リオ「競泳」鈴木聡美・江原騎士、表敬訪問
~古屋学長らにリオ五輪でのレースの思いを報告~
~二人は4年後の東京五輪への決意を語る~
山梨学院大学卒業生でリオデジャネイロ五輪の競泳に出場した鈴木聡美選手(経営情報学部2013年卒 ミキハウス)と同じく江原騎士選手(現代ビジネス部2016年卒業 自衛隊体育学校)が10月27日、古屋忠彦学長らを表敬訪問、リオ五輪出場を報告した。山梨学院からは下田正二郎カレッジスポーツセンター長、神田忠彦水泳部監督。また江原選手が所属する自衛隊体育学校関係者2人が同席した。鈴木聡美選手は、ロンドン五輪に続き2度目の五輪出場。江原騎士選手は甲府市出身で山梨県から競泳に初めて五輪日本代表として出場した。鈴木選手は女子100m平泳ぎ準決勝で12位となり決勝には進めなかった。江原選手は男子800mリレーに出場。第2泳者として52年ぶりの銅メダル獲得に貢献した。二人を笑顔で出迎えた古屋忠彦学長は70周年の記念の年にリオ五輪に本学から多くの選手と役員が出場したことに喜びを語り、「オリンピックに出られることがすごいことなので、次の東京五輪に向けて挑戦することを応援します」と二人のこれからの活躍を期待した。なお、江原選手は本日『山梨県イメージアップ大賞』を受賞することも報告した。
◆リオ五輪成績結果 《鈴木聡美 女子100m平泳ぎ準決勝敗退(全体の12位) 4X100mメドレーリレー予選敗退》
鈴木聡美選手は福岡県出身。水泳は小学校から始めたが、高校までは目立った成績を残せなかった。山梨学院大に進学すると目を見張るほどに力を付け、1年のインカレ(日本学生選手権)100m平泳ぎで日本記録を樹立した。その後も目覚しい活躍を見せ、大学4年の時に初めて出場したロンドン五輪の女子100m平泳ぎで銅メダル。200m平泳ぎでは銀メダルを獲得、個人種目で1大会複数メダルを獲得したのは日本人初。続けて400mメドレーリレーでは第2泳者として銅メダル獲得に貢献した。一躍時の人になり、聡美スマイルと言われる笑顔で日本中を魅了した。2回目となるリオ五輪では女子100m平泳ぎと400mメドレーリレーの2種目に出場、リレーでは予選敗退したが、100m平泳ぎでは予選を13位で通過、準決勝に進んだが全体の12位のタイムで決勝に進めなかった。「予選で手応え感じていたので、それが出せなく悔しい気持ちでいっぱい」とレース後のインタビューで応えていた。
◆リオ五輪成績結果 《江原騎士 男子400m自由形予選敗退 男子4X200mリレー銅メダル》
江原騎士選手は山梨県甲府市出身。山梨学院高校2年の時、インターハイ100m自由形で優勝。一躍全国に名を知られた。山梨学院大学に進むと中長距離にシフト、めきめき実力を付けた。大学2年のときに初めての国際大会東アジア大会400mで自由形優勝。日本でのトップスイマーに成長。昨シーズンは世界水泳選手権男子800m自由形リレー日本代表出場、日本学生選手権400m自由形優勝、国体成年男子400m自由形優勝、男子400m自由形短水路日本新記録と輝かしい成績を上げた。卒業した今年4月の日本選手権で200m自由形の3位に入り、1位から4位までの合計タイムがリレー派遣標準記録を上回り、4人が他の基準も満たしていたため、男子800m自由形リレーのメンバーとしてリオ五輪代表に選出された。レース後のインタビューで江原選手は、「タイムは上げられたのですけど目標のタイムに届かなく自分の中では残念ですけど、3人の力を借りてメダルを取れたので本当に感謝でいっぱいです」と話していた。
◆赤のブレザーと白のパンツで颯爽と古屋学長らを表敬訪問
