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●山梨県淡水魚と特産品で料理コンテスト
~産官学連携で地産地消を推進、消費拡大を図る~
~山学短大生がオリジナルレシピで腕を競う~

山梨県と山梨学院短期大学の連携事業「2016山梨県の淡水魚と特産品の美味しい料理コンテスト」が11月30日、山梨学院短期大学で行われた。料理コンテストは学生たちが山梨の素晴らしい淡水魚と特産品を知り、地産地消に理解と関心を高め、考案したオリジナル料理のレシピを発信することで消費拡大を図ることを目的に2010年より行われ、今年で7回目となる。山梨県農政部、山梨県養殖漁業協同組合、山梨県総合農業技術センター、山梨県富士・東部農務事務所、企業・組合団体などの要請を受け、産官学連携・地産地消推進活動の一環として実施された。食物栄養科栄養士コースの1年生85人が、午前の部と午後の部に分かれ、甲斐サーモンレッドやヤマメ、ニジマス、鯉などの淡水魚と特産品のヤーコンと紅はるかを主材料に、自分で考案したレシピをもとに創作料理に取り組んだ。主菜は山梨の清らかな水で養殖した淡水魚。副菜は、連携団体から提供された『ヤーコン』と短大のファームで学生たちが育てた『紅はるか』を使い、学生たちは各自2品のオリジナル料理にアイディアや腕前を競った。料理のレシピ集は県民に向けて山梨学院短大のホームページに掲載される。

“山紫水明の地”山梨県は、地域に根差した特産品が多く、桃、ぶどうを初め、大塚にんじん、浅尾大根、八幡芋、ヤーコン、紅はるか等が盛んに栽培され、生産されている。また、ミネラルウオーター出荷率日本一を誇る、山梨県の清冽な地下水で養殖される淡水魚。ニジマスの生産量は全国3位、イワナ、ヤマメなどその他のマス類の生産でも3位と上位を占めるが、養殖が盛んなわりに消費量が少ないのが現状。『料理コンテスト』は栄養士を目指す学生の若い豊かな感性と発想で、淡水魚の魅力を特産品とのマッチングを考えた料理を紹介することで、消費拡大を図る狙いで行われている。

今回のコンテストに先立って10月5日、1年生の学生は山梨県農政部花き農水産課水産担当職員から淡水魚について講義を受け、この日を迎えた。85人の学生は45人ずつ午前の部と午後の部に分れ、山梨県養殖漁業協同組合が育てた淡水魚のニジマス、甲斐サーモン、イワナ、ヤマメ、鯉の5種類の淡水魚から一つを選び主菜を調理、山梨学院短大のファームで学生たちが育てた『紅はるか』、八ヶ岳ヤーコン組合(北杜市)から提供された『ヤーコン』や大塚にんじん、あけぼの大豆など地野菜を合わせ、2品のオリジナル料理を調理、腕前を競った。審査は①安全性:地域の食材の使い方、②調理性:衛生、美味しさ、③外観:風味、盛り付け、適量、④工夫・技術性:普及性、創作性の4つのポイントを基準に総合評価された。午前の部・午後の部ともに主菜で3人が賞を獲得。特産品の『紅はるか』・『ヤーコン』賞には、ともに2人が選ばれた。審査の後、山梨学院短期大学食物栄養科長・羽畑祐吾教授は「今日は本当に生き生きしており、ここまで自分のアイディアを形にしたことに非常に感激しております。これからも精進して腕を磨いて欲しい」と激励した。

午後の部の表彰式後、「山梨の天然ヤマメと地野菜のアヒージョ」を調理した深澤杏さんは「1等賞になるとは思っていなかったですが、でも前々から何を作ろうか考えたり、何回か試作し頑張ったのが報われてうれしいです。料理は、まるまる一匹のヤマメをさばき、小さく切ることが大変で苦労しました」と話した。ヤーコンを使った料理「ヤーコンとりんごのパイ」で1等賞を獲得した佐野愛さんは「ヤーコンのシャキシャキ感を失くすにはどうするか試行錯誤を繰り返しました。この授業するまで甲斐サーモンレッドもヤーコンも知らなくて他にも山梨県特産品というのをあまり知らなくて、これからもっとこれらの食材を使い、新しい料理の研究をしたい」と意欲を示した。「紅はるかの巨峰ソースがけヨーグルト蒸しパン」を調理し1等賞に輝いた田中愛奈さんは「米粉を使いモチモチの食感を出し、アレルギーの子どもたちにも食べられるようにしてみました。1等賞は励みになりますし、ここで学んだことは多いですのでこれからの力にできたら」と話した。午前の部の1等賞では、主菜の淡水魚で田中瑠衣さん、ヤーコンは一瀬実楼さん、紅はるかでは重野聖奈さんが選ばれた。

審査員の一人、山梨県農政部花き農水産課水産担当の平塚匡さんは「志向が変わってきたと感じます。鯉の竜田揚げのサンドなど、一般の人が気軽に食べられるような料理や、お店で売られていてもいいような手軽な料理が増えていました。特産品もうまく盛り込まれ、より地域密着的な料理になってきた印象があります。淡水魚の色を上手く使ったり、凝ったものから手ごろなものまでバリエーションもあり料理に対する意識が上がっていると思いました」と感想を述べた。指導した依田萬代教授は「学生が地域の食材の使い方を学び、この日のために何日も前から試作することで技術性・調理性が向上し、創造性豊かな出来栄えになりました」と学生たちの学びの姿勢を喜んだ。

山梨学院短大では、短大のホームページにレピシ集を掲載、さらに一人分の食材や栄養価、調理法がしっかり分るようにまとめた冊子を作るとしている。

文(K.F)カメラ(平川大雪)写真提供:山梨学院短大
2016.11.30