全日本学生柔道体重別団体優勝大会 1日目
~女子は同朋大、筑波大に勝利、準決勝へ~
~男子2回戦敗退。明日に進めず~
「平成28年度全日本学生柔道体重別団体優勝大会」が10月29日・30日の両日開催で、兵庫県尼崎市ベイコム総合体育館で開幕した。北海道から九州まで9地区の予選を勝ち抜いた男子53校、女子19校から精鋭約1000人が母校の名誉を賭けて集まった。大会は、男女ともに1大学7人制、各階級のチーム代表で大学日本一を競う大学対抗戦。大会は男子18回、女子は8回を数える。初めに全日本学生柔道連盟・冲永佳史会長が「選手諸君が柔道の真骨頂であります精神の、そして心身の修養を通じて鍛えた技を、自らの心、相手の心、そして観衆の心に残る美しい柔道を展開されることを大いに期待するものであります」と挨拶。続いて前年度男子優勝校の東海大・小原拳哉主将と女子優勝校の帝京大・松本千奈津主将が選手宣誓をして決戦の火蓋が切られた。1日目の試合は男子が1回戦から2回戦、女子は1回戦から3回戦までが行われた。山梨学院大女子は、シード校のため2回戦から登場。対戦相手の同朋大を7人全員が1本勝ちで勝利。3回戦は強豪筑波大との対戦となった。ともに優勝経験のあるチーム同士、母校の意地を懸け、一歩も譲らぬ展開に7人が引き分けとなり、ゴールデンスコア(代表戦)に持ち込まれ、次鋒の57㎏級の月野珠理(4年)が激闘を制し『袈裟固め』で1本勝ち、明日の準決勝に進出した。男子は、1回戦を仙台大と対戦。7人中5人が1本勝ち、1人が技あり、1人が引き分けとなる圧勝で勝利。2回戦は前回大会で負けている日本体育大。しかし、この日も力を出し切れずに1勝5敗1分けと大敗を喫し、2日目に進めなかった。準決勝に進んだ女子は、前回大会準優勝の巻き返しと二冠を懸けて優勝に挑む。
山梨学院大女子は昨年、全日本学生柔道優勝大会と全日本学生柔道体重別優勝大会の二冠2連覇を帝京大に阻止され、今年は二冠を目指し臨む。男子は過去最高ベスト8より上を目標にする。1日目の女子の配列は先鋒52㎏級、次鋒57㎏級、五将48㎏級、中堅78kg超級、三将70kg級、副将63kg級、大将78kg級となった。1回戦は同朋大(東海)にオール1本勝ち7勝0敗でスタート。2回戦はこの大会優勝経験のある強豪校・筑波大との対戦、接戦が予想された。先鋒の米田愛理子(3年 石川・津幡高)、次鋒・月野珠里(3年 愛知・大成高)、五将・納杏奈(3年 大阪・東大阪大敬愛高)、中堅・蓮尾沙樹(2年 山口・西京高)、三将・新添左季(2年 奈良・天理高)、副将・出口クリスタ(3年 長野・松商学園高)、大将・泉真生(2年 千葉・木更津総合高)が勝利を目指して積極的に仕掛けるが、相手も必勝を懸け、意地と意地の火花が散る激しい攻めぎ合いが繰り広げられた。結局決着がつかず、ゴールデンスコア(代表戦)に持ち込まれた。代表戦は、次鋒の月野が選ばれた。ゴールデンスコアはどちらかが、先にポイントを取れば勝負が決まる。試合が始まると、互いに組手争いから積極的に技を掛け合い、母校に勝利を呼び込むため、攻防を展開。両校の応援もヒートアップする中、試合が始まり3分半、月野が僅かな隙に相手を倒したところを押さえ込みに入り、3分45秒『袈裟固め』で1本勝ちを収め、激闘を制した。代表戦に臨んだ★月野珠理選手は「勝つしかないと思いました。きつかったですけど最後は気持ちで押し込みました」と話した。山梨学院大女子は貴重な勝ち星を挙げ準決勝に進んだ。
◆女子2回戦《山学大VS筑波大》10/29 兵庫・尼崎ベイコム総合体育館
先鋒 52級 |
次鋒 57級 |
五将 48級 |
中堅 78超級 |
三将 70級 |
副将 63級 |
大将 78級 |
GS 代表戦 |
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山学大 | 米田 | 月野 | 納 | 蓮尾 | 新添 | 出口 | 泉 | 月野 |
引分け | 引分け | 引分け | 引分け | 引分け | 引分け | 引分け | ○ 一本 |
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筑波大 | 内尾 | 柴田 | 藤原実 | 藤原恵 | 能智 | 津金 | 村山 | 柴田 |
山梨学院大(7戦7分け GS一本勝ち)勝利
試合後、選手を集めた山部伸敏女子監督は「苦しいんだ皆、必死なんだ。勝つことは、ちょっとの差なんだ。また、明日新しい1試合、2試合最後まで貪欲に勝ち切る。自信を持て」と気持ちを込めた。
