リオ「競歩」藤澤勇、「ホッケー女子」河村 表敬訪問
~古屋学長らとリオ五輪の出場種目について歓談~
~4年後の東京五輪での抱負を語る~
山梨学院大学卒業生でリオデジャネイロ五輪の陸上20km競歩に出場した藤澤勇選手(商学部2010年卒 ALSOK)とホッケー女子日本代表の河村元美選手(現代ビジネス部3年)が10月4日、古屋忠彦学長らを表敬訪問、リオ五輪での活躍を報告した。藤澤勇選手は上田誠仁監督と本学出身者でアトランタ五輪競歩10km日本代表、現在、ALSOK競歩監督佐藤由佳(旧姓三森)さんを伴い、また、河村元美選手はホッケー部・寺本祐冶総監督、ジョン・シアン女子監督とともに学長室を訪れた。二人を笑顔で出迎えた古屋忠彦学長は「70周年の記念すべき年だっただけに本学からロンドン五輪と同数の選手が出場し、歴史に残る燦然と輝く実績を作ってくれたことはとても誇らしかった」と二人の出場を労った。歓談にはカレッジスポーツセンター下田正二郎センター長も同席し、最後は全員で記念写真に納まった。
藤澤勇選手は長野県中野市出身。中野実業高(現在の中野立志館高)の時に全国高校総体の5000m競歩で4位の成績を残し、山梨学院大学に進学。大学に入り競歩の才能に目覚め、20km競歩では常に上位を占めるようになった。20km競歩が専門だが、10000m、5000m競歩の全日本記録保持者でもある。卒業後実業団に入り年々記録を伸ばし、その成果が実り2012年にロンドン五輪の20km競歩日本代表選手に選出され、日本人選手の中ではトップの18位でゴールした。藤澤選手は小学校5年の時に地元長野市で開催された冬季五輪を見て五輪に憧れを持つようになったという。2012年のロンドンオリンピックは18位。昨年の世界選手権では13位。今年出した2時間18分45秒のベスト記録からメダル候補に挙げられていた。2年連続となるリオ五輪では勝負どころとなる15キロ手前から集団で遅れ、結果は1時間22分03秒、21位でゴールした。ベストから3分以上遅い記録だった。優勝した中国選手の記録は1時間19分14秒だった。
河村元美選手は大阪府岸和田市出身。ホッケーは中学時代に友人に進められ始めた。ホッケーで全国的に知られる羽衣学園高校1年の時にレギュラーの座を獲得。高校2年時にはインターハイ優勝、2年・3年の時にはU-18(18歳以下)日本代表に選出された。華々しい戦歴を携えた高校を卒業後、「大学の中で一番強い大学なので上手な先輩とプレーしたいということと、いつでも練習できる環境がいいと聞いて」、山梨学院大に進学した。1年から先発に起用され、2014年にインカレ、2015・2016年大学王座決定戦2連覇などチームに大きく貢献した。157cm、54kgと小柄ながらゴール前のポジショニングや決定力に優れるなどの評価で代表に選出された。リオ五輪では、全試合で出場したが大柄な外国人選手の当たりの強さやスピードの前に得点には恵まれず悔しい思いを募らせた。
リオ五輪の20km競歩に出場した藤澤勇選手と女子ホッケー代表として全試合に出場した河村元美選手が学長室に入ると古屋忠彦学長はにこやかに二人を出迎えた。表敬訪問には陸上競技部の上田誠仁監督と山梨学院大学出身アトランタ五輪女子10km日本代表。現在、ALSOK陸上部・佐藤由佳(旧姓三森)競歩監督。寺本祐冶ホッケー部総監督、ジョン・シアン女子監督、下田正二郎カレッジスポーツセンター長が同席した。歓談の中で古屋忠彦学長は「オリンピックの競技は色々ですが日本代表選手を5競技から10人出した大学という誇りは、70周年の年だっただけにうれしかったですね。ロンドンに負けない数を送り出したことは歴史に残ることですから次の4年後に向けて燦然と輝く歴史」と喜びを表した。大会のことを尋ねられると河村元美選手は「初戦はインド戦だったのですけど、そこでしっかり勝ち切るという難しさを痛感して、そこからの流れで1勝することも難しくて、そこがオリンピックの戦い方が大切なことだと痛感しました」と応えた。東京五輪のことを藤澤勇選手は「次のオリンピックもちろん考えています。32歳になりますが、息の長い種目ですから頑張ります」と東京五輪に意欲を示した。下田正二郎センター長は「バルセロナから気が付いたら7大会のオリンピック。この二人を含めて52人の選手が生まれたということは、我々としてみれば気が付いたらその数になっていたので、次は東京五輪に向けて、その集大成として今まで出場した競技の全競技から現役選手を出場させ、山梨学院の一つの形『カレッジスポーツセンター』が全日本学生の戦い『インカレ』で勝ちたいと言って努力してきたその結果がオリンピックに繋がっていったことを、8回目になる東京に向けて集大成として仕上げたい。今日の二人も東京への道があると思いますので頑張って欲しい」と、さらなるカレッジスポーツセンターの役割強化を語り、二人にエールを贈った。最後は全員で藤澤勇選手、河村元美選手の東京五輪での出場を期待し、記念写真に納まった。
学長室での歓談を終えた藤澤勇選手は「世界ランキング2位でメダルを狙える位置で出たのですけど、ちょっと怪我で練習できない時期があり、本番では気負いすぎて実力が上手く発揮できない大会でした」とリオ五輪を振り返った。大学への思いを、「大学を卒業してからも3年間、7年間もこの山梨でお世話になり、育てていただきいろいろな悔しい思いなど経験して、またここへこのように戻れ、後輩たちにオリンピックの素晴らしさを伝えられればと思います」と話した。4年後の東京五輪に向けては、「3大会連続となるのでメダルという形でしっかり大学に恩返しが出来ればと思います」と抱負を語った。河村元美選手は「目標としていたメダルに全然届かなく予選敗退という結果になってしまい、個人でもチームとして悔しい結果になってしまいました」と無念の思いを語った。「今回の個人としての目標は点を取るということでしたが、その目標が達成できなかったので、東京に向けてまだ時間があるので大学の練習や大会で、そこからしっかり点を取ることを意識していきたいと思います」と課題を挙げ、次の目標に狙いを定める。パブリックビューイングに話を向けると、「選手全員を応援してくれている中のひとりとしてすごく心強かったです」とチームメイトに感謝した。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2016.10.4