山梨学院パブリシティセンター

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オータムプロジェクト2016
~学年の枠を超えたチームで協働作業~
~輝学祭に向け、活動・準備も追い込み~

山梨学院中学校が新しい学校づくりに取り組み始めて3年目になった。改革の中心になるのが、教科の学習と並行して、学びの大きな柱となる「プロジェクト」という自主学習の積極的な取り組み。一年を通じて個人の興味・関心に従ってテーマを決め、調査研究をし、その成果を論文にまとめていくのが「パーソナルプロジェクト」。他に数人から十数人のグループに分かれて課題を探求するのが「チームプロジェクト」。そのチームプロジェクトとして、秋に取り組んでいるものが「オータムプロジェクト」。10月11日から23日の間、2週間かけて文化的・芸術的・科学的活動を1年から3年の学年の枠を超えて活動する教育プロジェクトが行われている。期間中、午後の時間を使い全学年全クラスによる合唱練習、チーム活動として「動画」、「実験」、「MC研究」、「劇」など7チームに分かれ、最終日の23日に山梨学院メモリアルホールで行われる「輝学祭」発表に向けて準備が進められていた。

山梨学院中が、取り組む新たな教育システムに国際バカロレア教育がある。その中で大事にしているシステムが「パーソナルプロジェクト」という世界標準の教育システム。1年を通じて、中学3年間を通じて、あるいは生涯学び続ける人間を育てる“Life Long Larner(
ライフロングライナー)”というIB教育にも繋がる教育。山梨学院中は、教育プロジェクトによって大学にいっても研究に繋がるような下地を今から作っていき、ここで学んだことを膨らませ、高校で大学へ進学するためのモチベーションへと高め、さらに大学の研究に繋げることが出来ることを目的にしている。他の学校とは違うことを生み出していく取り組みがこのプロジェクトというもので、生涯学び続けるための一つのプロジェクトとて定義づけている。

オータムプロジェクトは、6月下旬に始動。夏休み前にテーマ決定、チーム希望・活動計画表、運営方法などが決められた。夏休み後は、実力テスト、期末試験、各運動部の甲府市新人戦などを挟み各チームの準備が進められた。オータムプロジェクトの狙いは、1.「先生がおしえること」から「生徒が学ぶこと」へのシフト。2.学年の枠を越えて学習に取り組み、共同で追求することの楽しさを味わうこと。3.輝学祭での学習成果の発表を通し、伝える力を育むこと。としている。3回目となる今年のオータムプロジェクトのテーマは「咲ク~~Let yourself bloom!~」と決まった。10月11日から本格的な活動が始まった

今年のチーム活動は、「動画」、「影絵」、「実験」、「MC研究」、「劇」、「身体表現」、「切り絵」の7チーム。
◆7チームによる活動内容
○動画チーム=PV風、CM風に各チームの活動の様子や発表での見所を動画で表現する。
○影絵チーム=影絵の原理を学び、仲間と協力して作品を完成させる。
○実験チーム=チームでアイディアを出し合い、工夫して検討。実験したことをみんなに
紹介するために分かり易くまとめる。
○MC研究チーム=発表と発表の間の時間をみんなが楽しめるようプロディースし、ステージを盛り上げる。
○劇チーム=自分たちの考えや意見を劇を通して伝える。1から寸劇を創り上げ完成度の高い作品に仕上げる。
○身体表現チーム=テーマに合わせたパフォーマンスを組み合わせ、リズムに合わせて身体を通じて表現する。
○切り絵チーム=黒か穴かというシンプルな美を追求。切り絵に光が通り抜けることによる、影の美を追求する。

3回目を数えるオータムプロジェクトについて保坂恒太教諭は「毎年チームも異なったりするので、新しいチームはいろいろ模索しながら、踏襲できたチームは昨年度の反省点などを踏まえ、さらに良くしようとしています」と話した。取材した10月19日は、午前中の4時限目に各クラスで合唱の練習が行われ、午後は、チームごとに分れ、それぞれの活動が開始された。「MC研究」チームは各チームの発表の間を楽しく繋ぐために今回新しく結成された。MCチームのリーダーを務める古屋太輝さん(3年)は「このMCチームは初めてなので何をしたらいいか分からず大変でした。アイディアを試行錯誤して皆で考えました。後輩たちともいろいろ協力してやっているので楽しいです」と話した。「劇」チームは桃太郎の話をモチーフにコメディタッチに仕上げるという。チーム全員で構成、脚本、演出、大・小道具、衣装、音響のすべてを担当。芙蓉ホールで練習を見守る演出・脚本担当の古川琴音さん(1年)は「たくさんの人が見て“面白いな。こういう桃太郎も楽しいな”という意外性のある新しい劇にしていきたいです。私の書いた脚本を先輩方や同級生が再現してくれるのはうれしいです」と笑顔で話した。「影絵」チームはプロジェクターの光りで、スクリーンに仲間たちが映し出す影絵の調整に余念がない。「動画」チームは各チームに分かれ、チームの活動の様子を紹介するため、タブレットで撮影、編集作業に追われていた。

山梨学院中の全教室、廊下、ホール、実験室すべてで生徒たちの熱気溢れる取り組みが展開されていた。輝学祭は10月23日(日)、山梨学院キャンパス内メモリアルホールで11時50分から行われる。弁論発表の後、各チームプロジェクトの発表を行い、午後2時45分からからそれぞれのクラス合唱の発表が行われる。

オータムプロジェクトというチームプロジェクトは、仲間と共に協働して課題に取り組み、一つの目的に向かい成果を共有するという喜びを体験する。山梨学院中244人全員が23日の輝学祭に向け、まっすぐに進んでいた。

文(K.F)カメラ(平川大雪) 2016.10.19