山梨学院パブリシティセンター

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内閣総理大臣杯全日本大学レスリング選手権 最終日
~2年連続5度目の優勝。東日本学生と2年連続二冠達成~
~70㎏級藤波、74㎏級木下が2年連続優勝を決定つける~

レスリングフリースタイル大学日本一を決める平成28年度「第42回内閣総理大臣杯全日
本大学レスリング選手権大会」が11月12日に愛媛県・宇和島市総合体育館で開幕し、13日に2日目最終日が行われた。この大会は来年の国体が愛媛県で開催されるため、「えひめ国体レスリング競技リーハーサル大会」として行われた。大会には愛媛県や市町村、競技団体、学生ボランティアなど多くのスタッフが運営を支え、次期国体の準備に備えていた。この大会の出場枠は参加大学から1階級1人として8人が出場でき、個人の成績のポイントによる大学対抗戦として争われる。山梨学院大は前大会で3年ぶりの優勝を果たし、今大会では2年連続5度目の優勝に挑んだ。1日目は、今大会組み合わせが悪い中、ボルチン・オレッグなどの活躍で、優勝を競う第1候補の拓殖大と接戦を演じ、同点1位で2日目に繋いだ。13日、最終日は65㎏級、70㎏級、74㎏級の3階級が行われ、この日もライバル拓殖大に比べると組み合わせで分が悪く絶対に取りこぼしができない。まず、65㎏級の乙黒圭祐(2年)は、準決勝で優勝した早稲田大の選手に敗れ3位決定戦に回ったが、そこでも敗れ5位に終わった。70㎏級の藤波勇飛(2年)の1回戦は、実質決勝戦とも言える早稲田大の強敵・多胡島伸佳(4年)が対戦相手。試合は、学生トップのスピードとテクニックを持つ両者だけに随所に見せ場をつくり、見るものを釘付けにした。結果は藤波が後半主導権を握り、勝利。残り試合は安定した試合を見せ優勝した。74㎏級の木下貴輪(3年)は1戦、2戦目とも余裕の勝利を収め、準決勝が山場になった。試合は前半慎重に入った木下は、後半自分のペースに持ち込みフォール勝ちを収め難所を乗り切り、決勝も後半にポイントを奪い勝利。優勝を決定付けた。優勝は2年連続5度目、東日本学生リーグ戦とともに2年連続二冠を獲得した。総合成績は1位・山梨学院大、2位・拓殖大、3位・専修大となった。苦戦を予想された大会だったが、終わってみれば昨年2位との差が1.5点だったものが15点差、大差の圧勝だった。

■2日目最終日 11/13 愛媛県・宇和島市総合体育館

◆優勝を目指し、3階級で山梨学院の強さを見せる 《2階級優勝、1階級で5位》

2日目最終日、山梨学院大は65㎏級・乙黒圭祐(2年 東京・帝京高)、70㎏級・藤波勇飛(2年 三重・いなべ総合高)、74㎏級木下貴輪(3年 鹿児島・鹿屋中央高)の優勝が計算できる布陣で臨んだが、ライバルの拓殖大と山梨学院の組み合わせの差から、苦戦が予想された。しかし、最初に互いに一つのミスも許されない状況で拓殖大が痛い取りこぼしを犯し、山梨学院が優勢に立った。乙黒圭祐が準決勝で優勝した早稲田大の選手に敗れたが、敗者復活戦で5位に留まり貴重な得点を確保した。

70㎏級で出場した藤波勇飛は今年の全日本学生選手権の準決勝で破ったこの階級の実力者、早稲田大の多胡島伸佳と1回戦で対戦した。この試合は実質的な決勝戦といっても過言ではなく、皆が見守る注目の試合となった。前半、両者譲らず1-0の僅差で折り返す。互いにスピードとテクニックを併せ持つ両者の戦いは拮抗が続き、後半に入ると徐々に藤波がポイントを奪い、7-0で制した。その後の試合は順当に安定した戦いぶりを見せ、優勝。拓大が手間取る間に確実にポイントをものにした。藤波勇飛選手は「初戦が無失点で勝てたということが自信にも繋がり、次の試合からも行けるだろうという気持ちにはなりました」と振り返った。「今回は動きが良かったので問題はなく、いつも通りに行けば勝てるだろうと思いました」と話し、「次の全日本はまだ優勝をしたことがないので、しっかり初優勝を狙っていきたいと思います」と次の大会に向けて意気込みを語った。

