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日本学生ショートトラックスケート選手権
~男子500m、岩下聖インカレ初優勝~
~男女ともにリレー、総合順位2位獲得~

「第39回日本学生ショートトラックスピードスケート選手権」(インカレ)が10月15日・16日の両日、長野県佐久郡南牧村・帝産アイススケートトレーニングセンターで行われた。スケートシーズン開幕は大学日本一を決める個人・大学対抗戦。今年の山梨学院ショートトラックのメンバーは男子4人、女子4人の8人。初日に行われた男子500mで岩下聖(4年)が初優勝。女子1500mでは中野あやめ(1年)が2位を獲得、初の表彰台に登った。2日目は女子1000mで昨年優勝の松島ジョアンナ瑶子が(3年)2位、中野あやめが3位に入り対抗戦ポイントに貢献した。男子3000mでは菊地哲平(3年)が昨年と同じく2位に入る健闘を見せた。男子は5000mリレーで2位。3連覇を目指したが叶わなかった。昨年出場がなかった女子3000mリレーも2位に入り総合得点の上積みに大いに貢献、学校対抗総合順位を昨年の3位から2位に押し上げた。男子は昨年同様2位を保持、来年に優勝を狙う。

ショートトラックの1周は111.12m。数人の選手が同時に滑り、順位を競う。タイムトライアルではなく着順で順位を決めることから『氷上の競輪』とも呼ばれている。競技の距離は5000m、3000m、1500m、1000m、500mがあり、それぞれの周回は45回、27回、13.5回、9回、4.5回トラックを回る。この競技の魅力は、鋭いカーブを絶妙なバランスとスピードを持って、選手同士の駆け引きがもたらすスリリングなレースが展開され、接触や転倒も多く迫力感に満ち、見るものを魅了する。「日本学生ショートトラック選手権」は学校対抗戦で全レースに順位ごとに決められた得点が与えられ、その得点合計に基づき順位を決定する。山梨学院大スケート部はショートトラックスケート専門の部員が少なく、リレーに出場する4人の選手を確保するため、また、学校対抗戦ポイント獲得に備えるため今回、男子1人、女子2人のスピードスケート選手を加え大会に臨んだ。

◆競技1日目 10月15日
《男子500m優勝・岩下聖  女子1500m2位・中野あやめ》

優勝した岩下聖(4年 長野・小海高)は、現在ナショナル強化選手に指定されショートトラックスピードスケート界を担う選手。長野県小海町で幼い頃からスケートに親しみ、スケートの名門小海高校に入学、今回大会会場になった帝産クラブで練習を積み山梨学院大に進学した。昨年の全日本選抜ショートトラック選手権大会総合4位、今年の全日本ショートトラック選手権大会総合11位になり、力を付けている。大会1日目500m(4周)にエントリーした岩下は予選、準々決勝、準決勝とスタートダッシュと的確なコーナリングで他選手を寄せ付けず各組1位で決勝に進出。決勝では素早いスタートダッシュで先頭に立つと、後続選手もぴたりと岩下をマーク。しかし幕切れは呆気なかった。後ろに付けていた選手2人が接触転倒、最後尾の選手もその後に転倒。結局岩下がそのままゴールし、優勝を飾った。岩下聖選手は「決勝は皆転倒してたまたま生き残っていたのが自分だっただけなので、勝ちとは言えないですけど、大学に貢献できたのは良かったので少しほっとしています。調子は悪くはなかったと思います。氷は良くなかったですけどコーチのいいブレード整備のおかげで気持ちよく滑れました」と話した。「先日の全日本距離別の結果が悪過ぎて、一から見つめ直さなければと思い、今回インカレに臨んだのですけど、インカレは全日本距離別と違ってレベルが上の選手がいなく大学生しかいないのでそれなりの結果は残さなければいけないと自分では思っています」と明日の1000mに意欲を表した。

女子1500m(13周)で2位になった中野あやめ選手(1年 山梨学院高)は「実力通りの結果です。1位の選手が同じ年だったので、勝ちたかったんですけど予選から同じ組で上がっていて、予選の時点でもう力の差があったのでまあまあ納得しています」と淡々と話した。中野はスケートの盛んな群馬県出身。小学生の頃からスケートを始め、中学と競技を進めてきた。高校は、本人の希望で施設や指導者などの良い練習環境を求めて山梨学院高校に進学した。高校2年の時にワールドカップのジュニア枠の日本代表に選出されるなど将来を嘱望されている。レースは中盤まで先輩の松島ジョアンナ揺子(3年 長野・小海高)の後ろにつき様子を窺う。残り3周スピードアップした先頭集団の中で中野は2位につける。最後の1周、中京大の選手がスパート、中野は必死に追いかけるも逃げ切られ2位となった。大学に進学後初めてのインカレに出場した中野は「初めてのインカレは、レース的にはいつもと変わりません。2週間前に距離別があって、そんなに調子が悪くなかったので、そのまま引き継いで、調子を崩さずにこれたのは良かったと思います。学校対抗なのでポイントを取ろうと思っていました」と話した。4位には3位とブレードの1cmの差で表彰台を逃した松島が入った。
1日目他の選手は男子1500mで決勝に進んだ菊池浩樹(2年 長野・小海高)が残り2周で転倒し、5位に終わった。

◆競技2日目最終日 10月16日
《男子3000m2位・菊池哲平 1000m3位・岩下聖》
《女子1000m2位・松島ジョアンナ揺子、3位中野あやめ》
《男子5000mR2位。大会3連覇ならず。女子3000mR2位》

