全国高校サッカー選手権山梨県大会 準決勝
~日大明誠に2対1で勝利。全国まであと1勝~
~FW加藤拓己のミドルシュートで試合を決める~
第95回全国高校サッカー選手権大会山梨県大会は11月5日、甲府・小瀬スポーツ公園山梨中銀スタジアムで準決勝2試合が行われた。山梨学院高はこの日の第2試合で県総体ベスト4の日本大学明誠高と対戦。試合は、前半立ち上がりから山学が主導権を握る。山学は、相手のパスをカットしてからの素早いリスタートでボールをつなぎ、日大明誠ゴールに襲いかかる。前半23分、ペナルティエリア内の混戦でMF相田勇樹が相手DFの股を抜く技ありシュートで、山学が先制し、1対0で前半を折り返す。後半に入ると山学の足が止まり始め、日大明誠に攻め込まれる時間が続く。後半31分、山学のバックパスをオフサイドラインのギリギリに位置していた日大明誠FWに奪われ、そのまま得点を許し、試合は1対1の振り出しに戻る。後半アディショナルタイム、FW加藤拓己が相手DFの間を抜く強烈なミドルシュートで山学が勝ち越しに成功。この加藤の得点が決勝点となり、2対1で山学が日大明誠に勝利し、3年連続の決勝進出を決めた。
山梨学院高は初戦・3回戦を笛吹高と対戦し2対0、準々決勝では、北杜高と対戦し2対0で勝利し準決勝に進出。対する日大明誠高は初戦・2回戦を白根高に3対1、3回戦では都留興譲館高に5対0、準々決勝では、第3シードの東海大甲府高に1対0で競り勝ち、準決勝進出を決めた。バックスタンドには両校応援団が陣取り選手らを鼓舞。“選手権”まであと2つ、負けられない戦いが日大明誠のキックオフで始まった。
第95回全国高校サッカー選手権山梨県大会 準決勝 ≪山梨学院高VS日{大学明誠高≫(11/5)山梨中銀スタジアム |
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○ 山梨学院高 2 | 前半 1−0 |
1 日大明誠高 ● |
山学得点者 相田勇樹、加藤拓己 |
試合は、前半立ち上がりから山学がボールを支配し、試合の主導権を握る。初戦、2戦目と課題だったセカンドボールへの対応やゴールに向かう姿勢、運動量などで改善が図られ、攻撃のテンポも向上。前半6分にはDF池澤飛輝(3年)が相手陣内中盤でボールを奪い、シュートまで持ち込むも日大明誠GKに阻まれる。山学は、相手のパスをカットしてからの素早いリスタートでボールをつなぎ、シュートで終わるも決定機を活かしきれず、無得点の時間が続く。23分、試合が動く。ペナルティエリア内の混戦でMF野澤智哉(3年)がゲームキャプテンのMF相田勇樹(3年)にボールを送り、MF相田が相手DFの股を抜く技ありシュートがゴール右隅に決まり、山学が先制。この後も、山学は攻撃の手を緩めず1対0で前半を折り返す。エンドが変わった後半は山学の応援スタンドの前で攻撃が展開され、応援団のボルテージも最高潮に。応援を背に山学イレブンは、追加点を奪うべく日大明誠陣内でプレーを続ける。一方の日大明誠イレブンはカウンターから一気に攻撃を仕掛けるが、山学DF 陣が落ち着いて対応。後半8分には、山学のクリアミスから日大明誠に最終ラインを突破され、ペナルティエリア内で山学GK大野郁哉(3年)と1対1になるもGK大野が体を張ってゴールを死守。山学は、11分にこれまでの2試合でいずれも得点を挙げているU-17日本代表のFW加藤拓己(2年)を投入。加藤が入ったことで前への突破力が増し、攻撃に拍車がかかる。しかし、後半も20分を過ぎると山学イレブンの足が止まり始め、日大明誠に攻め込まれる時間が続く。31分には、山学のバックパスがつながらず、一瞬の隙をつかれ、オフサイドラインのギリギリに位置していた日大明誠FWにボールを奪われる。これを全体的に前がかりになっていた山学イレブンが戻りきれず、ゴール右上に得点を許し、試合は1対1の振り出しに戻る。残り時間が僅かとなり、山学は、前線にボールを送り、追加点を奪いにかかる。後半アディショナルタイム、途中出場のMF降矢涼平(3年)が右サイドからゴール前に入れたボールがファーサイドに抜け、これをFW加藤がキープし、DFの間を抜く強烈なミドルシュートでゴールネットを揺らし、山学が勝ち越しに成功。この加藤の得点が決勝点となり、山学が2対1で日大明誠を退け、3年連続の決勝進出を決めた。
試合後、安部一雄監督は「3試合とも楽に勝てる相手ではないと思っていたが、ここまで苦しい戦いをするとは思わなかった。前半の入りは悪くなくて後半20分過ぎには、守りに入ってしまったのか足が止まってしまい相手のペースになってしまった。最終ラインのポジショニングも崩れてしまい、そこから失点につながってしまった。延長戦まで覚悟したが、あそこで加藤が決めてくれて助かった。どこの高校も最後の戦いということで力をつけてきている。うちもそれにくらいついて最後はチャレンジャーのつもりで頑張りたい。去年も決勝でやられており、失うものは何もないので最後まで一生懸命戦いたい」と述べた。ゲームキャプテンを務め、この日の先制点を決めた相田勇樹選手は「前半は上手くセカンドボールが拾えていたが、後半に入り、競った後のセカンドボールが拾えなくて、相手に拾われて攻撃のリズムを作られ、自分たちの足も止まってしまった。最後まで諦めずに戦い、最後は加藤が決めてくれたので加藤には感謝したい」と試合を振り返り、決勝に向けて「どんな相手でも自分たちのサッカーをやれば勝てると思うので、必ず勝って全国で山梨学院のプレーを見せたいと思います」と語った。決勝点を決め、3試合連続のゴールとなった加藤拓己選手は「ゴール前に相手が密集していて、その中でもがむしゃらにただ右足を振って、結果としてゴールにつながり良かったと思います。全校応援のスタンドからの声援も凄く大きくて、自分たちの後押しになって勝利にもつながったので、応援にも感謝したいです。(決勝では)がむしゃらに全員で勝利に向かってチャレンジャー精神を持って頑張りたいです」と力強く語った。
全国の舞台まであと1勝。決勝は11月12日、山梨中銀スタジアムを会場に12時5分キックオフで行われる。決勝の相手は、8年ぶりの“選手権”出場を目指す韮崎高。山学は2年ぶりの“選手権”を目指し、スタンドとピッチが一体となり、勝利を目指して突き進む。
文(Y.Y)、カメラ(平川大雪)2016.11.5