◆女子1回戦《山学大VS同朋大》10/29 兵庫・尼崎ベイコム総合体育館
先鋒 52級 |
次鋒 57級 |
五将 48級 |
中堅 78超級 |
三将 70級 |
副将 63級 |
大将 78級 |
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山学大 | 米田 | 月野 | 納 | 山中 | 新添 | 佐藤 | 泉 |
○ 一本 |
○ 一本 |
○ 一本 |
○ 一本 |
○ 一本 |
○ 一本 |
○ 一本 |
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同朋大 | 二反田 | 原 | 永井 | 上山 | 中村 | 濱地 | 松坂 |
山梨学院大(7勝0敗)勝利
◆男子、またもやベスト8の壁を越えられず2回戦敗退
一方、男子は前回大会ベスト16で終わり、今まで最高位ベスト8を乗り越えるべく戦いに挑んだ。男子は全国から53校が参加、大学日本一の頂点を目指し争われる。男子の配列は先鋒100㎏超級、次鋒100㎏級、五将66㎏級、中堅60㎏級、三将90㎏級、副将73㎏級、大将81㎏級となった。山梨学院大の1回戦は仙台大(東北)との対戦。先鋒の藤井靖剛(3年 神奈川・桐蔭高)は引き分けたものの、次鋒・渡邊大樹(3年 埼玉・埼玉栄高)、五将・長倉力斗(1年 福岡・大牟田高)、中堅・安達皇太(4年 茨城・土浦日大)まで一本勝ち、三将の加藤慎之介(1年 日大藤沢高)は技あり、続く副将・神森拓海(2年 広島・近畿大附属広島高)、大将の中田大貴(4年 大阪・東海大仰星高)も1本勝ちを収め、6勝0敗1分けの完勝で1回戦を突破した。試合後選手を集めて、西田孝宏総監督は「今の試合は全て忘れろ。今日は日体に勝つために来たんだから」と選手の気を引き締めた。
◆男子1回戦 《山梨学院大VS仙台大》10/29 兵庫・尼崎ベイコム総合体育館
先鋒 100超 |
次鋒 100級 |
五将 66級 |
中堅 60級 |
三将 90級 |
副将 73級 |
大将 81級 |
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山学大 | 藤井 | 渡辺 | 長倉 | 安達 | 加藤 | 神森 | 中田 |
引分け | ○ 一本 |
○ 一本 |
○ 一本 |
技あり | ○ 一本 |
○ 一本 |
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仙台大 | 長堀 | 川越 | 鈴木 | 風間 | 萩本 | 久保田 | 馬場 |
山梨学院大(6勝0敗1分け)勝利
2回戦の相手は、前回大会の3回戦を1勝4敗2分けで敗れた日本体育大(東京)。山梨学院大男子は、明日に進みベスト8を越えるためには倒さなければならない関門だ。先鋒の藤井で勢いをつけたいところだが、決め手なく引き分け。次鋒の春日良太(3年 神奈川・東海大付属相模高)は終了間際、押さえ込まれ1本負け。続く鳥居天翔(4年 神奈川・東海大付属相模高)、安達も1本負けを喫し、3敗1分けで後がなくなった。続く三将・大町隆雄(4年 福岡・大牟田高)は豪快に大内刈りで一矢を報いるも期待された副将・宮山翔多(4年 大阪・近大附高)、大将・中田も敗れ、明日の準々決勝には進めず初日に姿を消した。
◆男子2回戦 《山梨学院大VS日本体育大》10/29 兵庫・尼崎ベイコム総合体育館
先鋒 100超 |
次鋒 100級 |
五将 66級 |
中堅 60級 |
三将 90級 |
副将 73級 |
大将 81級 |
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山学大 | 藤井 | 春日 | 鳥居 | 安達 | 大町 | 宮山 | 中田 |
引分け | ● 一本 |
● 一本 |
● 有効 |
○ 一本 |
● 有効 |
● 一本 |
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日体大 | 松村 | 松井 | 阿部 | 青木 | 北岡 | 古賀 | 淵原 |
山梨学院大(1勝5敗1分け)敗退
試合後選手を集め、★西田孝宏総監督は「お前たちなりに一生懸命やったんだろうけど地力が違う気がする。普段の稽古から見直して、与えられるだけではなく、自分たちから進んで今後の練習のことをしっかり考えて欲しい」と選手以上に悔しさを滲ませた表情で語った。
文(K.F) カメラ(平川大雪) 2016.10.29