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2016全日本学生柔道体重別選手権大会 最終日
~女子57㎏級出口優勝、鶴岡準優勝、3位まで独占~
~52kg級では米田が優勝、今大会3人の優勝者~

「平成28年度全日本学生柔道体重別選手権大会(男子35回・女子32回)」の最終日が10月2日、東京・日本武道館で行われた。個人戦の学生日本一を決める大会2日目に山梨学院大学からは男子6人、女子7人が出場した。最終日は男子が90・100・100㎏超級の重量級、女子は48・52・57㎏級の軽量級の男女各3階級の戦いが行われた。この内、山梨学院勢は女子57㎏級の準決勝で4人全てが山梨学院勢となり、Aパートでは鶴岡来雪(4年)と谷川美歩(1年)、Bパートでは月野珠里(3年)と出口クリスタ(3年)が対戦した。Aパートは鶴岡が先輩の駆け引きの上手さで最後に指導の差で決勝に進出、Bパートは出口が豪快な大外刈りで1本勝ちを収め、決勝に進んだ。敗れた二人は3位となった。鶴岡と出口の決勝戦は、出口が早い時間帯に巴投げの技ありを奪い、その後再び技ありを決め合せ技1本で初優勝を飾った。鶴岡準優勝、月野、谷川3位と57㎏級の表彰台を独占した。52㎏級の米田愛理子(3年)も初優勝を飾った。女子では同じ階級の大和久友佳(2年)が月野に準々決勝で敗れベスト8となったものの初戦では10秒で必殺の背負い投げで1本勝ち。2戦目では指導差で勝利するなど今後が期待される戦いぶりだった。男子勢は100kg級の春日良太(3年)、100kg超級の藤井靖剛(3年)の二人がベスト8となった。

2日目の山梨学院の女子軽量級が素晴らしい結果を残した。57㎏級にエントリーした5人は4人までが準決勝に上がり、山梨学院勢だけで優勝を争った。山部伸敏女子監督は「激戦階級の中で今年はうちが抜きん出ていると思う。今日の結果は予想通り」と話す。Aパートの鶴岡来雪と谷川美歩。Bパートは月野珠理と出口クリスタの4人が準決勝で対戦した。5人目の大和久友佳(2年 千葉・八千代高)も準々決勝で月野に経験の差で敗れたが、山梨学院の57㎏級の構内予選での難関を突破し、いよいよ大きな大会にデビューしてきた大和久に、山部監督は「前へ前へ出る攻撃型の選手、将来大きく伸びる」と太鼓判を押す。今大会初戦では開始10秒、背負い投げで1本勝ちするなどベスト8に入り、次に期待が掛かる。

◆《57㎏級準決勝2試合 鶴岡来雪VS谷川美歩 月野珠理VS出口クリスタ》

鶴岡来雪(4年 愛媛・新田高)VS谷川美歩(1年 静岡・藤枝順心高)。鶴岡は初戦から準々決勝までの3戦を1本勝ちで勝ち進んできた。得意の背負い投げから相手を崩し寝技に持ち込むスタイルで危なげなく来た。一方の谷川は2戦目で昨年の講道館杯で準優勝者の山本杏(国士館大)を指導1で破る金星を挙げて準決勝まで来た。鶴岡選手は「関東大会のときは指導の差で負けているので今回は意地でも勝とうと思って。気持ちで行きました」と後輩には負けられないという気持ちを前面に出した。谷川美歩選手は「強かったです。1年生なので何も守るものないとがむしゃらに向いました」とそれぞれ対戦の気持ちを語った。試合は、鶴岡が攻め、谷川が指導を受け、鶴岡が優勢に試合を進めるが、残り僅かな時間に鶴岡が指導を受け振り出しに。GS(ゴールデンスコア=延長戦)に入ると谷川が攻めるが要所で鶴岡が谷川の指導を誘い勝利した。初出場したこの大会で3位になった感想は、「自分より格上の人たちばかりで、対戦できたことはいい経験になりました。3位は正直悔しい気持ちと自信になった気持ちと半々です」と初々しく話した。続く昨年この大会で準優勝をしている月野珠理(3年 愛知・大成高)と出口クリスタ(3年 長野・松商学園高)の試合は、袖を掴み臨戦態勢に入ろうとする月野に対して出口は足を使い相手の状態を起こしたところで必殺の大外刈りで月野を畳の上に沈めた。月野珠理選手は「優勝を目指していたからここで終わってしまったのは悔しいです。自分の組み手に全くできなかった。相手は力が強いし上手いです」と脱帽した。「二つ持ったら投げる力はあるので、まずは二つをしっかり持つことをできるようにしないといけないです」と反省も忘れない。準決勝で敗れた月野珠理と谷川美歩は3位になった。

