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2016日本学生選手権水泳競技大会 
~西山、山田が男女400m個人メドレーで健闘~
~シード権を失うも若手中心のチームに手応え~

リオ五輪、競泳陣の活躍の興奮がいまだ冷めない中、「第92回日本学生選手権水泳競技大会(インカレ)」が東京辰巳国際水泳場で9月2日から4日までの3日間の日程で行われた。競泳のインカレは母校の名誉と誇りを懸け、仲間の思いを背負い日本一を争う男女別大学対抗戦。個人の成績を集計して得点を競い順位を決める。予選はタイムレースで上位8人が決勝へ、9位から16位までがB決勝に進出する。山梨学院勢はリオ五輪に出場したOGの鈴木聡美選手、男子800mリレーで銅メダルを獲得したOB江原騎士選手の活躍が現役選手の競争への意識を押し上げ、この大会に臨んだ。大会最終日に男子400m個人メドレー決勝に西山雄介(2年)が進み、第一人者の萩野公介、瀬戸大也選手と競い、今大会山梨学院勢最高位4位に入る大健闘を見せた。女子400m個人メドレーでも山田千尋(2年)も決勝に進出、6位に入る活躍をした。3日間にわたる大会に山梨学院勢は2,3年生を中心にした編成で臨み、A決勝に6種目、延べ9人が進み、B決勝に15種目延べ23人が進出した。残りは予選敗退し、上位入賞者が少なかったため学校対抗得点が伸びず、男女とも総合11位で8位以内のシード権を逸した。

◆大会1日目 9/2 東京辰巳国際水泳場

今大会は、リオ五輪で活躍した萩野公介、瀬戸大也選手などメダリストが出場するため、会場には多くの観客が詰めかけた。大会1日目には12種目が行われ、山梨学院勢は個人種目に20人、リレー2種目に男女4人ずつが出場した。最初に行われた女子50m自由形に出場した生田真結(3年 兵庫・市川高)は予選12位でB決勝に進み3位に入った。生田真結選手は「昨年より予選が遅く、決勝が去年と一緒のタイムは納得していないですけど、順位は結構上げられたのでそこは良かったかなと思います」と話した。女子200mバタフライに出場した熊本真季(3年 京都外語大西高)は昨年B決勝8位だったが今大会では予選8位に残りA決勝に進み全体の7位で、学校対抗得点に貢献した。同種目の大塚綾乃(2年 千葉・東海大付属浦安高)は予選16位でB決勝に進み5位になった。同じく加藤由佳(1年 宮城・東北高)は予選9位でB決勝に進み1位となった。予選、決勝とも自己ベストを更新した。加藤由佳選手は「富山合宿から練習中のタイムが良くて、いつも大きな試合では緊張してしまうのですが、予選ではそれがなくて大きな泳ぎで泳げたのが良かったです。高校のときは個人種目で2度泳ぐことがなかったですけど今回B決勝に残り、2回泳ぐことができうれしかったです」と話した。女子200m背泳ぎの瀬下茉莉(3年 愛知・豊川高)はB決勝で7位だった。女子100m平泳ぎの奥田百香(2年 愛知・小牧高)はB決勝2位に入った。奥田百香選手は「良い感じで来ているのでA決勝に残れるように頑張りたいです。前半50まで思ったより速くて後半もいつもより耐えられ良かったです」。男子種目では唯一400m自由形の豊田将大(2年 神奈川・生田高)が自己ベストを更新してB決勝6位となった。女子400mリレーの渋井柚実(2年 日大山形高)・熊本真季・瀬下茉莉・生田真結はB決勝8位、1日目最後の種目男子400mリレーは前大会決勝で過去最高の5位に入賞にしたが今大会ではB決勝に回った。陶山周平(2年 山梨学院高)・石橋翔(3年 千葉商科大付属高)は昨年の決勝メンバー。林祐矢(3年 千葉・市立船橋高)・矢崎友哉(2年 山梨学院高)を加えたメンバーで挑んだレースは全員のタイムが伸びず7位に終わった。他の山梨学院勢の選手は予選突破できなかった。初日個人種目に出場した20人の選手のうち、自己ベストを10人が更新した。

