山学小「オクトーバーフェスティバル2016」
~課題探求型授業:プロジェクト。テーマは「新」~
~11チームが興味関心のもと活動した成果を発表~
山梨学院小学校で、児童が興味・関心を抱いた文化的・芸術的活動について、チーム単位で研究活動する課題探求型授業「オクトーバープロジェクト」の発表会「オクトーバーフェスティバル」が11月3日行われた。通常の授業とは別に時間を設け、1年生から6年生まで学年の壁が取り払われ2週間の期間で行われる山梨学院小独自の先進的教育プログラム。今年の「オクトーバープロジェクト」は10月21日から11月3日までの間で行われ、子どもたちは自分が取り組んでみたいと思ったチームに入り、研究や活動に励んだ。今年の全体テーマは「新(あたらしい)~可能性の扉は開く~」。「新」には「新しいこと」や「新しい学び」ということを学んでほしいとの思いを込めた。チームは「ビジュアルメディアデザイン」、「さかさま動画」、「ヨガ・ピラティス」、「ロボテック」、「山梨学院リサーチ」、「話芸」、「恐竜博物館」など11チーム。各チームが悪戦苦闘しながら創り上げた作品や活動・演技の成果は最終日の「オクトーバーフェスティバル」で1000人を超える保護者や学校関係者に披露された。
山梨学院小は「自律性を育てる」「創造力を育む」「ともに生きることを学ぶ」を教育の3本柱に、学習指導要領の枠を超えた先進的教育プログラムに取り組んでいる。山梨学院小のプロジェクトは5月の「スポーツプロジェクト」、秋の「オクトーバープロジェクト」、冬の「ウインタープロジェクト」を三大プロジェクトと位置づけ、「オクトーバープロジェクト」は、文化的・芸術的活動についてチーム単位で学ぶ、“文化・芸術の秋”に2週間にわたる先進的教育プログラム。この期間中は、学年の壁が取り払われ、自由に自分がやりたい分野のチームを選び、1年生から6年生までの児童が同じチームで一緒に同じ研究テーマに取り組んだ集大成を「オクトーバーフェスティバル」で保護者や教育関係者などに発表する。
11月3日、秋晴れのオクトーバー運動場でオープニングが行われた。まず、山内紀幸校長と瀬端淳一郎副校長がリオ五輪での日本紹介のパロディで会場を沸かすと、トワイライトスクール(TS)ベーシックスポーツの1・2年生約50人と・ダンススポーツの「アルティーズ」のメンバー100人による身体表現運動で幕を開けた。続いて今回のプロジェクト11チームによる内容説明がそれぞれに趣向を凝らし紹介された。今年の全体テーマは「新(あたらしい)~可能性の扉は開く~」。テーマを考案した赤池香奈さん(6年)は「私にとっては、『ビジュアルメディアデザインチーム』に例えると作品を見たときに『わぁ、去年と全く違う』と皆が思うような新しいことや、いろいろ知識とかを学んで欲しいとの思いで考えました」と説明した。チームは「ビジュアルメディアデザイン」、「ロボテック」、「話芸」、「山梨学院リサーチ」、「さかさま動画」、「キーボードバンド」、「ヨガ・ピラティス」、「ボディーパフォーマンス」、「アフレコステージ」、「ドームづくり」、「恐竜博物館」の11に分かれ、それぞれ研究・活動・制作が行われてきた。「ビジュアルメディアデザイン」チームは、写真を1枚1枚連続撮影するコマ撮るによるクレイアニメーションや、立体に映像を映すプロジェクションマッピングの制作、デジタルアート制作などに取り組んだ。「山梨学院リサーチ」チームは、山梨学院創立70周年を記念したチーム。山梨学院のさまざまな施設や山梨学院の歴史やスポーツ部など、さまざまな関係者からインタビューを行い、自分たちの足で徹底的に調べてまとめたことを発表した。「恐竜博物館」では恐竜の実物大の模型のある1階メディアセンターで恐竜や恐竜の生きていた時代について調べた資料などのパネルや恐竜の模型、ジオラマなど手作りした作品を展示した。その他、テーマを引き継いできたチームや新しい分野に取り組んだチームが2週間掛けて創り上げた集大成を発表した。
「さかさま動画」の副リーダー・松島町佳さん(6年)は「私が制作した作品は男の子を主役にしたものですが、周りの端役などさまざまな工夫し、衣装とか場面の設定などで苦労しましたけど頑張りました。私たちにとっては最後のオクトーバープロジェクトですが、山梨学院にしかない三大プロジェクトの活動ができ、誇りに思います」と話した。「ビジュアルメディアデザイン」チームリーダー・新津太一君(6年)は「僕はこの6年間で主にプロジェクションマッピングに取り組みました。年々やり方が分かっていき上手くできるようになりました。今年のロゴにもある『可能性』を最大限に開いて自分のやりたいことや好きなことをできたと思います」と話した。「ロボテック」チームの木下勝登君(6年)は「自分が作りたいロボットをたくさん作れて楽しかったです。自分の得意なことや好きなことに没頭できるところがいいです」と自分が制作した作品の前で話した。フェスティバルには1000人を超える保護者や教育関係者が集まり、わが子が取り組んだテーマを熱心に見学していた。ロボテックを見学していた保護者の一人斉木裕子さんは「今度プログラミングも小学校で必修になりますが、最先端の勉強をしているなと感じます。自分たちのそれぞれの個性で選び、何も器具を使わないヨガであったり、反対に最先端の技術を使うなどいろいろなものを自分たちの好きなものを勉強できるという活動が素晴らしいと思います」と感想を述べた。
オクトーバープロジェクト担当の河合恵教諭は「今回、多学年の交流の深まりというのがすごく感じられました。毎日毎日、新しいものを皆で創り上げていくことによって、1年生と2年生が肩を組んで歩いていたり、6年生が自然に低学年をフォローしていたり、段々近づいていく姿がプロジェクトそのものなのかなと思いました。今年は新しい試みがいくつかありましたし、オープニングの演出もそうですけど、いろんなところで新しいものを皆で創り上げることができたかなと思います」と今年の成果を語った。
話芸チームで落語を披露した本間達教児童会長(6年)は「プロジェクトの2週間は皆で力を合わせ充実したものとなりました。みんながずっと笑顔で頑張れたフェスティバルになったと思います」と胸を張った。
全校生徒404人が11チームに分かれ、多彩なテーマを2週間にわたり仲間たちと協力し、自分たちの力で課題を探求し、成果を発表した「オクトーバーフェスティバル」。最後は校庭で「翼をください」の曲を全校合唱で秋晴れの空に向い高らかに歌い上げた。
文(K.F)カメラ(平川大雪 K.F)2016.11.3