山梨学院パブリシティセンター

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●山梨学院「フードドライブ」
~山学生、家庭内に眠る食料品の提供を呼びかけ~
~「もったいない」と貧困問題との関係の気付き~

山梨学院大法学部政治行政学科の2年生4人の有志が12月1日から8日の期間において、未使用の食料品を回収する「フードドライブ」という企画を実施している。これは、家庭にある食料品を学校や職場、グループなどで集め、フードバンクに寄付する活動。寄付してもらった食料品はフードバンクから食を必要とする人たちに届けるもの。フードバンクとは、十分に安全に食べられるのに、箱が壊れたり、印字が薄くなったりして、販売できない食料品を企業から寄贈してもらい、必要とする施設や団体に無償で提供する活動で全国に広がっている。この活動からNPO法人フードバンク山梨が食に困っている個人の家庭を支援する目的で「フードドライブ」を呼びかけ、さらに2015年には母子家庭などを中心に支援する「フードバンクこども支援プロジェクト」を立ち上げた。山梨学院大の竹端寛ゼミでは昨年に続き、フードバンク山梨と提携してプロジェクトを支援する「フードドライブ」に参加した。有志の4人の学生たちは12月1日からキャンペーンを開始、土・日を除く8日までの6日間クリスタルタワーFM甲府前で家庭に眠っている食料品の寄付を教職員や学生たちに支援を呼びかけ、食料品を回収している。

日本の食品ロスは年間最大800万トンに上り、世界の食料援助量の2倍に匹敵するという。それに対して「もったいない」という気持ちが社会や行政を動かし、社会福祉活動として、流通できない余った食料品と生活困窮者など食料品を必要とする人たちや社会福祉施設などとのつなぎ役として各地で「フードバンク」の活動が広がっている。その中で日本の子どもの6人に1人が貧困に苦しんでいる現状に山梨県ではNPO法人フードバンク山梨がこれまでの行政や社会福祉協議会との連携に加え、職場や普段子どもたちを見守っている学校の先生たちと一緒に2015年に「フードバンクこども支援プロジェクト」を立ち上げ、現在、母子家庭などに多い生活困窮世帯の子どもたちに、給食のない夏休みと冬休み期間、食料品を届ける支援を行っている。

山梨学院は昨年の冬に続き、NPO法人フードバンク山梨と提携し、未使用で賞味期限内の食料品を集めるフードドライブに参加。今回で4回目になる。取材した12月1日の初日と5日、昼休みの時間に法学部政治行政学科2年の竹端寛ゼミの有志、子どもの貧困班の八巻春菜さん・酒井真梨衣さん・岸本枝里子さん・弦間達也さんの4人(写真左より)は、クリスタルタワーFM甲府前で家庭内にある使用していない食料品の提供を教職員や学生に呼びかけ、また寄付してくれた食料品を回収していた。リーダーの岸本枝里子さん(法学部政治行政学科2年)は「もともと授業で子どもの貧困問題を取り上げていて、前期は貧困からの心の影響という精神的なことをやっていたのですけど、後期はもっと自分たちにできることとか子どもに関わっていきたいなと考えていた時、フードバンクのこのフードドライブという企画を知り、自分たちにもできるなと思いました」と参加の理由を語った。また、「まずはこの大学内で、できるだけいろんな人に子どもの貧困を知ってもらうとともに皆にも考えてもらえたらいいなと思っています。ボランティアはやりたいと思ってもなかなかできないという現状ではありますが、それを身近なところでやることで、大学のみんなが見て感じてもらうことが大事です」と話した。取材した5日の日までに米、ラーメン、焼きそばなどのインスタント食品、缶詰、調味料、乾物、菓子、ジュースなど学内からたくさんの善意が寄せられた。4人は8日までに集めた食料品を自らフードバンク山梨に納め、食料品の種類別、賞味期限ごとに仕分け作業を手伝い、子どもたちに届けるという。4人を指導する竹端寛法学部政治行政学科教授は「集めてお届けすることも大きな目的ではありますが、それだけではなく、この活動を広めるということ、あるいは食品ロスという問題や貧困家庭がいるという問題を普及啓発するという意味でも非常に大きな役割がもっていると思います」とこの活動の意義を語った。

貧困問題解決にはこれからも困難も多いが、行政、企業、団体、学校、などと連携する中で我々ができることを一人でも多くの人間が問題解決に向け、動かなくては始まらない。山梨学院の4人の学生たちの活動の小さな一歩が大きな輪に広がっていくことを期待する。
食料品の回収は8日の昼休み時間まで。多くのご協力を。

今回のプロジェクトでは、12月24日(予定)困窮世帯への食料支援とともにクリスマスプレゼントを1000人の子どもたちに贈るとしている。

文(K.F) カメラ(平川大雪) 2016.12.6