鈴木聡美選手と江原騎士選手は、赤のブレザーと白いパンツという、52年前の東京五輪を思い起こすリオ五輪日本代表選手団ユニフォームで颯爽と学長室を訪問。古屋忠彦学長はにこやかに二人を出迎えた。表敬訪問には下田正二郎カレッジスポーツセンター長、神田忠彦水泳部監督、自衛隊体育学校の関係者2人が同席した。まず、古屋忠彦学長は二人のリオ五輪出場を労った。それに応え鈴木聡美選手は「2回出られたというのもうれしいことでしたし、やはり私はメダルを狙っていましたけれども、本番でなかなか上手くいかず、前回でメダル3つ取れたことで、準決勝で終わった瞬間には悔しさしかなくて、でもこの悔しさがあるからこそ次の東京を目指して、また、メダルを取りたいという気持ちにもなれました」と東京に挑む決意を述べた。江原騎士選手は「銅メダルを取ったリレーは100%の力は出せたと思いますが、初日の個人種目の時には他の国際大会と同じようにさほど緊張感はなかったですけど、召集所に入ったところで、子どもの頃からの憧れの舞台にようやく立てたという気持ちが無駄にでてしまい、個人の400mはいつの間にか終わっていて、そのあたりがあまり思い出せなく、そのオリンピックの雰囲気を経験したことでリレーの方は成功したと思います」と振り返った。また、古屋忠彦学長は、この日江原選手が受賞する『山梨県イメージアップ賞』に触れ、「一番初めにイメージアップ大賞を受賞したのは箱根駅伝優勝の陸上競技部、そして鈴木さんも4年前に取っており、他にも受賞していて本学が一番多い」と喜びを表した。愛弟子への感想を求められた神田忠彦監督は「江原は初めてのオリンピックで緊張もしたでしょうけど、周りにも恵まれたこともあり、本当に高い水準で銅メダルを取れましたけれど、本人もまだ、未成熟ですので東京に向けてさらに頑張ってほしいと思います。鈴木に関しては、レースが終わったらすぐに『悔しいです。東京に向けて頑張ります』と来たので、『そう言うのであれば付き合うよ。今言えることはオリンピアンということを全て忘れ、新入生のつもりで頑張れるならば』」と覚悟を促した。古屋学長は「何人もオリンピックに出場者を出している水泳部にはもう一踏ん張りしてもらって、もっと山梨学院のお家芸にしてもらいたい」と注文を出した。下田正二郎センター長は「ここにいる二人はメダリストで、これは永久に日本のオリンピック史に残ることで、本当に素晴らしいことです。何もないところからカレッジスポーツセンターの各監督が作り上げてきた中で、山梨学院からメダリストがでてきたことに私は心から感謝と敬意を評し、誇りたい」と述べた。
歓談後、メディアの囲み取材で江原騎士選手は「山梨学院にお世話になったおかげでここまで成長できたと思うので、今回の結果を大学に報告したいという気持ちがすごくあり、今日挨拶できたことはうれしく思います」と応え、「今回、山梨学院水泳部男子で初めてオリンピック出場、メダルも獲得できたことは、今後の後輩たちのパワーの源にもなると思うし、僕もまだまだ現役を続けていくので、場所は違いますけど心ひとつに切磋琢磨していけたら」と話した。鈴木聡美選手は「2大会連続ということでメダルを取るという大きな目標がありましたので、メダルを持ち帰ることは出来なく残念でしたが、成績もお伝えすることができましたし、今後に向けて、さらに再スタートを切った報告もでき、これを機に大学に入学した当時の初心の気持ちに改めて少しずつ取り戻していけたらという思いです」と話した。「しぶとく私もまた、4年間続けますので、その思いに負けじと、後輩たちの女子も男子もシード権(インカレ)を獲得できるようにしっかりと頑張っていってもらいたい」とエールを贈った。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2016.10.27