◆大会2日目 9/3 東京辰巳国際水泳場

大会2日目は10種目が行われ、山梨学院から個人種目に19人が出場、男女リレー2種目に4人ずつが出場した。リオ五輪の男子800mリレーで銅メダルを獲得したOB・江原騎士選手の後継者と目される陶山周平(2年 山梨学院高)が出場した男子200m自由形予選は12位でB決勝に進み2位に入った。陶山周平選手は「目標のタイムが予選で出なくて、B決勝では絶対出すんだと臨んだのですが予選より遅いタイムで悔しいです」と話した。他にB決勝に進んだのは女子100mバタフライの加藤由佳(1年)は6位、女子200m個人メドレーの山田千尋(2年 愛知・豊川高)は前回大会から順位を一つ上げ2位になった。山田千尋選手は「ベストを更新することを目標に泳いでいたので悔しいですけど、調子が試合前良くなくて、でもベストと同じタイムで泳げたことはうれしいです」と話した。男子200m個人メドレーでは大野純也(4年 富山・水橋高)が6位となり、同種目でこの日個人種目で唯一A決勝に進んだ西山雄介(2年 群馬・高崎商高)はリオ五輪で金メダルの萩野公介、銀メダル・瀬戸大也と競ったが力負けし8位に沈んだ。西山雄介選手は「結構全国大会経験させてもらって雰囲気に慣れてきたのですけど、自分は400m個人メドレーが専門なんですが、今年はスピードを重視して200mにも力を入れてきたので、もう少し出ると良かったのですけど、明日に繋がる良いレースだったと思います」と語った。女子400メドレーは瀬下茉莉・奥田百香・加藤由佳・渋井柚実(左から)で臨み予選を8位で通過、A決勝に進んだが、ここでも8位に終わった。第1泳者の瀬下茉莉選手は「今、シード権がぎりぎりのところなので確実に点数は取ろうと話して、皆で楽しもうと思って泳ぎました」。第2泳者の奥田百香選手は「前半から突っ込んで後半持つように泳ぎました。元々8番なので7番と少し離れていたのでリラックスして楽しく前を追えればと泳ぎました」。第3泳者の加藤由佳選手は「100mバタフライを4本泳ぐことになって、個人種目では良い結果を出せなかったので、最後のメドレーリレーではしっかり自分らしい泳ぎをしようと思い頑張りました」。第4泳者・渋井柚実選手は「昨日の400のリレーは、決勝を逃がしてしまって不甲斐ない結果だったので今回は3人の力を借りて自分のレースをしようと思いました。予選よりタイムは落としてしまったのですけど、感覚としては良かったので明日に繋げられたと思います」とそれぞれが語った。その他の選手は予選敗退したが2日目も7人が自己ベストを更新した。最終日は10種目の予選が行われ、決勝種目は前日予選が行なわれた女子800m自由形と男子1500m自由形の決勝を加えた12種目が行われる。

