秋季関東地区高校野球山梨県大会 4日目
~新チーム発進、関東大会に向け初戦勝利~
~吉田監督、強いチームづくりに意欲~
「第69回秋季関東地区高校野球山梨県大会」が9月3日に開幕した。関東大会、来春の選抜甲子園に繋がる大会4日目、9月11日に甲府・山日YBS球場と富士北麓公園球場で5試合が行われた。シード校の山梨学院高は甲子園を経験した広瀬巧真新主将を中心に4年生が抜けた穴を埋めるべく取り組んできた新チームを試す初戦、山日YBS球場の第1試合で塩山高と対戦した。試合は午前9時、塩山高の先攻で始まった。山梨学院の先発吉松塁(2年)は夏の甲子園の大舞台で2試合とも先発して好投した。この試合、立ち上がり1番打者のセカンドゴロを2塁手の失策で走者を出すが2番打者を三振に仕留めた。ほっとしたのも束の間、3番打者に投じた初球の速球を左中間芝席に運ばれ2点を先制された。その裏、山梨学院は2死満塁で6番小林侃汰(2年)が中前適時打で2者を返し同点とした。続く2回裏には丹沢海輝(2年)の三塁打をきっかけに相手投手の制球の乱れと守備のまずさもあり3本の長打で5点を奪い主導権を握った。投手陣は先発の吉松塁が6回まで11個の三振を奪い3点を失ったもののまずまずの好投をした。救援の宮内大河、石井友樹投手も安定した投球で勝利に貢献、試合は9-3で初戦をものにした。山梨学院高の次の試合は、9月19日(祝)11時30分より山日YBS球場で甲府工業高と対戦する。
山梨学院高は、苦しんで苦しみ耐え抜いた練習の成果を爆発させ夏の県大会で圧倒的な強さで優勝し、5年ぶりの甲子園出場を果たした。2試合目で敗退したが、掴んだ夢舞台を体験した山梨学院高球児は、一回りも二回りも大きくなって、新チームに移行した。甲子園後、新主将を任された広瀬巧真選手を中心に砂田球場で関東大会出場(2枠)を懸けて新たなスタートを切った。山梨学院高校は、今大会の8月中・下旬に行われた地区シード校決定戦でシードを獲得、組み合わせ抽選会で日大明誠高や日本航空、日川高らが入るBブロックでの出場となった。
9月11日、大会4日目の第1試合に山梨学院高が登場した。対戦相手の塩山高校の先攻で試合が始まった。先発の吉松塁投手(2年)は夏の甲子園で戦った2試合で先発を務め、安定したピッチングを見せた。今大会ではエースナンバーを背負っての登板になった。1番打者に味方の失策で走者を背負うと、1死後3番打者に投じた初球の速球を狙われ見事に左中間スタンドに運ばれ2点を献上した。その裏、山梨学院も相手投手の乱調に2死満塁に6番小林侃汰(2年)は初球を中前に打ち返し同点とした。吉松も先取点を取られてから3回まで6連続三振を奪い安定した投球を見せた。打線は、2回1死後9番丹沢海輝(2年)の右中間三塁打に1番広瀬巧真主将が右前適時二塁打で1点を加え逆転した。続く打者は四死球で満塁になると5番関口俊哉(2年)が走者一掃の左中間適時二塁打で引き離した。吉松は4回に連続安打を浴び1点を献上したが6回までに11三振を奪うまずまずの好投で、7回に宮内大河(2年)にマウンドを譲った。5回の攻撃では1死後1番広瀬、2番松尾の連続安打で3・1塁とパスボールで3・2塁に。打者の3番栗尾勇摩(2年)きっちり犠飛を打ち上げ、得点を加えた。7回にも松尾、栗尾の連続安打などで1点を追加した。7回に救援した左腕の宮内、9回を投げた右のサイドスローの石井友樹(2年)も危なげのない投球で相手打線を抑え、山梨学院は9-3で塩山高を破り、初戦を取った。
◆山梨学院高VS塩山高 9/11 山日YBS球場
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 合計 | |
塩山高 | 2 | 0 | 0 | 1 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 3 |
山梨学院高 | 2 | 5 | 0 | 0 | 1 | 0 | 1 | 0 | × | 9 |
■山梨学院高 安打9 四球7 死球5 三振1 失策2
(三塁打:丹沢海輝 二塁打:関口俊哉2、栗尾勇摩)
■塩 山 高 安打5 四球1 死球1 三振13 失策2
(本塁打:久保田統也 二塁打:種田稜大)
◆山梨学院高
[投手]○吉松6回→宮内2回→石井1回 [捕手]五十嵐
○吉松 安打4 四死球1 死球1 三振11
○宮内 安打1 四死球0 三振1 ○石井 安打0 四死球0 三振1
[交代] ○山本(一)→(H)小澤(二) 山本→関口(一) 吉松→(R)大島→宮内(投)→(H)森塚→村田(中) 丹沢→(H)清水→石井(投)
試合後、吉田洸二監督は「まだ新チームがスタートして3週間なので、誰がレギュラーと決まってない中で、いろいろな選手を試しながらできたので今日は良かったと思います。3年生が抜けた穴は当面は埋まらないと分かっているので、去年のチームは一度頭から離して新しく作ろうという気持ちでやっています。少しずつでも急いで、勝ちながら作るのが宿題だと思います」と話した。広瀬巧真主将は「前のチームとは全然違う部分があるので今度は、試合に出ていたメンバーが自覚を持って引っ張っていかないといけないので、守備にしろバッティングにしろ、今自分たちができることをどれだけやっていけるか、とにかく一戦必勝で勝っていけるよう練習をしっかりしていきたいです」と意気込みを語った。主将については「自分はまだまだですが、瀧澤さんのようにもっとプレーで引っ張っていけるように自分もレベル上げていきたいです」と話した。この試合で失点はあったものの好投した吉松塁投手は「三振を取るとは意識してはいなかったですが、最初に打たれてしまったのでしっかりしないといけないと気を引き締めて投げました。初回は練習試合でも立ち上がりが良くないので、このままではいけないという気持ちが強いです。夏は打撃陣が打ってくれたので、秋は栗尾、宮内と3人で投げ勝ってピッチャーが引っ張っていくというつもりで行きたいです」と決意を述べた。エースナンバー背負ったことについて「周りとかからの期待も責任も大きいので、自分がしっかりしないといけないと思っています」と闘志を燃やす。
山梨学院高の2戦目は、9月19日(祝)午前11時30分より山日YBS球場で甲府工業高校と対戦する。
文(K.F)カメラ(平川大雪)2016. 9. 11