今大会70㎏級から一つ階級を上げて74㎏級で臨んだ木下貴輪は、昨年70㎏級でインカレとこの大会で学生二冠を達成。今や学生界のトップに躍り出た。今大会でも1回戦フォール勝ち、2回戦テクニカルフォール勝ちと順当に勝ち上がり、3回戦の準決勝が山場と踏んだ。相手は今年の国体優勝者で力の強い選手。木下は慎重に間合いを図り、前半を僅差で後半に繋ぐと、素早い動きで相手を封じ、序盤に得点を奪い、そのままフォール体制に持ち込み難敵を退けた。決勝は、やはり国体で2位になった予断が許されない相手との対戦。互いに攻勢を掛けるが譲らず後半に。木下は序盤から攻め立て、相手が疲れてきたときに連続ポイントを奪い、5-0と完璧な勝利で昨年に続き、2階級を制した。木下貴輪選手は「全日本学生選手権でも優勝している相手ですけど、1年生の時JOCで1回勝っているので相性はいいかなと思っていました。最初に力で攻めてくるのを凌げば手堅く勝てると思いました」と話した。「今回は動きが良かったです。74㎏級で減量もなく、伸び伸びでき、チームも優勝でき最高です」と笑顔で語った。

全日本大学レスリング選手権の面白さは、シード制を採用していないだけに、1回戦から実力者同士の対戦があり、組み合わせの良し悪しで大学対抗のポイントが大きく変わるのがこの大会の見所。山梨学院は、今大会組み合わせの悪さが懸念されたものの、選手の踏ん張りと、対抗相手の取りこぼしが有利に働き、終わってみれば、昨年の僅差勝利から大差の勝利となった。

試合後高田裕司監督は選手を集めて、「出場した選手は、点が入らなかった選手もいたが、皆入賞して良く頑張ってくれた」と労った。続けて「拓大がミスしたから勝てた。ひとつ間違っていたら負けていたかも知れないことを全員で自覚し、来年もうちはいいメンバーが揃っているが、次の目標に向わなければ」とより一層の奮起を促した。今大会では出場選手のサポートに回った初見智徳主将(4年 千葉・関宿高)は「フリースタイルで二冠は目標にしていたので達成できうれしいですね。厳しいと言っていた中、一人ひとりが頑張ってくれ、その結果優勝できたのは良かったです。リーグ戦も4連覇しているのでこの大会も4連覇5連覇して欲しいです」と後輩に期待した。小幡邦彦コーチは「苦しい戦いでした。結果的には点差が開いて楽に勝ったように見えますが、本当は僅差の勝負の予想でした。組み合わせも悪い中、選手一人ひとりがよく頑張ってくれ優勝できたのでうちの底力が見せられたと思います」と安堵した。さらに「大学の大会だけでなく、うちにはオリンピックを狙える選手もたくさんいるので東京に向けて、国内で勝つことは当たり前ですけど世界で勝てる選手をどうやって育てていくかがこの4年間の課題ですので東京では2人から3人OBを含めうちの関係者からオリンピック選手をと思います」と将来を見据えていた。

試合後の表彰式で各階級、大学対抗戦の成績発表があり、最優秀選手に贈られる文部科学大臣杯は125㎏級優勝のボルチン・オレッグ選手が4連覇を評価され受賞した。山梨学院大は8階級中3階級で優勝、1階級が準優勝、1階級3位、2階級が5位を獲得。総合成績で2年連続5度目の優勝に輝き内閣総理大臣杯が授与された。

大学対抗戦の最終順位は、1位・山梨学院大58点、2位・拓殖大43点、3位・専修大39.5点、4位・日本体育大35.5点、5位・早稲田大34.5点、6位・国士館大26.5点、7位・青山学院大22点、8位・明治大18.5点となった。

文(K.F)カメラ(平川大雪)2016.11.13