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山学短大「第37回木犀の会」で芸術鑑賞
~学生たちが山学創立者の“建学の精神”を確認~
~3人の一流演奏家が奏でる優雅な調べを堪能~

山梨学院短期大学は10月4日、山梨学院創立者・故古屋眞一初代学院長、故古屋喜代子初代学長の建学精神を学ぶ「第37回木犀の会」(もくせいのかい)を山梨学院メモリアルホールで行った。会の名称は、古屋喜代子学長の忌日が、木犀の香りがただよう頃であったことと、謙虚で温かい人柄を偲ばせる花であることから名づけられた。亡くなられた翌年1980年10月4日から毎年開催されている。「学生が自らの道を切り開くには“真・善・美”に限りない憧れを持つことが大切」という初代学長の教えから、この日を芸術鑑賞の日としている。初めに山内淳子短期大学長が「皆さんの母校の山梨学院短期大学がどのような大学なのか一年に一度皆さんと一緒に確認させていただきたい」と呼びかけ、プロジェクターを使用し、創立者の“建学の教え”や短大の歴史を説明した。続いて芸術鑑賞を行い、今年度はヴァイオリンのソリストとして国内外での活動や、東京フィルハーモニーオーケストラのコンサートマスターを務める三浦章宏氏とご子息である若きヴァイオニストとして注目される三浦文彰氏、ピアニストでソリスト、声楽伴奏、合唱伴奏など幅広く活躍する水野彰子氏を招いてクラッシックコンサートを行った。ヴァイオリニストの三浦章弘氏・文彰氏の親子共演、それぞれのソロ演奏、ヴァイオリンとピアノの合奏と優雅な調べが芸術の秋に相応しい豊穣なひとときを醸し出し、メモリアルホールを埋めた約650人の短大生や教職員は熱心に聞き入っていた。コンサート終了後の午後12時05分には、サザンタワーのレインボープラザ3階に注ぎ込まれた太陽光が、5階の天井に“建学の象徴”として虹色の光を浮かび上がらせた。

山梨学院短大45号館南側の川沿いには、6本の金木犀と7本の銀木犀が植えられている。今年は不順な天候が続き「木犀の会」直前の強い雨で花がほとんど散ってしまったが、まだ周囲はほのかな木犀の芳香に包まれていた。木犀の会は短大生約600人と教職員、一部保護者の方が集まり山梨学院メモリアルホールの650席は満席となった。山梨学院は終戦の翌年、戦後の混乱の中、古屋眞一初代学院長と古屋喜代子初代学長が「日本を再建しよう、地方に文化の塔を建てよう」と強い決意のもと創設した。短大サザンタワー1階の古屋喜代子初代学長の銅像の横にあるレリーフに短歌が刻まれている。平和が永久に続き、若い木が大きく育つのを見守るよう、学生が有意義な生活を送ることを願い、「たまゆらの いのちを とわに托さんと 若き欅を校庭に植ゆ、大いなるものをば たのみまいらせて 心ゆたかに ありたしと思う、学院のすべての人に幸福と 平和来たれとひたに祈るも」と古屋喜代子初代学長の教育への思いと、建学の精神が歌われている。

木犀の会第1部は、まず、山内淳子短期大学長が「皆さんの母校の山梨学院短期大学がどのような大学なのか一年に一度皆さんと一緒に確認させていただきたい」と学生たちに呼びかけた。山内学長は、プロジェクターを使い山梨学院の歩みを辿り、「今年山梨学院は創立70周年を迎えました。終戦の翌年、焼け野原に1棟残ったビルの部屋を借りて山梨実践女子高等学院が誕生。今の山梨学院短期大学の食物栄養科の前身、70年前のことです。山梨学院の70年の歴史は私たちの食物栄養科から始まりました」と説明すると客席から大きな拍手が沸いた。さらに古屋眞一学院長、古屋喜代子初代学長が、『教育によって祖国を、郷土を蘇らせよう』と取り組んだ山梨学院創立の強い決意や建学の精神を分かり易く説いた。「学生のことを考えると道が拓けてくる」など慈愛に満ちた言葉を残した古屋喜代子学長が亡くなった翌年1980年10月4日に“建学の精神”を訪ねる会として「木犀の会」が始まった由来を説明した。「学生が自らの道を切り開くには“真・善・美”に限りない憧れを持つことが大切。そして本物の素晴らしい芸術こそが学生に相応しい」という初代学長の教えから、この日を芸術鑑賞の日としている。

第2部のクラッシックコンサートは、ヴァオリニストの三浦章宏氏、三浦文彰氏の親子、ピアニストの水野彰子氏を招いて行われた。三浦章宏氏はソリストとして国内外の楽団と共演。2001年より東京フィルハーモニー交響楽団のコンサートマスターの重責を担い現在に至る。また、山梨学院とは長年、山梨学院アルテア室内管弦楽団のソリストとしても参加、関係は深い。現在最も信頼されるヴァイオリニスト、オーケストラリーダーとして多彩な活動をしている。章宏氏のご子息三浦文彰氏は、2009年世界最難関と言われるハノーファー国際コンクールで、史上最年少16歳で優勝。国際的な活動も多く、現在、最も将来が嘱望される若手ヴァイオリニストである。水野彰子氏は東京藝術大学院音楽研究科器楽専攻室内楽研究分野を首席で卒業。東京合唱団などのピアニストを務め、TVやFMの音楽番組などに出演。室内楽ピアニスト、声楽伴奏・合唱伴奏ピアニストとして活動している。ヴァイオリンの三浦章宏氏、三浦文章氏親子共演のルクレール作曲「2つのヴァイオリンのためのソナタ集」の演奏から始まり、続いて三浦章宏氏、ピアノ独奏の水野彰子氏のピアノ独奏、3人よるサラサーテ作曲「ツィゴイネルワイゼン」などおなじみの曲6曲が演奏された。アンコールでは三浦文彰氏自ら演奏する、現在放送中のNHK大河ドラマ「真田丸」のメインテーマを弾き始めるとひときわ大きな拍手が起こった。学生らは芸術の秋に相応しい優美な調べが満たす至福の時を堪能した。

保育科2年の小松芽以さんと大関未緒さん(写真左から)は「戦後間もなく、山梨学院が出来たことは知りませんでした。今年創立70周年を迎えたのが、実は短大が始まりだったなんて歴史を学べたのは良かった。誇りに思いました」と話した。

コンサートが終了後、サザンタワー3階のレインボープラザに太陽光が床面に映し出され、5階の天井に虹色が浮かび上がった。この虹は年に春と秋の2回、秋は10月4日12時05分、春は3月10日12時26分に天候に恵まれないと見られない。前日の強い雨で天気が心配されたが、雲が多いながらも時折晴れ間がのぞき、運よくその時間に“建学の象徴”の虹が浮かび上がった。

文(K.F)カメラ(平川大雪)2016.10.6