関東大学ラグビーリーグ戦グループ2部 開幕戦
~初戦、白鴎大戦に大勝も、奢ることなかれ~
~降格の屈辱を胸に期し、1部昇格に好発進~
「2016関東大学ラグビーリーグ戦グループ2部」、山梨学院大の開幕戦が9月18日、白鴎大学を対戦相手に拓殖大学ラグビーグラウンドで行われた。昨年、3年連続の1部残留を懸けたが、リーグ戦での成績が振るわず1・2部入れ替え戦に回り、2部1位の日本大学と対戦。序盤から日大ペースで進み、後半一時は逆転に成功したものの、再度逆転を許し敗退2部降格となった。捲土重来を期し、1部昇格を目指して臨んだ2部での初戦は白鴎大学との対戦。試合は小雨がぱらつく蒸し暑い中、午後2時、白鴎大のキックオフで始まった。開始早々試合を支配していた山梨学院は10分、主将の土屋樹生(4年)が先制トライを奪うと、スクラム、ラック、モール、パス回しが機能し、立て続けに7トライを決め、さらにゴールキックも全てゴールポスト内に納め、前半を42-0で終了。後半に入っても攻撃の手を緩めず、選手交代を適時に行い、9トライ8ゴール61-5、前後半103-5と圧倒的勝利を収め、1部昇格に幸先の良いスタートを切った。次の第2戦は25日、山梨県富士北麓公園に朝鮮大学校を迎えての対戦に臨む。
山梨学院大は、前々回大会で創部以来、初めて2年連続1部残留を決め、前回大会では3年連続1部、初の大学選手権出場を目標に掲げリーグ戦に臨んだ。しかし、初戦の1部強豪校の東海大に5-108の屈辱的大差で敗れた。その後は歯車が狂い、調子が上がらずリーグ最下位となり、入れ替え戦に回った。しかし、そこでも狂った歯車は機能を回復しないまま日本大学に悔しい敗北を喫し、2部に降格した。今期戦うことになった関東大学ラグビーリーグ戦2部グループは、昨年、山梨学院とともに1部から降格した専大の他、立正大、東洋大、大東大、国士館大、國學院大、白鴎大、朝鮮大の8校が優勝を賭けて総当たりで対戦する。上位6校までが残留し、上位2校が1部リーグ下位2校と入れ替え戦を行う。今日の開幕戦から11月中旬まで土・日を中心に2ヶ月間の戦いが始まった。
吉田浩二監督は昨年入れ替え戦に敗れた時に、「チーム力は上がってきています。来年に向けてしっかり立て直しを図ってきます」と再起を誓っていた。本日の開幕戦の試合前に「目指すところが昨年と違う。うちは今2部だ。自信を持ち油断することなくまずはチームの中もしっかり結束を持ち確実に最後は笑えるように戦え」と選手を送り出した。試合は序盤から山学ペースで進められた。前半10分敵陣ゴール前右サイドでのスクラムからボールを持ち出し、#4土屋樹生主将(4年 埼玉・深谷高)が中央右にトライ。#15・鈴木真之介(2年 秋田・男鹿工高)のゴールキックも決まり先制点を奪う。14分には敵陣22m内でのラックから右へ#9-10-15と繋ぎトライ。その後も20分、24分、27分、35分と立て続けにトライ。ゴールキックも全て決まり前半を42-0で終了。ハーフタイムでは活発に選手同士がプレーの確認を行い、後半に入った。2分には、22m陣内で右サイドのラックから#9-12-1へと展開トライに繋げた。その後も山学ペースは変わらず、スクラム、モール、ラックと全てコントロールし一方的に試合を支配した。しかし、後半27分自陣のパスミスからボールを奪われトライに繋がれ0封にはならなかった。後半は61-5。結果は103-5の大差で圧勝した。出場した各選手の活躍で開幕戦を勝利で飾ったが、特に際立っていたのが、#15FB(フルバック)の鈴木真之介がトライ15本中、ゴールキックを14本決めたキックの正確さを特筆したい。
平成28年度関東大学リーグ戦グループ2部 開幕戦 山梨学院大VS白鴎大(9/18)東京八王子市・拓殖大ラグビーグラウンド |
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○ 山梨学院大 103 | 42-前半-0 61-後半-5 |
5 白鴎大 ● |
◆山学トライ・ゴールキック得点者
前半:#4土屋樹生(4年 埼玉・深谷高)2、#15鈴木真之介1、#5戸田翔太(4年 山梨・日川高)1、#13佐々木征嗣(2年 岩手・黒沢尻北高)1、#8下澤正浩(4年 千葉・市立船橋高)1、
ゴールキック=鈴木真之介6
後半:#1間藤郁也(4年 新潟・新八田農高)1、下澤正浩1、#3村田祐人(3年 新潟工高)1、土屋樹生1、#22磯部尚輝(1年 山梨・日川高)1、#12清水大樹(4年 長野・岡谷工高)2、#10前原正貴(4年 熊本・荒尾高)1、#7渡邉賢哉(4年 山梨・桂高)1
ゴールキック=鈴木真之介8
試合後、#4LO(ロック)土屋樹生主将は「一つひとつのプレーを圧倒して勝とうと試合に臨みました」と開幕戦への意気込みを話した。また、「良いところもたくさんあったのですけど、ノートライで抑えられなかった時点で、課題が分かったのでしっかり改善して次の試合に準備します。絶対今年は1部に昇格します」と初戦の試合を振り返り、雪辱を期した。吉田浩二監督は「個々が強くなればチームも強くなれる。“チェンジ”をスローガンに掲げてここまで来ました。今日の結果は良かったですけど、選手に言っていることは、経験するごとに成長して欲しいということ。試合では自分たちのプレーに責任を持ってもらう。今後1部で勝負するにはそれが大事で一つのミスが失点に繋がってしまうので1部に向けてしっかり肝に銘じてやってもらいたい」と昇格への決意を滲ませた。
幸先の良いスタートを切った山梨学院大ラグビー部、選手同士が互いに信頼し合う中に悲壮感は無い。ただひたすらに1部に向けてメンバーの心は一つ。『勝ち続ける』。
次の試合は9月25日(日)。山梨県・富士北麓公園で朝鮮大学校と対戦する。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2016.9.18