◆《女子57㎏級決勝 鶴岡来雪VS出口クリスタ》

この大会の決勝戦は鶴岡来雪(4年 愛媛・新田高)と出口クリスタ。鶴岡来雪選手は「後輩で強い選手なので気持ちで負けないようにいったのですけど。まだ力が足りないと思いました」。一方、1年・2年で3位に終わった出口クリスタ選手は「絶対負けたくなかった。先輩、後輩は関係ないので勝ちに行きました」と優勝にこだわった。試合は、互いに自分の有利になる組み手を探る。開始25秒出口は巴投げを仕掛け技ありを決めると、そのまま寝技に持ち込み合せ技で1本を取ったと判定されたが、それは無効になった。その後は鶴岡も自分の柔道に持ち込もうとするが、後半再び技ありを決められ前半の技ありとの合わせ技で1本を取られ敗れた。出口クリスタは初めての優勝を獲得。鶴岡は準優勝に涙を呑んだ。出口選手は「準々決勝で自分のミスでピンチになりぎりぎりのところで逆転で勝つことができたので決勝では何が何でも、腕が折れても勝ちたいと思って臨んだのが良かった」と話した。同学同士の優勝争いは出口クリスタが初優勝を飾り、鶴岡来雪も初の準優勝でこの階級山梨学院が上位4人に名を連ねた。

◆《女子52㎏級決勝 優勝 米田愛理子》

「最後は内股で1本です。準々決勝、準決勝は指導で勝ったのでしっかりポイントを取って勝ちたいと思いました」と言葉に力がこもる。52㎏級で初優勝を果した米田愛理子選手(3年 石川・津幡高)。出足は軽いフットワークで相手の様子を窺う。互いに技を繰り出しせめぎあうも決め手がなく米田に最初の指導が与えられる。その後もこう着状態が続き互いに指導1で終盤に入ると足を中心に攻めていた米田が残り30秒、相手の一瞬を突き、豪快な内股を決め1本勝ちを収めた。米田愛理子選手は「自分は今まで成績を残していないので、プレッシャーとか何もなくリラックスして臨めた」と無欲の勝利を喜んだ。準決勝でGSの延長戦で9分を軽々戦った脅威のスタミナは今後の戦いの大きな武器になる。山部伸敏女子監督は「米田は学生NO.1を懸けた大会で優勝したことは大きな力になる」と期待を寄せる。

山部伸敏女子監督は「今日は全体的に申し分ない出来です。57㎏級はたまたまではなく、今のうちの力を出した結果です。周りは山梨学院ばかりが並んだので驚いているが、はっきり言って今のうちの力を出せばこういう結果になる」と力を込めた。

一方、山梨学院勢男子を見てみると、2日目は、100kg級の春日良太(3年 神奈川・東海大付属相模高)と100kg超級藤井靖剛(3年 神奈川・桐蔭学園高)がベスト8に入り、100kg超級の佐藤天信(4年 熊本・東海大付属熊本星翔高)3回戦敗退。100kg級渡邊大樹(3年 埼玉栄高)、90kg級秋元涼太(3年 埼玉栄高)、加藤慎之助(1年 神奈川・日大藤沢高)が2回戦で敗れた。女子では48kg級納杏奈(3年 東大阪大敬愛高)が1回戦で敗退した。

この大会で5位以上(ベスト8)になった選手には、柔道日本一を決める11月の「講道館杯全日本柔道体重別選手権」の出場権が与えられる。山梨学院大から初日4人、2日目8人計12人が出場権を獲得した。

文(K.F) カメラ(藤原 稔) 2016.10.2