回の鈴木選手と今回の江原選手がメダル取ったことは非常に誇りに思います。自分自身の達成感と安堵感もありますが、江原が4年間かけて成長したなと振り返ると、そちらの方が喜びも大きいです」と愛弟子を称えた。同じ山梨学院高校出身で同じ自由形を専門にする陶山周平選手(2年)は「先輩の泳ぎを見て感動しました」と声を詰まらせた。「隣で練習する機会も多くて、1回も勝ったことがなくてアドバイスをもらうなど親しくしてもらっていたので、オリンピックでメダルが取れたことが自分のようにうれしいです。自分も9月にインカレがあるのでA決勝に残って先輩にいい報告をしたいと思います」と語った。見郷義明マネージャー(3年)は「本当にうれしいです。4月の日本選手権でオリンピックが決まった時もすごくうれしかったですけれども、今回の400mでいい結果が出なく不安そうな顔をしていたので心配だったんですけど、しっかり仕上げてきて銅メダルも取れて良かったです」と安堵の表情を浮かべた。江原選手の良いところはと問うと、「監督、コーチはもちろんですが、いつもいる自分たちマネージャーのアドバイスも素直に聞いて取り入れ『ありがとう』と感謝を忘れない人です」と評価する。江原選手から主将を引き継いだ大野純弥主将(4年)は「感動しました。泳ぎは予選からしっかりタイムを上げてきたのでさすがだなと思いました。メダルを取ったことで山梨学院の男子が盛り上がっていくのではないかと思います」と期待を寄せた。選手たちの怪我の防止やケアなど健康を管理してきたスポーツ科学部・岸邦彦専任講師は「相当に彼は頑張りましたね。合宿の時から身体を追い込んで疲れ果てていて元気なかったのですが、それでもやると言ってやりましたものね。普通なかなか取れるものでもないものをこのように結果として残すのは。頑張っているといいこと起きるとしみじみ感じましたね。うれしいです」と語った。
文(Y.Y・K.F) カメラ(Y.Y) 2016.8.10