◆大会3日目最終日 9/4 東京辰巳国際水泳場

最終日、山梨学院勢は10種目に18人、リレー種目に男女4人ずつが出場した。この日、山梨学院勢は躍動した。個人種目で3人がA決勝に進出。B決勝では個人種目に2人、男子800mリレーが進んだ。午前中の予選に初めに登場したのは、女子400m個人メドレーの山田千尋(2年)。昨日の200mでB決勝止まりに終わった雪辱を果たし、全体の7位で決勝に進出した。決勝では積極的に泳ぎ、得意の背泳ぎでは3位まで順位を上げたが、ゴールしたのは6位だった。山田千尋選手は「いつも最初の200では、そこそこの順位で行けているので後半の200が課題だとすごく感じました」と反省した。続く、男子400m個人メドレーでも西山雄介(2年)が200mに続きA決勝に進出。決勝では萩野公介、瀬戸大也の世界で戦う二人に果敢に挑戦、タイム的には大きく差を開けられたものの3位の選手を猛追し、惜しくも0.3秒差で4位となり表彰台を逃した。西山雄介選手は「行けると思ったのですけど、そんなに甘くないですね。公介さんと大也さんの下が弱いと言われているので、しっかり追いつけるように頑張りたいです。来年はリベンジします」と力強く話した。同種目に出場した邑田裕斗(2年 静岡・城南静岡高)は自己ベスト記録を4秒更新してB決勝に進み、さらに記録を伸ばし4位に入った。女子100m背泳ぎでは瀬下茉莉(3年)が全体の6位に入りA決勝に進んだ。予選の3位以下はほとんどタイム差がなく、決勝では表彰台も期待されたが結果7位となった。全国大会の決勝進出は初めての瀬下茉莉選手は「皆ベストタイムは速い記録を持っているんですけど、遅かったのでチャンスだと思っていたんですが」と悔しがった。「自分らしい力はしっかり出せたので良かったです」と納得した。女子200m平泳ぎでは奥田百香(2年)が初日の100mに続きB決勝に進出。B決勝レースでも2位を獲得し、ポイントで貢献した。また、最終種目の男子800mリレーは大学対抗戦レースの花形種目。各校は母校の名誉と誇りを懸けてレースに臨む選手に、超満員の会場からの大声援は最高潮に達する。B決勝に出場した陶山周平・松崎稜(2年 群馬・前橋育英高)・豊田将大・石橋翔のメンバーにも山梨学院の部員から大きな声援が飛ぶ中、第1泳者の陶山はスタートから猛然とスパートし、1位で繋ぐと第2泳者の松崎、第3泳者の豊田も2位を死守。第4泳者の石橋は、一度は順位を3位に落とすも残り25m最後のデットヒートで1位に僅か0.12秒差の2位でゴールした。レース後、リレーメンバーの4人(右から)、第1泳者の陶山周平選手は「B決勝なので1番で帰ってこないと上は狙えないし、昨日の200のタイムより悪く悔しいです」。第2泳者の松崎稜選手は「周平が1番で帰ってくると思ったので、自分も1番でと思ったのですが、隣のチームに抜かれてしまったのが反省点です」。第3泳者の豊田将大選手は「1位で帰ってきたかったんですが、タイムを確認して自分が出そうと思ったタイムより遅かったのは残念です」。第4泳者の石橋翔選手は「コーチからアンカーを任され、1番チーム内で年上なので『最後は任した』と言われたのでしっかりとチームを引っ張っていけるように全力で行きました」と最終種目に懸けた意気込みを語った。

山梨学院勢の今大会の結果は、全32種目中、A決勝に6種目、B決勝に15種目進出、残りの種目は予選敗退という結果になり、学校対抗得点が伸び悩み男女ともに総合順位は11位で8位以内の来年のシード権を逸した。しかし、無名の選手が多い中で真摯に水泳に向き合い辛い練習に耐え、トップクラスにはまだ追いつかないものの、着実に記録を伸ばしてきた。今大会は2,3年生が中心の若いチーム編成で臨み18人もの選手が自己ベストを更新した。たゆまない努力から少しずつ上を目指し、必ずや学生水泳界を賑わす逸材が誕生してくるだろう。

山梨学院の全てのレースが終了後、神田忠彦監督は「昨年の江原や女子の竹迫のようなエースが不在ですので、即効的に得点を伸ばすことはなかなかできませんが、チームカラーである育成ということでは手応えはありますから来年、再来年に向けてコツコツとするしかないですね。高校時代のランキングからいうと、超高校級の子はいませんのでそれはしょうがありません。1年2年3年と年を積み重ねて段々とトップを狙えるように指導していきます」と鈴木聡美、江原騎士選手らを育て上げた指導者の自信が垣間見られた。

文(K.F)カメラ(平川大雪) 2016.9.4