1日目の男子1500m準決勝で転倒し、決勝進出を逸した菊池哲平(3年 長野・小海高)は、男子3000m(27周)で決勝進出、序盤後方に位置し集団の様子を窺う。残り6周辺りからスピードが上がり、密集した集団の中から抜け出し、上位につけるが残り1周、1位を追いかけるも及ばず2位となった。菊池哲平選手は「最後1位を狙える機会はあったと思うので、2位という結果は自分的にはあまりうれしくないです。昨年のインカレも2位で終わってしまったので1位を取りたかったです」と話した。もう一人の決勝進出者の菊池浩樹(2年 長野・小海高)は残り7周で転倒し、惜しくも表彰台を逃し5位に終わった。

女子1000m(9周)で2位となり、対抗ポイントに貢献した松島ジョアンナ瑶子選手(3年 長野・小海高)は、ボリビア人の父と日本人の母を持つ、東京都出身。小学6年生で始めたスケート。中学3年の時、スケートをするため環境が整っている長野県小海町に単身転入。スケートの名門小海高に入学してからはスピードスケートを部活で、帝産クラブでショートトラックスケートを練習する二刀流を続けてきた。現在は、ショートトラックスケートを中心に取り組んでいる。昨年岩手県二戸市で行われた大学2年のインカレでは1500m、1000mで優勝、二冠を達成した。今大会では1日目の1500mで僅かブレート1cmの差で4位となり、表彰台を逃がした雪辱を晴らすべく1000m決勝に臨んだ。決勝は山梨学院大松島と中野の2人、中京大2人の一騎打ち。スタートから先頭争いに松島が先に立ち、中京大が後に続く。その後も2校の息詰まる駆け引きの中、残り1周、中京大の1500m優勝者の平井亜実がスパート。松島が必死に追うも届かず、2位となった。松島ジョアンナ揺子選手は「2対2なので1・2位取られて3・4位にならないようにと一番に心掛けて味方がいるのでチームスケーティングとまではいかないですが、やれるようにはしていました」と振り返った。今大会について、「調子はいいとは言えない状態ですが、心と身体を上手く一致させるようにラウンド重ねていくごとに、最初は少し駄目だったですけど出来てきたような気はします」と話した。3位となり、1500mに引き続き表彰台に登った中野あやめ選手は「絶対に3位は死守しようとする気持ちはあって、同じ選手(1500m)に負けたということは力の差は歴然としてあるので、次は挑める立場までいきたいと思います」雪辱を期した。
男子1000mでも優勝が濃厚だった岩下聖は残り3周半で転倒、悔やみ切れない3位となった。

◆男子5000mR《岩下聖・菊地哲平・菊地浩樹・青木雅弥》
 女子3000mR《朝倉由佳・松島ジョアンナ揺子・虫狩光桜・中野あやめ》

インカレの大学対抗戦で一番の盛り上がりを見せるのが男子5000mR(45周)、女子3000mR(27周)。男子はこの種目2連覇を成し遂げ3連覇を目指していたが、ショート専門の部員が足りなくスピードスケートの選手1人を補助要因として抜擢した。専門外の壁は高く2位となり3連覇は逸したもののそれぞれが役目をしっかり担った。レースはめまぐるしく変わる展開となった。中盤でトップを行く阪南大が転倒、2番手争いをしていた山梨学院大と神奈川大がそこからスピードアップ、2チームの優勝争いになったかに思えたが、そこから阪南大が脅威の粘りを見せ、山梨学院は残り4周で阪南大にかわされたがゴール直前山梨学院は執念を見せ、前を滑る阪南大にブレードの差で2位をもぎ取った。岩下聖チームリーダーは「一人は専門外だったですけど、4人だったから2位に入れたと思います。自分も最後に走れたのは他の3人が自分の代わりに力を使ってくれたから最後まで頑張れました。1位といううれしい結果は持ってこれなかったですけど、やれるだけのことはやった4人で掴み取った2位です」と胸を張った。女子も松島、中野のほか朝倉由佳(4年 長野・東海大付属第三高)と虫狩光桜(2年 北海道・池田高)はスピードスケートの選手でチームとしては絶対的な存在ではないものの、山梨学院の戦う姿勢を見せる起用に応えた好走で2位という順位の力になった。

試合後、川上隆史監督は「ショート専門の選手が足りなく苦しい大会だったですが、総合成績は男女ともに2位で上位の位置はしっかり守ったのは、来年以降絶対に上に上がっていく一歩が今年のインカレでは見られたと思います。チームとしては人数少なかったですけど、少数精鋭で頑張ってくれました」と選手を労った。篠原祐剛コーチは「1日目は余りエンジンがかからなく、夜ミーティングしながらもう一度チームの力を終結させて、明日のレースに臨もうと激を飛ばしました。今日は普段から本人たちが一生懸命やってきたチーム力が出せたのかなと思います」。「今年が創立70周年、スケート部が創部40周年という節目の年ということで最善を尽くして成果をださなければいけないと川上監督と相談し、ショートとスピードの選手と一緒に大会に参加し、昨年より成績が上がった2位という結果は非常に良かったと思います」と話した。

最終学校対抗男子総合は、1位・阪南大128点、2位・山梨学院大108点、3位・神奈川大104点、4位・大阪経済大85点、5位・関西学院大56点、6位・立教大38点など。女子は1位・神奈川大81点、2位・山梨学院大71点、3位・中京大67点、4位・同志社大20点、5位・早稲田大20点、6位・関西学院大19点などとなった。以上、山梨学院大は男女とも総合順位は2位となった。これは前回大会の男子は同位、女子は順位を一つ上げた。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2016.10.16